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《ジェネレーション・アイロニー》変わらない自分でいたいと思っている旧弊なコミュニティに属しているであろう人々への嫉妬、その表象を論じてみる


《自己受容困難世代の怨念と、その情緒体が生み出す今日》


 ”私たち”は、世界と社会が変わっていく中で、変わらない自分でいたいと思っている人々が属するコミュニティに対して強烈な嫉妬をしているのかもしれない。


…死ぬまで手放さない世代は、寿命が長い…

 世代・年齢にもよるが、能力というより運が良かっただけで、事実上崩壊しているコミュニティの中で、椅子取りゲーム、もしくは双六のようなギリギリ勝ち抜けできそうなポジションに座しながら、知の集合体をトラディショナルな価値として保存継承する覚悟や自己犠牲もなく現状に安住している旧弊な人々を脱落させたい、という思いは、心底に嫉妬としてある気がする。

…現代社会の縮図…


 アフターコロナへの転換期では顕著だ。

 次世代を生きていく人たちは、御老人が生きてきた指標から構築されてきた既得権といったものへの失望感から、新たなプラットフォーム構築に期待しつつ現状を生きている。

 そこには世界変容のための動き、例えば、オールドコミュニティに属さない選択、具体的には、旧弊中央集権システムからの離脱、ライフとビジネスの土俵を移行する動きであるweb3.0・DAOやメタバース化といった部分がそれらの現れである。

 言い換えるならば、それは新たな革命を志向する動きである。大航海時代から連綿と続く資本や蓄積された既得資産と遺物をデジタル資本に変換させないことでデフォルト化し切り捨てる、また旧来から継続してきた権威を無効化することで、固定化されたブルジョアジー(中産階級も含む)の弱体化と解体を志向する動きとも捉えられる。

 ワールドワイドで加速的に展開されるプラットフォーム革命は、明治維新・戦後復興の規模ではない。価値観の迎合などではとても追いつかない。通貨や国境、身体性から精神性といった部分まで、今まで通りの生き方では追いつかないほどの速度で変化している。

 AIを始めとしたインテリジェンステクノロジーを用いることができれば、中央集権でなければ不可能であった大規模な動員などの人海戦術は必要ない。

 魅力的なアイデアと、高度なテクノロジーを活用することが可能であることを理解する能力があれば、同じ志向を持つ極少数のスペシャリストによって、マーケットを掌握することができる。

 彼らは人間社会をMETA的に理解することができれば、感覚的に活用できるプラットフォームを構築し規模を拡大することによって、国家のような抑圧的な指示命令に基づいた上意下達ではなく、人々の欲望に訴えかけることで生まれる自発的な行動をデータ化しオンライン共有することで、その行動は神経回路構築のように他者同士を複合的に結び付ける。

 その現象を生む土壌を構築する。それが加速的に社会構造が変わる最適解であることを知っているからだ。

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