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#048 人は薄切り肉に狂う

また遅筆になりつつあるので、今日は簡単に肉の話をしようと思う。

先日、ワシントンにいる兄夫婦とスカイプで話す機会があり、「欧米、薄切り肉が手に入らない問題」が話題にのぼった。そういえば、イギリスに滞在していたユーチューバーさんも「薄切り肉が手に入らなくて…」と嘆いていたから日本人は薄切り肉がないと生きていけない人種なのだと思う。

ベルギーでは、牛肉≧鶏肉>豚肉の順番で食べられているらしく(彼調べ)、豚こま肉に普段から助けられていた私には信じられない環境だった。
とは言っても、豚肉が普段から手に入らないということはなく、どこに行っても豚肉は手に入る。ただし皮が残っているので最初は戸惑うこととなる。削ぐべきかそのまま食べるべきか迷ったが、結局は綺麗に削げなかったので普通に食べた。なるほど、コリコリしているんだね。

ちなみにこれはカルフールの肉売り場。豚が丸ごと2匹いた(写真中央)ので普通にちっさく悲鳴を上げた。私が子供だったら泣いてたと思う。沖縄の人とかは見慣れてるのだろうか。

話が脱線してしまったので、冒頭の薄切り肉の話に戻そう。
何はともあれ、ベルギーでもやはり薄切り肉は手に入りにくかった。日本食材屋では冷凍の薄切り肉があったりもしたが、「これは調理したら週刊誌の紙くらいパッサパサになるやつ!」と思って買うのを控えた。
中には“お肉屋さんに「薄切りにしてください」と頼んでみては?“と思う方もいるかもしれないが、頼んでも8ミリくらいの厚さで出てくるので、やっぱり日本で手に入るような薄切り肉は入手できないのである。
基本的にあちらのお肉屋さんは塊肉を頼もうものなら斧のようなものを振り上げて骨ごと肉を叩き斬り始めるので、あまり繊細なことを注文しても仕方ないのかなと思う。
唯一ブリュッセルの老舗肉屋さんは世界のあらゆる料理を把握しているようで「日本の牛丼を作るから超薄切りにして」と頼んだら«完全に把握»と言わんばかりに、1ミリくらいに薄く切ってくれて、それはもう感動したものだった。老舗肉屋さん、超リスペクト。

しかし、こんなお肉屋さんがどこにでもあるわけではないので、我々はいつも「厚さ8ミリの薄切り肉」で我慢するしかない。なお、兄夫婦情報によると「業務用のスライサーを買って自分たちで切ってる人もいる」らしい。そういえば、前述のユーチューバーさんも薄切り肉欲しさにスライサーを買ったが肉がズタズタになったと嘆いていた。

「いや、薄切り肉求めすぎやろ」と思ったあなた。薄切り肉のない世界を一度経験してみて欲しい。スライサーを買わせる威力が«奴ら»には、ある。薄切り肉のない世界って本当に厳しいんだからね。

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