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【新聞連載第1回】まちづくりと教育が仕事の25歳

●連載タイトル 『三河はでっかいキャンパスだ!』
●プロフィール 1993年生まれ愛知県出身。特定非営利活動法人コラボキャンパス三河ディレクター。アメリカ留学、ベトナムで働いた後岡崎市へ。行政•企業•学校と連携し て、小学生から大学生までの学び場をつくる仕事をしています。

特定非営利活動法人(以下、NPO法人とする)とは、1998年に施行された法 に基づき、「特定の公益的・非営利活動を行うこと」を目的とする法人です。

日本には約五万ほど数があり、私はその中の一つである愛知県三河地方で教育 目的の事業を運営しているNPO法人コラボキャンパス三河で働いています。

岡崎市は康生通南に事務所を構え、専従職員は代表と私しかいない小さな団体で す。しかし、毎年約三千人の小学生・中学生・高校生・大学生が私たちの事業に参加します。

その中でも今回は、私たちが九年前から行っている『マーブルタウン』について紹介させていただきます。この事業は、小学生が仮想の町に 入国し、ハローワークで仕事を見つけ、銀行でお給料をもらい納税をし、国王 選挙で国王を選び、役場で出店料を払うと起業もできるという子どものため の、子どもだけの数日間限定の町です。町の中では日本円ではなく、擬似通貨 マーブルを使います。


マーブルとは日本語で大理石を意味しており、多種多様 でユニークな子どもたちが集い、自発性と主体性を持って町をつくっていく光景を美しい大理石と例えています。この町には大人は立ち入ることができず、 各職業で仕事を教えるのは高校生・大学生のボランティアスタッフです。将来教師や保育士を志す学生など、これまで二千人を超えるボランティアが参加をしました。

特に主体性のある大学生が手を挙げ、自らマーブルタウンを主催してみたいと大学内でのサークル立ち上げを行うケースも出てきました。
私たちとの協働プロジェクトとして、岐阜大学・愛知淑徳大学・愛知学泉大学・愛知 学院大学内でも開催経験があります。

このような活動を通して、私たちは町の中に子どもたちのためのキャンパス (学び場)をつくっていくことを使命としています。そのキャンパスには、誰もが持っている知的好奇心を楽しく行動に移すことのできる活動の場と、若者 にとって『あんな存在になりたい』と思えるような人生の先輩という存在を必ず用意しています。

教育のために学校があるのだから、なぜそのようなことをNPOがやるの?と思う方もいるかもしれません。もちろん、言わずと知れた日本国民の三大義務として教育、勤労、納税があります。

その三つの中でも、まずは全国民が教育を受けるという義務を果たすため、学校で義務教育を受けます。しかし現代の多くの学校では、国が戦後復興していくための労働者としての国民教育という思想が根本にあり、偏差値やテストの点数での人材価値測定 や、能力を画一化するための授業を受けることが殆どです。

そこには、現代のグローバル化や今後の経済社会で活躍する国民教育に足りない要素があると考えています

そのような考えを持つ背景に、私自身が中学二年生の頃に登校拒否となり四年間、誰とも話さず引きこもり生活をしていたという原経験があります

かくかくしかじかの四年間を経て、私のことを誰も知らない世界で人生をやり直したいと考えたことがきっかけで、アメリカで学ぶ機会を得ます

そこでは多種多様な人種が、これまで出会ったことのないような好奇心を満たすために必死で学びに励んでいました。日本と比べるとまだまだ歴史の浅いこの国が、世界一の経済大国になった所以を目の当たりにしたような感覚がありました。

そんな自分の経験から、これからの少子高齢化やグローバル化という社会で生きていく子どもたちのために、この日本でも新しい学びの仕組みが必要だと考えています。しかし、私たちだけでは考えを形にすることができません。行政、学校、会社、そして一人一人の町の皆さんの協力があってできることです。

これらが少しずつ形になっていくと、これから人生の先輩となっていく私たちもより豊かな生活をしていくことができると思うのです。そんな志を抱きながら生きていたら、岡崎という街にたどり着き、今では私の自慢の故郷となりました。

三河はでっかいキャンパスだ!という夢を掲げ、日々活動をしています。
今月から連載を始めますので、温かく見守っていただけたら幸いです。
(2018年5月東海愛知新聞掲載)

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