ドラフト2022を振り返る~Bクラス編~

予想しただけで振り返りをしない人間ではありません。始動が遅れただけの話です。できれば10月中に、全球団のプレイバック。11月初旬にはドラフト俯瞰をしたいと思っています。それでは本論!

🐻北海道日本ハムファイターズ

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
リリーフ
捕手
外野手

◆実際◆
本指名の6人中、高校生は1人だけと、即戦力寄りなドラフトとなりました。ポジションを見ますと、投手3・二遊間2・外野1という割り振り。捕手の指名は育成含めてもありませんでしたが、7人もいるので特に必要はなかったというところでしょうか(松尾汐恩は狙っていたようですが)。投手は、金村尚真が先発なのかリリーフなのか分かりませんが、仮に彼が先発で使えるなら、既存の先発で、リリーフに向いている投手を配置転換すればよいだけです。

二遊間はドラフト直前に渡邊諒をトレードで出しましたし、アルカンタラに二塁を守らせ続けるよりは、ここを加藤豪将に置き換えるというのは理解できます。ただ、昨年、2人も二遊間の大社選手を指名した球団が、今年も2人、大学生以上の世代の二遊間を指名するとは思ってなかったです。

育成でも2人の外野手も指名し、矢澤宏太や、江越大賀と合わせると外野手が4人も加入。近藤健介がFA移籍とも言われていますし、かなり顔ぶれは変わってくるのかもしれません。

【まとめ】
主にセンターラインを大卒以上の世代で固めてくる、意図を感じる指名だったと思います。加藤豪将の指名は驚きですが、並べてみると、彼が指名された理由も非常に良く分かります。投手も、大社投手2枚に加え、巨体剛腕サイドの安西叶翔を指名したのはハムっぽいなと思わされます。二遊間・外野手・投手とも、育成を含めればそれぞれ2人以上指名し、競争関係を作っているというのもハムっぽいですね。各選手とも、天井の高さはそこまで高くないかもしれませんが、うまく既存選手を煽り、あわよくば彼らを追い抜いていけたらと思います。

🐉中日ドラゴンズ

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
大社先発
即戦力内野手

◆実際◆
入札は意外にも大学生右腕の仲地礼亜。人選は驚きでしたが、大学生先発を確保できたのは良かったと思います。もう1人欲しい気もしますが、根尾昂が先発定着できるなら、その課題は払拭できそう。リリーフは育成で指名した松山晋也がハマってくれば頼もしいですね。

打てる大社内野手を指名しそうだなと思っていましたが、村松開人と福永裕基の両名を指名。阿部寿樹が今季33歳と、二塁を守り通すには少し厳しい年齢になってきたこともあり、二塁で競争関係を作れそうな指名をしてきたなという印象です。田中幹也は京田陽太とポジションとプレースタイルが重なりそうなので、どう運用していくのか見てみたいです。

外野手は昨年は右打者を固め打ちしたこともあり、今年は左打者の濱将之介を指名。若い高卒左腕たちが結果を出してきた故か、森山暁生の上位指名は少し意外でしたが、天井の高そうな選手ですし、大きく育ってほしいものです。4巡の捕手・山浅龍之介は、昨年も同順位で、同じく高校生の味谷大誠を指名しているだけに、指名意図を考えるとすれば味谷へのプレッシャーなのかなと思います。

【まとめ】
仲地・村松・山浅・田中幹也と、支配下指名のうち4名が身長180㎝未満という、これまでの中日から考えればかなり予測しづらいドラフトになりましたが、立浪監督も身長173㎝ですし、身長に拘りすぎないドラフトになったのはそういう理由かなと思います。3巡目で大社先発をもう1人狙いに行ってもよかったのではとか、捕手指名しなければいけなかったのかとか、少し疑問に思うポイントはありますが、必要なポイントをスルーすることはなかったですし、そのうえで、天井の高そうな選手を確保することは必要だと思います。来年が楽しみになる指名でした。

🐤千葉ロッテマリーンズ

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
・(大社)遊撃手
先発投手
・両翼

◆実際◆
競合覚悟で荘司康誠に入札するも外し、それでも先発投手の菊地吏玖を指名。さらには2巡目で大学生遊撃手の友杉篤輝を指名と、1・2巡で補強ポイントを早くも確保。投打ともにポテンシャルの高い田中晴也、手薄なリリーフ左腕を補強したいとの理由からか高野脩汰、さらには高校生ショートの金田優太という支配下指名。金田は恐らく、三遊間の選手として期待されていると思います。

両翼の指名はありませんでしたが、外国人でも埋めやすいポジションなので、そちらで考えているのかもしれません。育成でも2人の高校生内野手を指名しており、当たった時の天井は高そうな選手たちを揃えてきたなという印象です。ただ、打力に疑問符の付きそうな野手の指名が多いようにも思えるのが不安です。果たして彼らをうまく導いていけるでしょうか。

【まとめ】
内野手(全員が二遊間という話も)を4人も指名するという濃い指名でした。反面、両翼の選手に不足を感じますし、何人かの既存内野手を外野手にコンバートするのかもしれません。友杉篤輝は打撃で食いついていければ、いきなりショートのスタメン奪取という可能性もあると思います。先発には若いプロスペクトたちも多いので、1人は大卒投手を指名したとして、もう1人が高校生となれば、先輩投手たちに危機感を与えていく役割も兼ねているのでしょう。飛び抜けた選手がいないのは今年の市場のせいでもありますが、その中でもうまく選手を集めてきたなと思わされています。数年後を見越した指名。その頃に再び強くなっていれるかどうかで評価されるドラフトだと思います。

🐟広島東洋カープ

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
・大社リリーフ
三塁手
外野手(CFが望ましい)
捕手

◆実際◆
入札は公表通り、高校生右腕の斉藤優汰。カープが高校生右腕に入札するのは2009年の今村猛以来、13年ぶりです。もしかしたら、3年前に佐々木朗希に入札しようとしたけれど出来なかった、その思いが今回、滲み出たのかもしれません。2巡目は一塁手の内田湘大という少し意外な人選でしたが、指名後の談話を見る限り、三塁手にコンバート予定とのこと。カープは三塁手へのコンバートに謎の自信を持っている感が正直ありますから、そこも加味すれば、内藤鵬ではなく内田湘大という予想は出来たかもしれません。

3巡目では恐らく予定外にスリップしてきたであろう益田武尚を確保。1巡目クラスの選手ですし、カープが最近、熱を入れているイケメン選手の指名となりました。捕手は4巡目で高校生の清水叶人、5巡目はここまでスリップしてきた河野佳、外野手(CF)は久保修を7巡目で指名し、6巡目は左のリリーバーの長谷部銀次と、予想していた指名ポイントは全て支配下で指名したことになりました。

ただ、育成でも外野手を2人指名していますが、中堅手をどうしていくのか問題は正直感じます。今年、めぼしいCFがいなかったのも確かですが、来年も一軍のCFは流動的になりそう。外国人に頼りづらいポジションのひとつですし。

【まとめ】
予想していた指名ポイントを全て指名したという意味では納得。どの球団もそうですが、今年は明確なコア選手候補が少なく、今年の指名者に来年以降、誰を競争相手としてブチ当てていくのか?というのが大切になってくると思います。指名された選手は来年から存在感を示していかないと、数年で支配下契約切りという展開もあり得ますから、頑張ってほしいものです。

🐦東北楽天ゴールデンイーグルス

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
・大社先発
三塁手

◆実際◆
入札は公表通り、荘司康誠。ロッテが競合してきましたが交渉権を獲得。2巡目は小孫竜二、3巡目は渡辺翔太、さらには4巡目も大学生サイドスロー右腕の伊藤茉央と、2年前のドラフトを思わせるような大社投手の固め打ちでした。楽天は高身長右腕の指名に拘っている面がありますが、この4人は全員が身長180㎝以上なので、ある意味、「らしい」指名。サイドスローの伊藤茉央の指名は楽天としては意外でしたが、ハマれば今後はサイドスローの指名も増えてくるかもしれません。

支配下の中で唯一の野手は二塁手(元一塁手)の平良竜哉。黒川史陽の競争相手としてかもしれませんし、三塁手に挑戦させるのかもしれませんが、身長170㎝前後の野手の指名にも臆さないというのを再確認した次第。ただ、あまり、サードの強打者指名に関してはそこまで拘りがないのかもというのは思わされました。

【まとめ】
見立て通りではありますが、おそらく打線の火力不足に関しては外国人を何とか働いてもらおうという計画で、ローテ投手の高齢化への手立てを打ってきたのかなという指名でした。楽天は野手の上位指名には積極的である反面、ローテ候補の上位指名に関してはそこまで積極的ではなかったので、何年かに一度はこういうドラフトをして、ローテ投手が年齢に勝てなくなってもなんとかしていこうとしている、というのは強く感じました。既存野手に関しては、今年は少し猶予を貰えたというのを身に染みて、来年奮起しないと、次は自分の居場所が奪われていくかもしれませんから、来年が勝負だと思います。

🐇読売ジャイアンツ

★ドラフト前の時点での補強ポイント予想★
先発投手
リリーフ
中堅手

◆実際◆
入札は公表通り浅野翔吾。競合になりましたが見事、交渉権獲得。2巡目も外野手(こちらは大学生)の萩尾匡也。どちらも、CFとしては少し怪しい面もありますが、強打の外野手を2人、上位で指名したことは評価したいです。3巡目の田中千晴、5巡目の船迫大雅はリリーフ候補と思います(田中は先発の可能性がありそうなので)が、こちらも見立て通り。浅野と萩尾を指名したことで、大社先発の確保がしきれなかったようにも思いますが、ここは今年結果を出した若手に期待するであるとか、あるいは、FAや外国人で埋めてくるのかなと予想しています。

少し意外だったのは、育成含め、ショートを3人も指名したこと。中山礼都が今年はよく出ていましたが、ポスト坂本勇人をどう考えていくかという段階へ、本格的に入ったのかなと思わされます。攻守ともにレジェンドクラスのショートの後継者ですから、打てるけど守れない・守れるけど打てないというショートでは心許ないでしょうし、攻守どちらも兼ね備えたショートの指名が今後は続くのかもしれません

【まとめ】
不足気味だった右の外野手(CF)も、リリーフも、育成も含めますがポスト坂本勇人も、すべて複数名、支配下で指名してくるという、本気度を感じる指名。田中千晴がどこまで稼働できるか分かりませんが、彼がハマってくるなら、かなり楽しみな支配下指名の面々ではないかと思います。Bクラスに終わった反省を踏まえ、しかし、安直にリリーフ指名で固めたりしなかったことも考えると、かなり評価できる指名と思います。

●おつかれさまでした!

今回は足早に、Bクラスの球団の指名を振り返ってみました。今回はどの球団とも、いわゆる編成の空白を満たしたような指名が多い印象。際立つ候補が少ない中、飛び抜けた選手をとりあえず確保というより、編成を健全にするという方針を選んだ球団が多かったのかなと思います。

次回はAクラス球団のドラフトを振り返ります。できれば10月中、もしくはシリーズが終わったころに完成させたいです。それではまた次回のnoteでお会いいたしましょう。バイバイ!

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