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withコロナ・afterコロナ ビジネスはこれから変わるか?

緊急事態宣言自体は解除されましたが、世界中のワークスタイルやライフスタイルが変化しようとしているwithコロナやafterコロナにおいて、抑えておくべき必要情報を「これからどうなるか?」という観点で未来予測レポート著者の田中栄氏にお話を伺いました。

【スピーカー】
株式会社アクアビット
 代表取締役 チーフ・プロデューサー 田中栄氏
【ファシリテーター】
株式会社マクアケ
 取締役 木内文昭

「過去の延長線上に未来はない」

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田中氏 withコロナ、afterコロナ。ビジネスがこれから”どう変わるか”。第四次産業革命『クラウドロニクス』が前倒しで強制的に来た。というのが私の実感です。そして強く申し上げたいのは「過去の延長線上に未来はない」ということです。

今回のコロナ禍の環境で、今 Web やzoomを使ってwebinarをやってること自体そうですし、ライフスタイルが思いっきり変わったと思います。私自身も「何があるか本当にわからないな」と常々実感しています。改めて「今までと違う世界が始まっているな」と感じてらっしゃるんじゃないでしょうか。今起こってることは江戸時代から明治時代に匹敵する時代の転換が起こっていて、私達もその真ん中にいることを共有したいと思います。

団塊の世代が中心になっていた「真面目」「しっかり」のピラミッド構造の”ものづくり”という世界から、webやzoomでのオンラインが当たり前になり、今までの”昭和”から平成を飛び超えて”令和”に。新しいデジタルな時代が始まりました。

デジタル化というのはITと呼ばれた時代からありました。今はそこにネットワーク、さらに人工知能です。デジタルにネットワーク人工知能がくっついた事が、今起こっている革命の正体だと思います。新型コロナは「黒船」で、いやでもデジタルの世界に向かわざるをえなくなった。新型コロナはまさにその時代の転換期を象徴するような存在になると私は思ってます。

私たちは実は何気なくスーパーコンピューターを使っている

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『クラウドロニクス』これは Windows や Macintosh を超えるコンピューティングの革命です。私は元々マイクロソフトにいて、windows3.1からコンピューターの世界を見ていますが、今起こっている事っていうのはこれを超える革命です。大袈裟ではありません。一昔前はIT=パソコンでした。ワープロや表計算、ワードやエクセルに代表されるような、まずワープロ=パソコン=事務機器でした。そして今は ICT。 C はいまやコミュニケーションです。

今はもうネットワークが繋がらないコンピューターは使い物にならない。もう IT と C はセットです。ですから「元々ネットワークを使うスマートフォンを使いましょう」ということで、スマートフォンはコンピューターみたいになりました。それから最近起っている IoT 。今テレビや電話、車や家電、スピーカーとかいろんなモノがネットワークに繋がるようになりました。

この変化で起きた事は、最近パソコンを定期的に買い替え無くなったと思います。それはハードじゃなくてソフト(機能)が新しくなっているから。スマートフォンはネットワークの向こう側に技術や処理能力が出ています。しかもこのデータセンターは構造的にはスーパーコンピューターなので、私たちが何気なくスマートフォン使っている行為は、実はスーパーコンピューターを使っているということです。これによって大きく変わったのがインターフェースです。WindowsやMacintoshのようなグラフィカルユーザーインターフェースでも、クラウドによって音声や映像が本格的に使えるようになりました。

みなさんに実感いただく為、にちょっと実演したいと思います。みなさん文章を書くときにキーボード使われている方、多いですよね? 私、今回の未来予測レポートのほとんどを音声入力で書きました。ちょっとお見せしましょう。「簡単です」

ーーー 田中氏、自らのPCで音声での文章入力を実演する。発言していく文章がほぼタイムロスなくPC画面にタイピングされていく。

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こんな事をできるようなったのは空の上にスーパーコンピューター(データセンター)があるからです。


世界の形が変わる。「第四次産業革命 クラウドロニクス」

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”クラウドロニクス”は IT、 ICT とは次元が違います。コンピューティングというと人工知能やロボット、 IoT など、いろんなことがバラバラに語られてますけど、実際は違います。これは全て一体です。なぜかと言うと人工知能は”頭”だからです。ロボットというのは物理的な動きができる”手足”。 IoT は例えれば”神経や感覚器官”です。人工知能だけでは万能じゃないです。あくまでデジタル。できることは限られてます。

人口知能にメカニクスがついたのがロボットです。つまり人工知能はこれから物理的な動きが使える。これからのコンピューターは神経を持ちます。目はセンサー(CMOS)、 口はスピーカー、耳はマイク(集音機能)。ですから、コンピューターが”喋ったり・聞いたり”ができるようになります。後はディープランニングやブロックチェーン、いろんなビックデータ解析とか、これが一体になったものが総称して”クラウドロニクス”です。 一体のものです。

”クラウドロニクス”によって何が起こるかというと、まず世界の形が変わります、社会のインフラ、ビジネスのルールや前提が変わります。今、注目されているライフルスタイルや働き方も変わります。当然経営戦略も変わります。上から下までが変わることは世の中では「革命」っていますよね。一気に変わっている。今起っているのは間違いなく革命です。

今起こっている第4次産業革命というのはこれまでの産業革命と次元が違います。なぜかというと省力化、人間の疑似的な体を作ることになるので、人間の代替ができるようになります。ブルーカラーもホワイトカラーも”人間の働き方を変えることを強いる”ということです。これから人工知能が当たり前に使える時代になってきます。家庭でもオフィスでも自動車でも屋外でも、どこにいても人工知能があることが前提になります。こういう世界を皆さんに感じていただくために、一つ見ていただきたいと思います。人工知能を持ち歩く時代。ちょっとやってみましょう。

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ーーー 田中氏、自らのスマートフォン(google pixel)に音声で質問をしていく。「吉永小百合の誕生日は?」「スティーブジョブスの亡くなった日はいつ?」「TENCENTの時価総額は?」「私は2週間前に上海から帰国しましたをフランス語で」と。田中氏が質問するやいなや、即座に回答を発言していくgoogleアシスタント(双方向の会話が可能なAIアシスタント)

なぜこんな事できるかと言うと空の上にデータセンターがあるからです。今はこれは電話ですけどもこれがスピーカーになればスマートスピーカーになります。これからは車でも職場でも屋外でも家庭でもどこでもアクセス出来るようになるわけです。そこで、今注目されてる事は5Gだと思います。5Gってブロードバンドがもっともっと早くなって、VRが使えるという話さをれる方多いですけど、実はそこじゃないんです。

5Gで線が面になる。商流、物流、金流、メディアが変わる。

今の4Gはブロードバンドと言いながらも、体験に制限があって自由には使えていないです。5Gでは屋内でも屋外でもどこでもブロードバンドが使える環境になります。これで何が起こるかと言うと、もう一つ革命と言われている”情報流通革命”が起こります。今までのネットワークは”線”でした。それがこれからは面になるんです。毛細血管のように。しかも地球規模の超高速のネットワークなので、例えばアフリカの末端、インドの末端まで使える。これが5Gのもたらす環境です。

単なるネットワークじゃなくてハイパー・メッシュ・ネットワーク。これはグーテンベルクの印刷どころじゃない”情報流通革命”です。活版印刷は知識を具現化しました。だけど活版印刷にできるのは文字や写真でした。デジタルでは映像や音声、VR なら体験までできる。しかもそれが世界のどこでも瞬時にできるんです。これが”クラウドロニクス”で起こる、もう一つの革命。これによって商流、物流、金流が思いっきり変わってくる。いつでも、どこでも、誰とでもという働き方ができる。

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人間に求められる事は、人間しかできない”アナログ”

良いか悪いかは別として、コンピューティングで今起っている革命によって、あらゆるデジタルな事はコンピューターに代替されるでしょう。かかるのは電気代だけなので。単なる情報、単なる計算結果、単なる知識、スピードや正確さはどうやったって人間が敵わないんです。しかも作業を含めて疲れません。コンピューターが進化したことによって、人間に求める事が変わった。では何が人間に求められるのかというと”アナログ”になったんです。人間がやるべき事は人間しかできない事、その象徴が”アナログ”です。アナログが人間に求められることによって働き方が変わり、求められる人材も変わります。

信じていただけるかわからないですけども、これから多分、リアルとサイバーが逆転します。今までリアルがあって「IT・エレも大事だよね」って話でした。これからサイバーの方が拡大されます。リアルは縮小される。ビジネス空間ではリアルより、サイバーの方が圧倒的に有利だからです。例えば広告宣伝を考えてみてください。新聞、テレビ、何千万、何億円を出していろんなアナログ的メディアを使わなくても、Youtubeは無料じゃないですか。そしてAI翻訳では言葉の壁がなくなる。これから画面を通じて翻訳が出るのが当たり前になりますし、デジタルの声になる事が当たり前になってくる。”クラウドロニクス”すごい世界です。

ビジネスのそのもののやり方がデジタルに。オンラインとオフラインの比重が変わる。

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木内 ”クラウドロニクス”非常に面白い、興味深いお話ですね。このコロナ環境下において、我々の置かれている環境がもう”変わらなきゃいけない”ではなくて、”もう変わらざるをえない”っていうことがあり、それがbeforeコロナには戻らないんだろうということは、皆さんは感じてらっしゃる事だと思います。革命とは非連続だから”革命”という話だと思うんですが、今まではどちらかというと『オフからオンに接続する』、リアル空間が主でオンラインには接続するみたいな事が、これからはオンラインが常態化する、当たり前になっていく。ということかと思います。そこで人間に求められるのはアナログで、人間にしかできないことっていうのが非常に求められていくかなと思うんですけれども、どんなことを意識したりとか、注力したりとかしていくことが「人間の必要な活動として変わらない」というような事を田中さんの視点でお伺いできますでしょうか。

田中氏 認識として、今回はビフォーコロナ、アフターコロナというテーマでやってますけども、もう戻らない。コロナが収束したからといって、リアルの世界では「ミーティングを全てオフサイトやりましょう」とかには、もう戻らないっていうのは皆さん分かりますよね。オンサイトのミーテイングというのは普通にやるでしょうし、1日会社に来なくても、できるようになるというのは、当然の話だと思います。ビジネスのやり方そのものが、どんどんデジタルになってくるというのはもう必然ですよね。皆さん実感しているところだと思いますが、ここは共通認識として是非持っていただくのがいいかなと思っています。しかもデータじゃなくてデジタルサービス。これは嫌でも「なんとか変えないで頑張ろう」みたいな人たちは変えざるをえない。

木内 それでは、ここ数年で起っている”クラウドロニクス”の影響も含め、どういう風にビジネスが変わっていってるか、変わろうとするのか、についてお話を聞かせてください。

田中氏 まず革命であると。産業の枠組みが変わります。というお話をしましたが具体的にはこう変わります。

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いろんな産業があります。例えば自動車とか電力とかエネルギーとか医療とか。これは20世紀が作ったものです。これからは”クラウドロニクス”が中心になりメッシュネットワーク・人工知能が真ん中にあっていろんな産業の枠組みが変わります。

ビジネスの価値は「欲しい」を作る事。お金を出しても欲しいもの作る。それがクラウドロニクスによって全てはデジタルサービスになっていきます。一つの巨大な産業に。境目のわからないサービスに変わっていきます。強調したいのは今までの常識が変わる。括りが変わるんだっていう事です。


大企業の概念(強み)が変わる。エンゲージメントが企業価値

これから大企業という概念が変わってくと思います。今までなぜ大企業は”強かった”のか”偉かった”のかといったら金がある。巨大な土地設備が作れる。人がいっぱい集まる=スケールメリットが効く。ベースが”ものづくり”だったからですね。

私は今、企業を評価することも多いのですが、かつての液晶だとか半導体とか兆の桁で設備投資をするなんて、今では驚異(リスク)になっている。あれだけ投資しても、それに見合うだけの長期にわたって安定的に収益を出せるようなものは無くなっています。あと「言われたことしかできないオペレーター」を抱えている事は経営者としては恐怖でしかなくなっています。でも大企業がなくなる訳ではないです。大企業の概念が変わります。強い企業、キャッシュフロー作れる会社っていうのが変わります。今までのような土地設備じゃなく、『情報』と『エンゲージメント』お客様やパートナーといかに戦略を共有し、そして信頼関係によって結びつくがエンジンエンゲージメントです。これがもう企業価値になっています。

今はもうグローバルで顧客と繋がれる。しかも物理的に10億人以上とネットワークを通じてつながれる。そういう時代です。すでに色んな業種・業態のパートナーと戦略を共有しがコラボレーションが当たり前になってきます。今 Google や Facebook 、Appleが「何故強いか」っていうと、突き詰めていけば、『たくさんの顧客とエンゲージしている』『沢山のパートナーとエンゲージしている』からになります。しかも情報・データを顧客やパートナーから集められる。

これからのビジネスというのは「ものづくり」が無くなる訳ではなく、「ものづくり」にデジタルサービスがくっつく『もの+デジタル』です。ただし目的は”モノ”じゃなくて、価値をつくること。価値というのは、”お金を出してでも欲しいもの作る”こと。そのための材料は「何をお客さんは欲しがっているのか?」「どんなものができるのか?」っていう膨大な情報とデータです。これを集められる会社が強い。これからの「強み」はより多くのデータ・情報を持っていてエンゲージメントしている。大企業の概念が変わるっていうのはそういう話です。


ワークスタイルは上下から面へ。多様性に対応するクラウドがもたらすこと

ワークスタイルの話をすると、トップがいて役員と部長、課長、マネージャーがいてPDCAを回しましょう。目標・計画で上意下達みたいな進め方の会社は今でも多いと思います。 いかに「間違えずにスピーディーにやる事」を重視される。これは「ものづくり」がベースのワークスタイルです。だけど今、アフターコロナの世界を皆さんも体験されていると思います。変わりましたよね?課長さんは今見えないですから。今までの情報伝達のやり方や、今までのオフサイトの会議とかはやりたくてもできないし、やらなくてもできるっていうのが証明されてしまった。これからのワークスタイルは今までの上下の図では無くて横です。面です。

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象徴して言えるのは、一つ一つが自立する事。そして分散する事。クラウドは見えますから、いろんなものが嫌でも見える化する。価値を産むっていうのは均質では無く多様性です。そして外に出てコラボレーションするのが当たり前。このワークスタイルに一旦でも入ったらもう二度と戻らないです。皆さんはこういうことを前提にワークスタイル、意識そのものを変えていく事がキーワードになって、重要になるというふうに考えています。

情報の質と量を保有する企業に価値がつく時代

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エンゲージメントの価値で一番象徴的なのは、皆さんも知っているかと思うんですが、WhatsAppというアプリ。Facebookが2014年に買った会社です。まだ当時は設立5年で50人の会社でした。当時、Facebookが買った価格が2兆円です。わずか5年の50人の会社が2兆円。今でも20〜300人ぐらいしかいないそうです。なぜこんな価格がついたのか。バランスシートにも大した事は乗っかっていないです。特別に特許があった訳でもないです。WhatsAppには当時2億5000万人アクティブユーザーがいたんです。2019年現在では16億人。お客さん(アクティブユーザー)の価格です。日本だと中小企業に当たる従業員数50人の会社で、2兆円のキャッシュフローを持ってる会社ってありますか?50人とか100人、200人程度で10億人を超えるお客さんを扱える会社は今までなかった。でも今こういう事が現実的に起っている。

最後に強調したいのは、今日聞いてらっしゃる方って「今何とかしたい」「どうしよう」って思っている新しい技術を目指している方だと思います。クラウドって今と全く違うことですから確かに恐怖です。だけど一方ではこんなに短時間で時価総額数千億円の企業を作れる時代っていうのは今までなかったはずです。WhatsAppの話しかり、香港のAIの会社Sence Timeとか、今5000億円を越えてます。バイオ系の日本の会社のペプチドリームも、時価総額6000億円近くなっている会社です。今までのように土地設備がなくても、特別な資格がなくても、いま踏み出せばたった数年で数千億円の会社ができる。こんないい時代なんです。

今、私が気にいっているダーウィンの言葉があります。「最も強い者が生き残るんじゃなく、最も賢い者が生き残るでもない。唯一生き残る事ができるのは変化できる者である。」これを皆さんに共有して私からの話は終わりたいと思います。この未来予測レポートは2020年6月発刊です。楽しみしていてください。

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これからの時代で重要な『リアルタイム』『生きている』情報とは

木内 多岐にわたるテーマから、数年で数千億の企業価値が作れる時代ということで、そこにいる我々は”待ったなし”だと思います。私的な話かもしれませんが、Makuakeは2013年に創業いたしまして、昨年末に上場して、短期間で事業価値を作るということを我々も一生懸命やっておりますのでとてもリアルな話だと思って伺っておりました。

モノだけじゃなくて「モノ+サービス」で価値を進化させる必要がある。という話がありました。今までは、モノだけでも価値があって、それはこれからも変わらないと思いますけれど、そこにプラス サービスを付加することで、さらなる価値を作っていく。そこで情報やデータを起点にして顧客やパートナーと、どう新たな需要を作っていくか。どういう風な観点でデータを活かしていくのか?どういう風にすると「欲しい」を創出できるのか?などをお伺いしたいです。

田中氏 情報データって大事な事というのは皆さんよくわかると思うんですけど、どうやって使っていいか分からないっていうお話を本当によく聞きます。『リアルタイムである』『生きている』この2点がとても重要だと思います。

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「リアルタイム」が何故重要かっていうと、例えば街頭インタビューなどで統計をとって、3ヶ月後の集計で「3ヶ月前に20代の若者でiPadが欲しい人が何%いた。みたいな話は参考にしかならないですよね。例えば「Makuakeの木内さんが今 iPad 欲しがってる」という話は、もう直ぐに商売になるわけですよ。ネットに繋がってればキャンペーンやったりとかで。次に「生きた情報」というのは個人の固有名詞、個人の名称がついてる。当然これは取り扱いがナーバスです。当然のことながらお客さんもパートナーさんもこの情報は出そうとしません。だけどそれがエンゲージされて繋がることによって、信頼の証で共有してくれたりするとリアルな商売で繋がる。ただの情報じゃなくてリアルタイム生きた情報をどれだけ持ってるかいうことが肝だと思います 。

木内 リアルタイム生きた情報が大事というのは、Makuakeを7年やってる中で、非常に重要だと感じているところです。少し我々の実験的な取り組みをご紹介をさせていただきたいと思います 。

「リアルタイム」「生きた情報」を活かしていくということで、売り手と買い手の距離がどんどん近づいていくと思っています。特にモノとサービスで価値を見出す時に、市場の反応を起点としたトライ&エラーができる状態を作っていく事が大事だと思っています。

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新領域の商品や事業を作ろうという指示があって、ある程度ユニークな優位性のあるポイントを発見して、顧客体験価値をベネフィット軸で企画に昇華させ、前者の更新を鑑みて企画を事業として成立させるように考えています。そして市場に投入して、「買うかどうか」という点で顧客の反応を見て、そこがリアルなデータ情報だと思っているんですけど、購入者の反応を踏まえてユーザーの解像度を上げていく必要があると思ってまいす。これを我々としてはもっとインタラクティブに、スピーディーに実施できるんじゃないかって思っています。ユニークな起点を発見してアウトプットをどうやってやって行くかを設計し、ペルソナ仮説を立てて、インタビューをして仮説を構築していきます。この時に先行予約販売というMakuakeのプラットフォームをうまく使って市場との対話をスピーディーにできるのではと思っています。

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プロジェクトを実施し、成功するとその先に繋がっていきますが、このタイミングで当初立てたペルソナ像を検証できると思っています。、今年の1月にちょっと実験的なプロダクトをリリースしました。コミュニティラボ、略してコミラボと言います。これは実際に買ってくださったお客様とセミクローズドでインターネットを通じてやり取りができるプロダクトです。ユーザーと生きた情報をやりとりしながらエンゲージされて繋がっていく。そうすることで次のプロジェクトや事業拡張につなげていくことができると思っています 。

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今、実際に文房具のキングジムさんとトライアルをさせていただいているんですけども、セミクローズドの環境の中でMakuakeで買ってくださったお客様に、「こんな商品欲しいと思いませんか?」や「これについてご意見ください」とインタラクティブなやり取りをして、そこで企業側の案を進化させて世にアウトプットする。そのサイクルを早く回すことが、よりその生きた情報を作ることであり、お客様とエンゲージされて繋がることであり、それを加速させることで、より価値ある商品やサービスを生み出したい。と考えております。このような作り手と買い手の距離・関係性がもっともっと近くなっていくんじゃないかなと思ってます。田中さんはどう思われますでしょうか。

田中氏 これはソフトウェア開発で言ったらアジャイルですね。お客さんとドンドン作り込んでいく、これがもうトレンドになっていると思います。それも”クラウドロニクス”で単なる文字じゃなくて、普通にオンラインでいつでも繋がれるようになり、いつでも密なコミュニケーションできるようになったから生まれたモノですよね。コミュニケーションを活発化してて作りこんでいく。こういうことをいかに自分たちも出来るかということがキーになってくると思います。


失敗をせずに革命や変化を起こすことはできない。

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木内さんのお話でもあったように、何より大企業の方と話した時に『失敗したくないんだ』ということを仰っていました。『いろいろ設備投資もするから』と。気持ちわかるんですけど、新しい事業を作っていくという意味では、失敗というのはプロセスなので、1個で見たら失敗かもしれないんですけど、軌道修正していくのが当たり前で、はっきり言えば一々ペーパーにおこして、「これでやります」という事自体がナンセンスだと思います。「それって時代遅れですよね。」と皆さん普通に言っていただける新しい環境になればいいなと思っています。

木内 この大きな変化の真っ只中にいる我々が傍観者ではなくて主体者としてどうやって、この変化を取り組んでいくか、作り出していくかっていうことが大事だと思っています。『失敗したくないんだ』というお話は、お気持ちとしては分かるんですが、「失敗せずに革命や変化を起こせるんでしょうか」と思います。価値を作り出すために、意識するスタンスだったり、行動だったり、『変化を進化の延長線上ではない何かを生み出す』という事が人間に求められることかなと思っています。そういった価値を作り出すスタンス・意識のために、どんなことに意識していけば良いと思われますでしょうか 。

田中氏 キーワードは自立だと思います。今まで上意下達で指示を受けてそれを忠実にこなせれば”良い部下”と言われてきた。それはコロナ以前では当たり前だったんですけど、これからはイヤでも動かなければならない。見えないところに行かなければならない。しかも自分で判断しなければならないケースがいっぱい出てくる。単なる知識とか持ってるんじゃなくて、いかにして自立して動けるか。特にクラウドが進んでくると大人としての対応。言い換えると「知識じゃ無くて知性」です。本当に人間として信頼が持てるかというところ。今までの組織の流れが”受け”だとしたら、これからは”受け”ではなく”自分で考えて動く”これがクラウドロニクスが前提になる新しい働き方の象徴だと思います。

木内 ちょっと言い方に語弊があるかもしれませんが、これからの時代は上位下達に言われたことを、言われた通りやるみたいな事ってあんまり面白くないんじゃないかと思っています。それよりは自立して自分のリスクもあるかもしれませんが、自分の意志や思いで行動して変えていく。そういった人間らしさがより求められて行く。そんな話でもあるかなと思っています。本日は誠にありがとうございました。

Makuakeではビジネスリーダー向けのオンラインセミナーを不定期で行っております。Makuakeのサービス資料のダウンロードをご希望の方は下記URLよりご確認ください。

https://mis.makuake.com/download/364

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田中栄氏:経歴
株式会社アクアビット
代表取締役 チーフ・プロデューサー
戦略立案において重要な将来の世界観および変化とシナリオをまとめた「未来予測レポート」の著者
同著書は上場企業を中心にシリーズ累計で1600社以上に導入されている。
「未来予測レポート2035」は2020年6月末発売予定です。

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