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「間」は「呼吸」

今年初開催された日本最大級の園芸フェス「横浜フラワー&ガーデンフェスティバル」で、司会をしながら感じた学びについてです。
イベントの詳細は、こちらからご覧ください。

今回、トークショー・デモンストレーション、表彰式、枠付けという司会の役割を担当しましたが「枠付け」というのは、基本的にステージの前後でステージプログラムを紹介するものです。
なので、トークショーなどに比べると、司会の役割としては少なくなりますが、ゲストの方々のお話にたくさんの気づきをいただきます。

三上さんのステージの紹介

そのお一人が、NHK Eテレ「趣味の園芸」の司会を10年間務め、現在は講師兼ナビゲーターとして出演されている三上真史さんです。

三上さんがステージに立たれると、ステージ上がパッと明るくなります。軽妙な語り口でありながら、植物への情熱が溢れているので、お客様は三上さんの話に惹きつけられます。
私も枠付を終えたあとは三上さんのステージを拝見するのですが、内容がわかりやすく、テンポはあるけれど早口ではなくて聞きやすすく、巧みな間の取り方でお客様とのコミュニケーションを深めていらして、至る所に話し手として学ぶべきことがたくさんあります。

特に間の取り方は、絶妙だな〜と感じています。
「間」は話す上でとても大切だけれど難しいものです。「間」は「呼吸」と言われます。話し手と聞き手の呼吸が合っていると、とても聞きやすいのですが、ずれていると聞き手にとっては違和感を感じます。
例えば、普段のコミュニケーションで私もよくあることですが、誰かと会話をしている時に、「この人とはなぜか合わないな〜」と感じることがありませんか?相手の話し出すタイミングがわからなかったり、自分もどこで話せば良いかわからなくなったり。他にも、すごく緊張している人が話している姿を見ていると、聞いている方も気づくと呼吸を止めて聞いていたり、皆さんも経験があると思います。
特に1対1の時は、合わせよう合わせようとすればするほど、会話の「間」が息苦しくなるというか、何を話したら良いかわからなくなるというか・・・そんな経験を私も幾度となくしています。
相手に合わせようとしすぎたり、何を話そうかと考えすぎたり、何を質問しようと迷いすぎたりすると、「間」が不自然になるんですよね。自分自身が自然にいられる、それは自然にリラックした呼吸ができていることに繋がっていると感じています。

イベントステージや講演会などであれば、聞き手は大勢のお客様になります。その時に、話し手の呼吸が自然であれば、聞き手も自然に聞けることになります。話し手の楽しさも聞き手に伝わりますし、情熱や想いも伝わって盛り上がるんだということを、三上さんのステージを拝見しながら改めて感じました。

三上さんと上田さんのご紹介

今回、三上さんはご自身お一人のステージの他に、サプライズゲストとして、サキュレントマスターの上田泰さんのステージにもご出演なさいました。

上田さんは、日本を代表する多肉植物の生産者です。固まる土「ネルソル」の開発者でもあり、多肉植物の寄せ植えを、より身近な楽しみ方として広めた現在の多肉ブームの火付け役として知られています。上田さんもとても明るい方で、イベントや講演会を精力的に行っていらっしゃるのでお話上手。
しかも、三上さんと上田さんのお二人がステージに並んだ瞬間、息のぴったり合ったトークが展開されました。これまた「間」が良いお二人、呼吸の合ったお二人です。
三上さんも上田さんも、お一人でお話になっても楽しいステージですが、お二人になると、また違った魅力が満載でした。

ステージ後お二人と写真・ステージで完成した多肉植物の寄せ植えと共に

ここだけの話ですが枠付けの時の司会。
トークショーなどに比べて、実は私は結構緊張というか焦っています。

枠付けは、プログラム紹介とゲスト紹介などのコメントを読むのですが、その度に心の中で「お客様は、私が今話していることよりも早くゲストに会いたいよね〜、ゲストの話を聞きたいよね〜。早くゲストを登場させなきゃ!」と思っているのです。なので、気持ちだけが焦ってしまって時々言葉に詰まることがあります。
焦っても焦らなくても紹介するコメントは同じなので、落ち着いて枠付けをするように心がけてはいますが、焦っている時は、私の呼吸はお客様と合っていない、気持ち良い「間」が取れていないだろうなと反省します。
でもやっぱり、1秒でも早くゲストの方に登場いただいて、お客様が楽しめる時間が1秒でも長くなると良いなと思っているので、お客様のワクワクしている気持ちの呼吸に合わせて、テンポよく、楽しく枠付けしていきます。
もちろん、そのイベントの内容のテンポに合わせてですけどね。


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