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#053 コロナ状況下で国際遠距離結婚した覚書

※この記事は2021年10月に書き上げたまま放置していたもので、情報が古い恐れがあります。ご了承下さい。

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ここは2ヶ月に一度書く場所になってしまっているけれど、この報告をまずしっかりとしなければならない。「結婚できました」と。

2021年1月から、結婚の手続きを進めていたが、コロナ禍でめちゃくちゃに時間が取られ、手続きは正に混とんを極めていた。コロナで世界が大混乱に陥ってからもう2年程経っているが、まだまだ多くの国際遠距離勢が苦労しているだろうと思う。私が渡航したのはワクチンパスポートの運用もまだ広まっていないギリギリの段階だったので、今の状況ともまた変わっているだろうというのは正直なところだろうが、参考の為にまとめておこうと思う。

先ず、私が日本からベルギーに渡航するためには、「渡航許可証明」をベルギー大使館に発行してもらう必要があった。この手続きがめちゃくちゃに時間を取られ、お金を取られ、精神力も限界まで使い果たすものだった。

先ずこのコロナ禍で渡航制限が厳しくなっている中、留学でも仕事でもなく渡航するのはさらに難しいミッションだった。「結婚するので渡航させてください」ということを証明する必要があるのだ。2020年の渡航であれば、2年以上交際していることを証明すれば「エッセンシャルトラベル」として国際恋愛カップルにも渡航が認められていた。しかし、2021年になると「付き合っている人に会いたい」だけでは理由が弱く、「結婚するために渡航する必要がある」と証明しなくてはならなくなった。

ベルギー人と国際結婚するためには、二つの方法がある。一つは先に日本で結婚してからベルギーで結婚手続きを取る方法。もう一つは、ベルギーで先に結婚してから、日本で結婚する方法。前者の方は、ベルギー国籍のパートナーが日本に来ることなく書類だけで手続きを進められる(※婚姻届を提出する役所による。またベルギーパートナーはOKでもフランスパートナーは×みたいな差もあるので、要問合せである。)なので、役所の人も、大使館の人も「先ず日本で結婚してからの方が簡単だよ」と口を揃えて言っていた。

が、私は色々事情があり、後者の「先にベルギーで結婚する」を選択しなければならなかった。ベルギーで婚姻の効力を発生させるには、私が現地に行ってコミューンでセレモニーをしなければならない。なので、どうしても私は渡航する必要があった。その為にもベルギー大使館から「渡航許可証」を貰う必要があった。

渡航許可証をもらうには、「私たちは結婚する予定です」ということを証明しなければならない。その証明は、コミューンから「結婚の宣言書」というものを発行してもらわないといけない。その為に、結婚に必要な書類をベルギーにいるパートナーにすべて送る必要があった。

そしてその「結婚に必要な書類」というのがまた鬼門であった。なぜならコミューンにいる役所の人もあまり分かっていないのである。私はとりあえずコミューンのサイトに書いてあるものをすべて送った。この必要書類は現地パートナーが暮らしているコミューンによって本当にバラバラなので、「ベルギー人と国際結婚した人のブログ」を見れば完璧ということは全くなく、必ず自分でコミューンに問い合わせないと「あれが足りなかった」「これは要らなかった」が必ず出てくる。面倒だけれども、ここは横着すると時間をロスしてしまう部分だ。私もだいぶロスしたので、口を酸っぱくして伝えたい部分である。

基本的に必要なのは、戸籍謄本、住民票、パスポートコピー。コミューンによっては、独身証明書も必要であり、また「現地パートナーに婚姻に必要な書類を提出してもらうための委任状」も必要である。この委任状は、コミューンの使用言語で書かれている必要がある。また日本の公証役場で認証を付けてもらったり、法廷翻訳家に翻訳してもらったり、現地でリガザシオン(アポスティーユみたいなもの)してもらったりしなければならなかったりする。が、これも「コミューンによる」ので、必要がない場合もある。

もし仮にここを読んでいる人の中に「先にベルギーで結婚したい」という人がいるのならば、パートナーには多めに戸籍謄本を送っておいた方が良い。数が足りないとなるとまたタイムロスが起きてしまうからだ。住民票と独身証明書は1通でもいいかもしれないが、安心を買いたいのであれば、2通は取っておいたほうが安心である。戸籍謄本は3,4通取ってても良い。

また、戸籍謄本等を法廷翻訳家に翻訳してもらう必要があるが、これはベルギーでやってもらった方がはるかに安く済む。(安く済むといっても、それなりにお金はかかるので注意。あくまで日本で頼むと高すぎるということ。)なので、よほどじゃなければ、現地パートナーにお願いして、法廷翻訳家に頼んだ方が良いだろう。法廷翻訳家のリストは在ベルギー大使館に記載があるのでそこの中から数人に見積もりを取ってもらうと良いだろう。

他に必要なものは、現地パートナーの収入の証明や、独身であるかの証明などがあるが、それはもう我々日本にいる日本人パートナーにできることは何もないので、現地パートナーを応援するのみである。

そういう風にしてそろえた書類をコミューンに提出すると、「結婚の宣言書」がもらえる。この宣言書には「私たちは〇月〇日にコミューンにて婚姻の届け出式を行います」と書かれている。そう、つまり書類を提出するときに「いつ入籍したいか」(※ベルギーに入籍という概念はないが、日本人的発想で、婚姻効力発生日に縁起を担ぎたい人にとっては重要なことだろう。)は決めておき、希望を伝えないと適当な日に設定されてしまう。あらかじめ希望する日はパートナーと相談しておくべきだ。ちなみにこの日付は変更することが可能だが、いちいちコミューンに連絡しないといけないので、最初から希望の日を伝えておくべきであろう。

さて、こうして「結婚の宣言書」をもらえたら、「渡航許可証明」の「渡航の必要がある強い証明」となる。今はどうなっているか分からないが、私は「あとはCビザの書類をすべて出してください」と言われた。ビザはもらえないのに、ビザの書類をすべて出さなければならなかった。このCビザの書類には、健康証明書や無犯罪証明書も含まれており、これを取得するのに2ヶ月近くかかることもある。超・超・超・超問題の書類なのだ。なので、もし「渡航許可証明書」を得るためにCビザの書類を出さないといけないとなれば、まずこの二つから着手しておくべきである。

しかし、私の場合、その準備をしているときに「日本人入国おっけ~^^」と言われ、すべての努力とお金が無になった。なので、実際にはベルギー大使館には渡航許可証の申請はしていない。申請した人によれば、提出から1週間くらいで発行してもらえたとのことだ。参考にしてほしい。

渡航許可証の必要はなくなったとはいえ、入国審査ではやはり少し書類のチェックをされた。コロナの陰性証明書に加え、「婚姻の宣言書」のコピーも見せた。別の人は「見せなかった」と言ってたので、これも担当した人によるのだと思う。とにかく「ここまでやったが入国できませんでした」は悲しいので、「私は入国しないといけない人間だ」と証明するものは全てもって入国審査に挑んだ方が良いだろう。

無事に入国できたなら、あとはコミューンでセレモニーを行うだけだ。このセレモニーがどんなものかというのは、かなり気になると思う。服装とかどうするのか、私もネットで調べたが、一組くらいしかその様子が分かるものを見つけられなかった。

正直他人の結婚セレモニーの模様など見ても面白くも何もないと思うが、「どういうことをするのか知りたい、服装はどんな感じなのか知りたい」という人がいると思うので、服装についてはこの記事のトップ画像がそれであるので参考にしてほしい。(内容については今後動画でも出そうとは思ってはいる。)。このセレモニーはあくまで「私たちは結婚することに同意します」と宣言(署名)するだけなので、いわゆる教会での結婚式みたいなものではない。事務的なものだ。

そうであるのに、私たちカップルがかなり「結婚式に近い恰好」をしているのは、理由がある。先ずコロナ禍でちゃんとした結婚式はできないが、それでもご両親が「それなりのセレモニーをしてほしい」と希望されたため、私はウエディングドレス(パンツスタイルだが)を、彼はちゃんとしたスーツを着て、友人も家族も同席した。が、私のツイッターでの相互さんはコロナのこともあり友人も家族も同席しなかったためビジネスカジュアルっぽい恰好でセレモニーをされていた。その他、ブログで見かけた人はブルーのワンピースでセレモニーを行っていたので、友人や家族を呼ぶか、他で結婚式をちゃんとするかというのは大きな差になると思われる。

さて、長々書いてしまったが、私が覚えているのはこのくらいだ。あんなに苦労し、精神的にも病み切った手続きだったが、のど元過ぎれば忘れてしまうらしい。大事な部分が抜け落ちていたら申し訳ない。

今はワクチンパスポートの運用も始まってきたので、出国・入国の方法が少しでも簡単になっていると良いなと思う。私も今は滞在許可の申請中で春頃までベルギーの外に出ることはできないが、それまでにはもう少し日本に帰りやすくなっていて欲しいなと願うばかりだ。

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以上、まだオミクロンのオの字も出てなかった頃の覚書でした。。参考にならなくてすみません。

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