マガジンのカバー画像

ポエム帳

90
酔っぱらったときに書きます。
運営しているクリエイター

2018年8月の記事一覧

今夜でおしまい

8月31日。
こんなに淋しい数字の並びが、ほかにあるだろうか。
一日の終わりは、またあたらしい一日のはじまり。冬が終われば春がきて、夜が立ち去れば朝が駆け寄ってくる。本当は、時の流れの中に、季節のうつろいの中に、終わりなんてない。
だからこれから私が語ることは、本当ではない。真実ではないのだ。単なるひとりの少年の、何にもならないつぶやきである。どうしようもなく孤独だった思い出の切れ端である。

もっとみる

グッド・バイ

 平成最後の夏、私は何を想うのだろう。夏を愛し、夏にすべてを捧げ、夏と共に生きてきた私が、一体。私は昭和の夏を知らない。だから私にとっての夏は、平成の夏がすべてということになる。
 あの頃、私は小学生だった。朝はいつもラジオ体操から始まった。私の部屋の窓からは公園が見える。みんなが集まる公園だ。少し早く集まってはしゃぎ回る低学年の男子。虫取り網を持って木を揺らす者もいる。
 時間が近づくと、三か所

もっとみる