見出し画像

#009 ネコと和解せよ

彼は猫を飼っている。名前はLuna、愛称はルゥルゥ。名前の由来は「美しいから」。彼曰くルナは世界で一番美しい猫、なのだそうだ。

性別は雌。7歳。彼が前の彼女と付き合っていた頃に一緒に飼ったそうで。これがもう~~本当~~に彼にしか懐かなかったらしい。ルナはもう、雌というよりは女なのである。彼以外では、唯一彼のお母さんのみ、抱っこすることが出来るという。

私がベルギーに行く前から「懐かないけど気を悪くしないで」「絶対抱っこ出来ないから」と念を押されていた。私も必死で「猫に懐かれる方法」でぐぐってみたが、とりあえずグイグイ行かない方が良いということしか分からなかった。全ては「お猫様次第」ということだ。

なので私はマタタビを持っていった。(卑怯)

いざ、対面の時である。明らかに警戒されている。とりあえず、かがんで、指先の匂いを嗅いでもらう。「わたしです。よろしくおねがいします」という感じだ。

案の定、すぐにどこかへ行ってしまう。大丈夫だ、まだ8日間ある。

※当然のように模造刀があるオタクの家

私が彼とビデオ通話する時、ルナは彼の傍を離れてしまうらしい。所謂「他の女と喋ってるのすら嫌」というやつだ。ザ・女である。

1日目の夜は、当然ながら、彼と私が眠っているベッドにルナは来なかった。それどころか、翌朝にはトイレ以外のところにおしっこをしてしまっていた。

ワーオ、まさにpiss offじゃないですか、先生。

などと言っている場合ではない。彼も「ルナがナーバスになってる…」とそのおしっこを拭きながら溜息を吐いていた。すまない、ルナ…少しの間我慢してください…。ヨーロッパで野宿はできへんのや…。

2日目の夜…というか、朝方5時頃、眠っているとルナが「ニャーン」と近づいてきた。私の存在に気が付くと「まだおるんか」と言わんばかりに彼側の方へ歩いて行った。

3日目の朝5時。また「ニャーン」で起こされた。彼が「ルナ」と呼ぶと、ベッドに飛び乗り私のみぞおちを踏みつけて彼側に移動した。ウーン、薄くて分からなかったかな?(^^)わたしはここにいるよ(^。^)


いくら朝早くに起こされても、いくら塩対応をされてもネコチャンの可愛さには敵わない。
私は2日目の朝から毎日彼女をブラッシングしたり、散らばった猫砂を掃除したり、媚に媚びて過ごしていた。
その甲斐あってか、3日目あたりからは「アンタ何しとるんや」と言わんばかりに匂いを嗅ぎにきてくれるようになった。(冒頭写真)

4日目からは毎朝5時のニャーンの後に、私の脇腹辺りで寝てくれるようになった。しかもゴロゴロ言ってくれる。撫でても逃げない。かわいい…。

しかし抱っこは無理だった。嫌がってすぐに逃げてしまったし、しつこくトライして近寄って来なくなる方が嫌なので一度しかトライしなかった。

だが、ある日、彼が朝の2時間程、家を留守にする事になった。「一緒に来ても良いけどもうちょっと寝たいなら寝てて良いよ」との事だったので、これ幸いと二度寝をキメた私。1時間程したら、彼からそろそろ起きて出かける準備をしなさいとの連絡がきた。

準備は直ぐに終わって、私はまた猫砂を片付けたり、ブラッシングをして媚びたりしていた。
そして一通り媚び終えると、ソファに座ってのんびりSNSをチェックしようとした、その時だった。

膝に乗ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

タイミングよく、彼からビデオ通話が来たので、「ルナなら今俺の膝の上でゴロゴロ言ってんぜ」とドヤ顔で完全勝利宣言をしたのだが

「ね、ルナは優しいんだよ」

いや、違う違う、優しさとかじゃなくて…

「ルナは俺がいないときはそうやって膝に乗るよ」

ええ〜〜!?!?めちゃくちゃビッチやんけルナ嬢ョォ〜〜〜!?!?!?

結局、その後ルナが膝に乗ってくれたのは、彼の姿がないときだけでした。
ウーン、女だねぇ…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?