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『OneShot』一度きりの体験、一つの物語【ゲーム感想】

「OneShot」をクリアしました。Steam版の方でやった!
最初の方もゲーム説明文にあるくらいのネタバレあり。後半はがっつりネタバレ。


ゲーム概要

 主人公の「ニコ」と一緒に、太陽の失われた世界を救うため&ニコが家に帰るために旅するアドベンチャーゲーム。

 特徴は何といっても「プレイヤー」の存在が認知されている、いわゆるメタ的なゲームである点。プレイヤーはニコと会話をしたり、手助けしたりして、ニコを導いていく。

 基本的には謎を解いて進むシステムなので、戦闘やアクションが苦手でもクリアしやすいと思う。

ゲーム総評(ストーリーネタバレ無し)

クリア時間

 クリア時間は約7時間。
体感時間はもっと長かった…密度が濃い。

主人公「ニコ」

かわいい。

他のキャラもだけどピクセルアート?のキャラ絵好き

 ネコ人みたいな姿の子どもで、いい子。会話を重ねるうちにどんどんニコに愛着を感じ、可愛く見え、この子を助けてあげたい!と思うようになった。
 ゲームの最中にスチルとかも出るんだけど、それもまた綺麗でかわいい。

度々出るスチルはとても綺麗

 ネタバレになるかもしれないから詳しく書けない、ニコの良さはプレイして確かめてください。

ゲームシステム

 基本はキャラを移動させて調べたり、アイテムを使ったりして謎を解き、進んでいくシンプルなシステム。メタ的なゲームでもあるため、そういった要素を使ったシステムもあったり…解けるとやっぱり面白い!

 キャラも音楽もいいので世界観に浸りながらじっくりやろう!

総評

 見た目好きだな、雰囲気良いな、メタ系ゲーム好きだなとか、ちょっとでもやる気があるならネタバレを見ないうちにプレイしてみてほしい!できればSteam版の方で。値段も安いし(約1000円)

 私もメタ系で評判良いらしいぐらいの情報でプレイした。PC系ゲームあんまやり慣れてないんだけど、RPGツクール的な操作方法でそこそこ親しみやすかった。

 OneShot、好きだ…
 ニコ達に会って、是非一度きりの体験をしてほしい!







ネタバレあり感想

ここからは完全にネタバレありの感想になります。

・最初の選択

 
世界を取るか、ニコを家に帰すか…「チャンスは一度きり」ってこれのことか~となった。ここで本当に悩みまくり(5分以上は悩んでいたと思う)、最終的に家に帰すことを選んだ。
 ニコの夢を見るたびに早く帰してあげたいと思っていたので、世界のみんなも好きなんだけど…ニコを家に帰して元通り、みたいにするのが良いかなと決断した。

二週目

 
二週目でどう変わるのかと思ったけど結構序盤から変わっていてワクワクした。「作者」の日記も存分に使うようになって楽しかった。リアル脱出ゲームみたいな謎解き楽しい(そんなにやったことあるわけじゃないけど)
 いわゆるメタ要素、世界がコードでできているのをニコが認知していったり、世界がどういったものかの話も出てきてストーリーがずっと面白い。

優しい世界?

 
1週目からだけど、終わりが近づいている終末の世界観で、救世主がいても世界が完全に救われるわけでもない…という全体的にはかなり暗く鬱々とした話が続いていたのにもかかわらず、結構優しいというか穏やかな雰囲気がずっとあったように思う。もちろん悲しく切ない気分になるときは多かったけど…

 多分、良くも悪くも多くの住人たちが諦観の境地になっている事と、主要キャラクター達が他人のために動いてくれるような人たちが多かったからなんじゃないかと思う。ワールドマシンも含めて、悪意や害意のあるようなキャラはいなかったし、だからこそやるせない部分もあったけど。

・キャラクター

 
元々人外キャラみたいなのが好きなのもあって、まず見た目が好きなのが多い。2週目だとどんどん四角形に襲われていくし、しかもニコをとりあえず先に行かせてくれようとするし…いい奴らしかいないのが余計悲しい!
 みんなも幸せになってほしいと思うから、ニコも家に帰したいけど世界も救いたい!となる。特に好きなのはカラムスとアルーラかな、兄妹かわいい。

 エンドロールでの演出も粋だったな~。

・ニコと本物

 ニコは最初からかわいかったけど、だんだん成長して覚悟を決めていくようになった。ニコと会話することも心の支えの一つになっていたと思う。
 特に、ニコが終盤で、元々虚構であったとしても本物だというようなことを言ってくれたのは本当にうれしかった。私も昔からフィクションが大好きで、間違いなくそれらは私にとって現実で本物だから、やっぱりこういうテーマは大好きなんだよね。最後の方は「moon」(これも大好きなゲーム)を思い出した。

 ニコは「OneShot」において、プレイヤーと非常に近い立ち位置だと思う。世界を虚構だと認知して、それでも本物として愛して、大切な思い出を持ったまま日常生活に戻っていく。場合によっては主人公ニコの立ち位置が私で、神様、私の立ち位置がニコだったかもしれない。
 だからその立ち位置のニコがそういう思いを持ってくれることがとてもうれしかったし、伝えてくれたのも良かった。

 最後にニコはデスクトップからも消えて、ゲームを開いても会えなくなる。寂しいけど、今もどこかでニコが元の世界で暮らしているのだと考えるとやっぱりこれで良いのだと思う。

 私はニコたちを忘れないし、ニコもきっと私たちを忘れない。
 みんなに出会わせてくれてありがとう、「OneShot」。




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