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駐輪場にあった「くし」の意味

今日、高架下にある駅の自転車置き場を歩いていたら、
髪をとかす「くし」が一つ、敷地を区切るフェンスに刺さって誰かを待つ光景を見た。
(写真が撮れず後悔)

それは折り畳み式の簡易的なものではなくて、
自宅で使うような、しっかりした大きさのもの。
持ち運びにポーチに入れるにはどうも不便そうな代物だった。

捨てるほど古びておらず、問題なく使えそうなものだったことあり、
「くし」がその場を通る私の後ろ髪をひっぱった(←おい)

誰が、なんの目的でそこに刺していったのか考えたい。
(但し、忘れもの、ということは考慮しないものとする)


1.陣取り説

そこに「くし」があることで、目の前の駐輪場に自転車を停めることを躊躇させて、自分の場所を確保する。
なんとも自己中心的な考え方ではあるが、
「くし」であることで

”場所取りに「くし」を使うなんて、なんかオシャレだ”

などと、使用者への好奇心へ気持ちをうつさせることによって、
負の感情を抱かせないようにする高等技術だったりするかも。

2.効率重視説

自転車で来るということは、その道中で髪が乱れる可能性が高い。
しかもそのあと電車に乗るわけで、下手したらそのままお出かけ先にまで行くかもしれない。
そんな時、駐輪場に「くし」があれば……。

という希望を叶えるために、設置したかもしれない。
その場で髪を整えて、フェンスに戻せば手荷物にもならない。
そして自分にあった「くし」を置いておけば、それはそれは、手際よく身だしなみを整えられる、というわけ。
効率重視すれば、自ずと駐輪場のフェンスに「くし」が置かれることになる。

唯一の欠点と言えば、
外にあるから周囲のほこりとかそういうものまでお出かけ先に持っていくことになることか。

3.告白説

「明日の朝、●●駅に来て。そこに私の気持ちがある。
けど、みんなにはわからない様にしてあるから」
「どういうこと?」
「そこに、私が持ってるものを置いておく。そしてそこで、今から渡す紙を見て」

翌朝、9月も半ばを過ぎたのに太陽はじりじりと肌を焦がす。
流れ出る汗を拭きながら、僕は駐輪場に自転車を停めた。
「来てみたけど……。そこにあるのは、くし?」
目に入ったのは一本のくしだった。確かにこれは、彼女が普段使っているくしに見える。
僕は、その場で彼女からもらった手紙を広げた

12345 ⇒ 3215 
くし ⇒ ??

書かれていたのは、これだけだった。
「どういうことだろう。くし、から数字を連想してみても9と4。掛けても割っても、何してもこの数字にはならない」

そして、しばらく考えた後に、ある一つのことに気付いた。

「そうか、くしを5つで表せばいいんだ!つまり、『K U S H I 』だ。
そして、そのローマ字に番号を振って、並び替えると……」

SUKI

急いで顔を上げる。周囲を見ると、駅のホームに彼女が立っていた。
涙ぐむ彼女は、僕の顔を見て優しく微笑むと、改札の中へと消えていった。

~END~

こんな感じ。
(書いてる途中でちょっと恥ずかしくなった……)

この二人には、今まで何があったのか気になってきた。
どんな経験をしたら、告白の暗号に「くし」を使うのだろう。

もしこれまでの生活の中で、そのくしを使って髪をとかしてあげるようなことがあったなら、
もう付き合っとけよ!って突っ込んでると思う。読者として。
・・・告白したくてもできない、そんなラブコメみたいな事態が二人には起きていたのだろうか!?


妄想は駐輪場に置いてきて、
今日は終わりたいと思います。

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