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発展途上国を知り、グローカルな視点を持つ

 最近、発展途上国に目を向ける高校生が増えてきました。発展途上国を学び、自分の地域にも目を向ける。そのことにより、今まで見えなかった発展途上国や自分の地域の良さ、そして、それぞれが抱える課題が浮き彫りになってくるのではないでしょうか。
 これから世界を動かしていく人は、世界を知り自分の地域にも目を向ける、グローカルな視点持つことが大切なのではないでしょうか。

【高校生×アフリカを見てきた人達】
 自然環境問題に目を向けている高校生と、ルワンダ・ガボン・ウガンダなどの国を見てきた大人との対話。
 恵まれた環境日本で育った高校生は、メディアでも取り上げられているごみ問題について問いかけます。私たちにとって、ものすごく大きな問題だと思われるごみ問題。しかし、アフリカを見てきた人の言葉で高校生の考えが一変し、視野が広がります。「ゴミはやばい。」自分が行った国では、明らかに衛生上良くないほどゴミがポイポイ捨てられる。ゴミの地層にすらなっている場所もある。ただし、ごみ問題に対する意識はある。それ以上に自分達が生きていくための問題、例えば食糧、経済発展、医療を優先的に考える。
 経済発展にも話が及びます。私たちは、より便利な生活が幸せと思うが、ウガンダなどの人々は老後は田舎に戻って、家族と一緒に農業をしたがらゆったりとした人生を過ごしたいという人が多い。その人達にとって開発が果たして必要なのか。そして、印象的な言葉は『何が正しいのか。最終的にそこに住んでいる人達が決めるべき』自分達が正しいと思ってることでも、それは違う場所では正解ではないということを教えてくれました。 
 自分の生まれ故郷でもある水俣市(水俣病)を引き合いに出し、自分達の身の周りで起きていることに目を向ける大切さも教えてくれた方もいました。
 それ以外にも、ジェンダーギャップ、文化の違い、世界を見て役立っていることなど、濃厚な内容でした。高校生だけではなく、参加者全員が収穫あったオンラインミーティングだったと思います。


【ニカラグア女子野球に関わってる大人×高校生】
 ニカラグアで女子野球に関わってきた大人との交流。野球と言えば先進国では華やかなスポーツ。しかし、ニカラグアにとっての野球は全く意味合いが違います。発展途上国における女性の現状を題材に話を進めていただきました。
 海外に目を向けている生徒に向けて、「その国に行った時、課題にぶつかると思う。それは現場に行かなければ分からない。自分の目で見てぶつかって、じゃあこれを勉強しようというのが見えてくる。そしてチャレンジしてください。」というメッセージを伝えていました。 
 そして自分自身の夢も語っています。「女子スポーツを通して女性の社会的地位を上げていきたい。性別に関わらず、すべての人が活躍できる社会を作りたい。」
 実際にチャレンジしている人との交流は、多くのことを教えてくれます。みなさんにとって有意義な時間になったのではないでしょうか。

ニカラグア女子野球チーム


【発展途上国の医療現場を知る大人】
 発展途上国の医療。HIV、出産、子供、死、下痢、マラリア、日本医療の重労働、検診、治安、人間性、文化価値観の違い、中国の進出、雑談の大切さ、バックグラウンド、デモ・暴動、政治不安、救急搬送体制・・・本当に多くのキーワードが飛び交いました。
  先進国と発展途上国の違いはものすごく多いですが、万国に共通しているものもあると教えてくれました。『接した人の笑顔と感謝の言葉は医療従事者に力を与える』医療の世界だけではなく、様々な分野に通じる言葉だと思います。
  終了後、参加した高校生からすぐにメッセージが届きました。
以下メッセージ文

 たくさん話を聞いた中で感じたことは、“文化や価値観”が全てのことに共通しているということです。たくさん質問させていただきましたが、結局はその国の価値観によって、普段の生活から治療の仕方まで変わっていくのだと分かりました。『郷に入っては郷に従え』という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。

 今日の交流を通して、自分の将来像を確立させることができました。看護師になったら、アフリカへ行き、子どもたちを自分の手でたくさん救っていきます。また、そこで学んだ経験を必ず日本の医療で活用し、世界の医療を引っ張っていけるような人になりたいと思います。そのために、今から医療のことだけでなく、政治、農林水産業、経済など様々な分野に視野を広げて、知識を高めていきます。まずは大学へ入るために勉強をがんばります。そして、医療従事者共通のやりがいを絶対に感じたいと思います。


【グアテマラをみてきた大人×高校生 -教育格差-】
 高校生がいろんな角度から教育格差を考えてみました。教育格差といっても様々な状況があります。先進国と途上国。先進国と他の先進国。日本国内での地域間での格差。経済的な格差。学校内での格差、各家庭間での格差...原因は各事例ごとに異なり、その原因が複雑に入り組んでいます。それを解決するには一筋縄ではいきません。
 コーヒー豆でおなじみのグアテマラ。都市部と農村部では大きな格差があります。国がインターネット環境を整えてより高度な教育を与えよう!といっても行き届くのは都市部の子だけ。大切な働き手である農村部には関係ありません。日本では何で算数・理科なんか勉強するの?そんなの勉強しても・・・という贅沢な声が聞かれることありますが、この国では算数、理科の知識が欠如してるとコーヒー生産、クオリティにも影響が出てきます。教育とは、それだけ生活に直結する大切なものなのです。その教育格差を埋めようと様々な支援が行われています。コーヒー基金というものがつくられたり、日本からはODAでハード面やJICAの人的支援など。支援する際には、本当に支援が必要なのは誰なのか?その人にとって本当に意味のある支援とは?産官民、そして外の者が協力意識をもって。こういったものをしっかりと考えていかなければなりません。

 参加した高校生も現段階での自分の考えを持ちました。これから大学に進み社会に出た時その見方が変わってくるかもしれません。教育格差について考えたように、現在目の前にある問題としっかり向き合い、本当の意味でそれをどう解決していったらいいのか。そういったことを考えられれば社会貢献できる人に成長していくのではないでしょうか。

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