夜の森がこんなに怖いなんて知らなかった。怖くて怖くて声を殺して泣いた。「迷子か?」木の上で琥珀色の瞳が輝いた。「だあれ?」「森の賢者」「けんじゃ?」「子供は嫌いじゃ」「きらいじゃ?」「…早く出て行け」優しい歌声。草藪が道になり、お母さんの声が聞こえた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?