影に染まった木々が星を握り潰そうと頭上に手を伸ばしている。深い闇と獣の気配に声を殺して泣いた。「迷子か?」木の上で琥珀色の瞳が輝く。「だあれ?」「森の賢者」「けんじゃ?」「だから子供は嫌いじゃ」「きらいじゃ?」「…早く出て行け」優しい歌声。草藪が道になり、お母さんの声が聞こえた。

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