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治療方法は誰が選択するか?答え合わせ②

 前回、よくありそうな心筋梗塞のシチュエーションの状況2つと、その時の対応を提示してみました。
 ②は”高齢者等の慢性型(呼吸不全等)”の状況です。
 ちなみに、②はこんな感じでした。
 「高齢でほぼベット上生活。脳梗塞で複雑な話は理解できない状態で、この様な人が心筋梗塞を発症した」です。
 では、どんな対応が正解なのでしょうか?

 こんな時、治療方針を決める時の考え方は、とてもざっくり言ってしまうと「どこまで頑張りますか?」ということになります。

 どういうことか?

 最初にちょっと書いたのですが、医療行為は、効果があるけど、必ずその裏には、望まない効果(いわゆる副作用・合併症)が起きる危険性が伴います。
 そして、治療の効果が大きいほど、治療に伴う痛さ・辛さ、起きた時の合併症も大きくなりやすくなります。
 ただ、治療で改善するのは、目的としている病気だけで、元々の状態が良くなるわけではありません。
 今回の例だと、心筋梗塞は良くなるけど、元々の動作機能、意識状態は良くなら無い。むしろ、病気の発症、入院なんかにより、元々より若干悪くなります。
 と、すると、
 全身状態がそんな感じの時に、心筋梗塞の治療で、どこまでの危険を冒すのか?
 それは、誰が決断するのか?
 どうしましょう?

 この時に出てくる言葉が、インフォームドコンセント。最近では共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)ということになります。

 次から、説明します。

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