コロナよりも怖いもの。

久しぶりのnote投稿。
みなさんお元気ですか? 
井上陽水ばりの挨拶をしても反応が返ってくるわでもないし、もはやこのCMの存在すら知らない人が多いのではないかと書きながら思いましたが、まぁ消さずに残しておこう。

さてさてあいも変わらずコロナで新たな常識が日々、出来上がってきています。
「マスク」「消毒」「ソーシャルディスタンス」はもう常連組として、飲食店なんかに行けば「黙食」の張り紙。さらに最近は電車に乗れば「黙乗」、温泉に行けば「黙浴」などなどが散見されます。
それらを「黙殺」したいところですが、なかなかそういうわけにはいきません。
当初は「すぐに終息するだろう」とたかをくくっていた人達は予想外のコロナ長期戦に暮らして行けず、首をくくっちゃう人も増加しているととか。
ほんと、嫌な時代になってしまいました。

このようにコロナでいろんなものが変わってしまいましたが、一番変わってしまったのは紛れもなく人間の「心」でしょう。
そんなことを思わせる出来事が先日ありました。

自宅近くの商店街を歩いていた時の話。
普通に買い物をしていたんですが、その時運が悪く咳き込んでしまいました。風邪による咳ではなく、よくある気管に詰まってむせてしまったパターンです(その時はスースーする清涼感たっぷりのフリスク的なものを食べたのが原因だったと思います)

思わず咳き込んでしまったため、立ち止まってしまう私。
当然、その時もマスクは着用状態です。
なんか後ろめたさも感じながらゲボゲボと咳き込んでしまっていると、その姿を見たサラリーマン風の男性(推定47歳くらいで中間管理職やってます的な風貌)が私を見るなり、小走りで逃げていくではありませんか。
最初は「いや、まさかそんなことあるはずもない」とスーパー性善説に乗っとそう思っていのですが、明らかチラチラと私の動向を確認しながら走り、その場から立ち去っていくではありませんか!

「あ、こいつやってんな」と。

そう、まるでウイルス扱い。バイ菌扱い、コロナ扱いである。

子供の頃、汚いものを触った子に対してバリアを意味する「ビッケ」を、サラリーマン男性は、この令和の時代に甦らせたのである。

一瞬、追いかけて文句言ってやろうと思ったが、それも一瞬にして冷めました。なぜならば

彼もコロナによって「心」をなくした被害者の一人なのだから。

もしコロナ以前に、人が振り向くほどの咳払いをしていたら、「大丈夫ですか?」と見知らぬ人でも声がけされることもあったかもしれない。
しかし今は咳き込むという本来生理現象として認められている行為ですら許されなくなってしまい、以前の「大丈夫ですか?」を持ち得ない人が多くなってしまいました。なんとも悲しいですが人間の心はこうして悪変されてしまったのです。
静かに去っていくそのサラリーマンを見て「黙走」という新しい常識もあるんだなぁと憂いてしまう。
私がそのサラリーマンに言いたいのはただ一つ。
「本当に怖いのはコロナではなく、あなたのような心です」と。

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