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[2021/02/10追記] 創作全般に携わる方々へ向けられた問いかけ 【大槻香奈さんの発言を機に考え続けていること】

▶︎はじめに

このnoteは、大槻香奈さん・ondoギャラリー・そしてもう一人の作家さんが中心となった『盗用問題』に関するツイートのまとめです。基本的にナツメ自身のツイートのまとめとなっております。

著作権侵害などの法的な問題[ではない] グレーゾーンの部分をどう捉えていくか、作家活動をするにおいて大切なことは何かなどについて、私個人の見解を記しました。

3. については現在進行形でツイートしているものなので、必要に応じて随時更新予定です。

▶︎1. 大槻さんから発表されたnote

2020年12月28日 7:03、大槻香奈さんから以下の内容の発表がありました。

一点だけ書き添えるならば、ギャラリー側に見解発表の意思が無いとの連絡があったため、このnoteの発表に至ったいうことが、まず大切なポイントです。

この発表を後追いする形で、ondo galleryから文書が発表されました。2020年12月28日 16:53です。

このような時系列で、事は進行していきました。


▶︎2. 2020年3月時点の私のツイート

さて、ここからは私の独断で行った発言について触れていきます。私は2020年3月13日 8:42の大槻さんの発言(Twitterのツリーでの発表)を見て、これは大槻さんだけでなく創作に携わる方々全てに関係する問題だと考えました。

そして以下のようにツイートしました。

2-1. 大槻さんの発言を受けて

2-2. 知的財産的・法的に問題が無ければそれで良いのか。倫理観の欠如への懸念。

2-3. 自分にとっての『研究』とは

2-4. 研究したものが必ずしも同じ形でアウトプットされるわけではない

▶︎3. そして現在も変わらず思うこと(最終更新:2021年1月4日 21:20頃)

今現在私がTwitterで発信しているもののまとめです。下に行くほど新しいツイートになります。

3-1. 研究の結果、見えてきたもの

3-2. ondoギャラリーの取った対応への疑問

以下のツイート内にある「ギャラリーの初動」というものは、大槻さんからの問い合わせに対してondoさんがした「まだ駆け出しの作家さんだから慎重にいきたい(≒口を出さないで)」という旨の発言を指します。こちらのツイートがソースです。

以下、2020年12月28日の私のツイートです。

3-3. 『ギャラリーが作家を守る』とは

↑の「時系列に並べられた作品群」については、大槻さんのnote内に貼られたリンクをご参照ください。(このノートの冒頭と文末にも大槻さんのnoteへのリンクがあります。)

3-4. 当事者ではない私たちには何ができる?→自分ごととして捉え、考え続けることではないか

3-5. 見せ方次第で歴史は簡単に書き換えられてしまう。背景を知らない方へ伝え・残すことの難しさ。(2021/01/04更新)

Netflixの『全裸監督』[だけ]を見た人にとっては、「村西監督がAV業界の英雄のように見えてしまうことも起こりうる」という件についての言及です。

この事例は、大槻さんと類似作家さんが同じギャラリーで取り扱われることで過去が書き換えられてしまう危険性とリンクしているように思い、書き留めました。

ツイート引用の最終更新:2021年1月4日 21:20頃


▶︎4. 篠原有司男さんの「ボクシング・ペインティング」作品と「SHIBUYA BOXING ART」問題について(2021/02/10追記)

詳細は上記リンクをご覧頂ければ明らかなのですが、映画『アンダードッグ』のABEMAプレミアム配信開始にあわせて制作されたプロモーション「ボクシングアート」が、篠原有司男さんの代名詞である「ボクシング・ペインティング」に酷似しているという問題と、その顛末がまとめられています。

以下に重要箇所を引用します。

この広告に法的な問題はなかったのか? Art Lawを専門領域とする弁護士・木村剛大は、「著作権法では、スタイルや作風が似ているだけではアイデアが共通するだけと評価され、著作権侵害にはならない」としつつ、「著作権侵害にはならないことと、作品として問題がないことはまた別だ」と話す。 
---2021.2.6 Web美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/23521 より引用

これまでにも述べてきた通り、アイデアそのものは著作権の対象外です。しかしそれを生み出したアーティストへの敬意の有無は非常に大切であり、単なる模倣になるかオマージュとして昇華された作品になるかを大きく左右します。

その切実さは、篠原さん自身のメッセージからもそれを読み取ることができます。直筆メッセージはweb美術手帖をご参照ください。以下に書き起こし文を引用します。

 芸術は、心と心の戦いです。その葛藤をアート表現にどう結びつけるのかに一生掛けています。
 大衆的人気を獲得するために、アーティストの開拓した大切なスタイルをコピーすることは許されません。世界のアート界の常識です。
 この問題は世界中に起きているので、世界中の美術館、ギャラリー、アーティスト、美術関係者が目を光らせています。

篠原有司男 2021年2月1日

---2021.2.6 Web美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/23521 より引用(画像内文字を書き起こし)

現在SNSではトレパク問題で炎上することも多く起きていますが、トレースのようなわかりやすい著作権の侵害だけがNG行為というわけではないのです。

また、学術論文のように引用方法が定着していないというのも、厳しいですが言い訳にすぎないと考えています。なぜならステートメントという、自身の作品についてのコンセプトや制作理由・経緯などを文章化するシステムは、すでに美術界で機能しているからです。

:::

先人の切り拓いた技術やスタイルは、コンセプトと同じく作家の心臓部であり命とも言えるものです。

もし類似した路線で更なる開拓を行いたいのなら、 どのように引用し、どのような独自性や意図をもって先人を乗り越えていくのか、
それをステートメントとして言葉にすることはできるか、
そして、そこにリスペクトはあるか。

制作に向かう際には常に考えていかなければならないでしょう。


▶︎おわりに

これら一連の問題は、著作権の絡む法的な問題ではありません。しかし、大槻さん個人の範囲で収まるものではなく、美術に限らず全ての創作に携わる作家さんたちにかかってくる、見逃してはならない問題だと考えています作家生命に関わることですから…

● 作家性を守る(確立する)とはどういうことか。

● 先人からの影響を受けて制作を行うのは当たり前のことだが(学ぶは[まねぶ]とも言いますから)それに対する自身の姿勢はどうだろうか。

● 自分の作品について系譜を辿るとどんな先人たちに行き着くだろうか。

…etc

『(プロの)作家として生きていく』ということに関する問いは様々ありますが、それら多数の問いかけについて考え続けることが、我々には必要なのではないでしょうか(そして恐らく、法律のように明確な答えの出ることのない問いが ほとんどでしょう)。

様々な業界で創作に携わる皆様に、大槻さんの願い・祈りが届きますことを、心より願っています。

2020年12月末日 文責:ナツメミオ

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