見出し画像

山伏修行その3_魂の音

山伏修行_その2のつづきです。

この年(2019年)は、出羽三山神社の神子修行にも入り、瑛扇(エイセン)という山伏名をいただきました。瑛(エイ)というのは透明な丸い玉の事、扇(セン)はおうぎの事ですが、扇は風を起こしたり、閉じてる時と開いた時の印象が違ったりします。いただいた名前の意味はまだ分かるような分からないような、、感じです。

この時は絶対に法螺貝を買って帰ると決めていたので、十数万のお金を握りしめて斎藤商店さんへ。
そしたらとにかくデカい、重い、音、出しづらい!という貝がひとつ。
星野先達もこれはちょっとなぁ、、とおっしゃってた、といういわくつき。
売って欲しいと言うと、斎藤商店のお父さんは心配そうに「ぇぇえええ、これぇぇ…?ほんと?」と、しかし、ここで出会ったもの、と決めていたので私にとっては運命の出会いなんです。とお伝えすると、納得して、朱色の襷を結んでくれました。これだとちょっと長いね、と長さ調整もしてくださった。

ここから、わずか1つの音を出すのに一年かかるとは、、

3年目(2020)はコロナのため中止に。

4年目(2021)は、初めて法螺貝を携えての行になったんですが、修行終わりに先達から

「ほら貝ってのは魂入れて吹くんだよ。そうしたらね、その人の魂の音がするもんなんだよ」

と教えてもらう。
修行をしていると、魂に触れたような経験をされる方がいらっしゃっるんですが、私はそこらへんがいつも分からずにいたんです。
でも「史子のほら貝には魂が入ってる、史子の音がするのがわかるよ」って言われて、自分が法螺貝を必要としてたのはそういうことだったのかなって。
最初は躊躇して車に置いてきてた法螺貝でしたが、持ってきてるなら一緒に吹こうよ!と言ってくれた仲間がいたからこういう行になった事は忘れることは無いと思う。

この年は、産後初参加という事もあり体は重くて脚も痛い、相変わらず滝は苦手だし、とにかくヘナヘナだったんですが、このあたりから少し"うけたもう"が分かってきてるのか?弱い自分を見て、微笑んでる自分がいました。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?