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名前


#名前の由来

 自分の名前に馴染めない……かれこれ○十数年使い続けている名前ですが、慣れてはきてもどうもしっくりきません。自己紹介とかの場で自分の名前を言うのもたどたどしくなってしまい、出鼻をくじかれる思いを何度経験したことか。

 本名公開は憚れるのでアレなんですが、元々は別の名前が付く予定でした。当時は生まれる前に性別が判別できたわけではありませんので、事前に男の子の場合と女の子の場合と両方考えるか、生まれてから赤ちゃんのイメージで決めるなど色々あると思います。余談ですが、家族会議で揉めに揉めて家庭裁判所で命名してもらったという方もいらっしゃいましたが。

 私の場合、最初は祖父が命名する予定でした。男の子でも女の子でも違和感のない名前だったので、事前から温めていたと考えられます。
 ‎命名色紙まで用意して、家族会議でもほぼ満場一致だったそうです。もう親戚中がその名前でいくものだと思っていたところ、役場から戻ってきた父は別の名前を携えておりました。
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 ‎小学生の時、学校の宿題で『名前の由来を発表する』というものがありました。最初に母に尋ねたら『お父さんに聞いて、お母さん分からんから』と言われ、父に尋ねたら当たり障りのない理由と、名前に入っている漢字が好きという返事が返ってきました。
 ‎実はその漢字、五歳年上の従兄弟にも使われていて、所謂姓名判断では避けるべしとされている『名前分け』に該当するらしいです。父がそれを知っているとは思えず、一人こそっとその計画を立てていたように思います。

 当時はそれで終わりましたが、高校生くらいの時に母から『本当はお祖父ちゃんが別の名前をちゃんと考えてて、お父さんが勝手に役場で変えた』という事実を告げられ、元々命名される名前も教えてもらいました。祖父は『名前分け』を極力避け、苗字もそこそこ珍しいのでなるべく馴染みやすい漢字を使ってくれていました。
 ‎この背信行為、祖父にとっては相当ショックな出来事だったと思います(その半年後に他界:理由は多分関係ない)。明治生まれの祖父に対し、六人きょうだいの末っ子である父は恐らく意見することができなかったんでしょう。『お前何してくれとんのじゃ!?』という怒りみたいなものがありましたが、自分自身の名前がどうしてもしっくりこなかった理由が腑に落ちたのもまた事実なんです。

 ‎子供の頃からテストとかで名前を書くのも軽く苦痛で、いい大人になった今でもなかなか上手に書けません。名前が下手くそってマズくね? とボールペン習字もして二級まで取得しましたが、未だに名前を書くのが苦手です。
 ‎それが筆跡にも出るんでしょうね。十年ほど前に通っていた職業訓練所で履歴書の添削をして頂いた際、『手書きで勝負できる』というお言葉は頂けたものの、『名前が一番バランスが悪い』とも言われました。

 皆様はご自身の名前がお好きですか? 私は二者択一で申し上げますと“嫌い”です。しかし名前はそう簡単に変えられるものではありません、好き嫌い関係なく一生付き合っていかなければならないのです。
 ‎お子様のいらっしゃる方は、姓名判断の本を買ったりして子供の幸せを願いながら一生懸命考えてこられたものと思います。キラキラネームも賛否両論ありますが、ご両親が真剣に考えた上で付けた名前であればお子様にもきっと伝わっていると思います。

 その上で敢えてもう一度お尋ねします。

 【ご自身のお名前、お好きですか?】

*こちらは以前某サイトで投稿したものを再編集致しております。当時日間ランキングにも乗り、【名前】に関心のある方は多いのだなと感じました。
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