上賀茂シェアハウス

LINEはまだです

 日中,実家から携帯に着信。
 「弟が死にかけた」ことがあるので,実家からのイレギュラーな連絡にはいまだにドキッとする。なんだろうと不安に思って出ると,「ムスメちゃんどうしてる?」と母。あぁそっか・・・ホームスクーラーだった我がムスメ氏が中学校に入学して,学校に通えているのか心配なのね。今のところ毎日通っていると報告すると,よかったよかったと安堵の声。そして,

 「T(息子。私の弟)が,ムスメちゃんはムスメちゃんなりに頑張ってるんだと思うから,あんまり色々言わないほうがいいよ,って言うのよねぇ。そうなんだろうけど,心配で。」

 と言った。弟自身もしんどい時期がずいぶんあった人なので,わがムスメ氏を気遣う言葉にぐっときた。彼はきっとしんどい時期にそうやってあたたかく見守ってもらいたかったんだろうけれど,そうしてもらえなかったのを私は知っている。そしてそのことを(苦しみながら)ある程度赦し,自分がしてもらいたかったことを,してもらいたかった人に淡々と説いているということが,なんとも哀しいような,それでいて逞しさを感じるような,複雑な気持ちを抱かせた。お互い年とったんだなぁ,という感慨を含め。

 まぁそれはさておき,話は全然変わって。

 小学校卒業と同時にスマホを持つ子どもたちが増えるのだけれども,我が家では当面ムスメ氏にスマホを持たせることは考えていない。といってもスマホを敵視しているわけではもちろんなくて,私もオット氏もPCやネットがなければ生きていけないくらいにICT依存度高めなもんだから,正直「うん,こんなええもん使わせてあげなくてごめんよ。」という気持ちがないでもない。うまく使えたらすんごい便利なものだし,面白い出会いもあるし,世界がぐーんと広がっていく。そして子どもたちの学習にだって,ICTをどんどん活用すべきだと私は思っている。もはや先生が黒板に書いたものをきれいにノートに書き写していればオッケーの時代なんかじゃなくて,ネットでどんどん新しい情報を仕入れ,教わったことにがんがん紐づけていき,自分の理解の仕方にあわせて視覚的に整理をしていくなんてことも,ICTで可能になっている。今日も私は学習支援のためにフラッシュカード(単語帳みたいなもんです)を作っていたのだが,もうね,もうね!web上(無料)でいくらでも個別の生徒さんに合わせたフラッシュカードがさくさく作れるもんだから,感動を通り越して放心・・・しかもそのフラッシュカードは単語帳として使うだけじゃなくて,同じデータで書き取りテストをしたり,神経衰弱風にしたりを瞬時にしてくれて,ええもちろんオンラインで生徒さんにリンクを送っていつでも宿題をしてもらうことができるのだよ・・・ICT万歳!と,こういう時には思う。

 あら話が脱線しちゃったわ・・・
 デジタルネイティブの子どもちゃんたちなら,もっと感覚的にさらっと使いこなせちゃうと思うので,Quizletぜひ使ってみてー。3つくらい色々単語帳アプリをダウンロードして使ってみたけど,これがピカイチでした。あ,もちろん手書きが好きだったり,イラスト描いたりが大好きだったら,きっと素敵なアナログフラッシュカードができると思うし,それはそれですごい才能だと思う。

 というようなことに一日を費やすようなワタクシなので,道具はどんどん使ってみよう派デス。だから中学入学前に,ムスメ氏にはおじいちゃんにもらったandroidのタブレットと,しばらく使ってなかった私のノートPCを譲り渡した。どちらもがっつりセキュリティーソフトを入れて,アプリのダウンロードはおろか,youtubeさえ見れないような,ちょっとかわいそうすぎる設定になっている。今後使いたい機能があったら,その都度(ワタクシたちに)交渉するよう伝えている。「それの必要性を,私たちが納得できるようにプレゼンしてね~♡」「えっ!あれで!?(←パワポを想像中)」・・・「私にとってYoutubeが必要な理由」なんてタイトルでスライド作る気なんかな?楽しみにしてマス。

 それなのにスマホを持たせない理由は,ほぼこれだけである。「LINEを使わせたくない。」いやぁ自分たちが便利に使っているのにそりゃないぜ,とも思うし,誰もかれも中学生はLINE使うななんて微塵も思っていない。中学生だって,上手に使って便利&楽しいを享受できる人もいるだろう。でもこと我がムスメちゃんに限って言えば,彼女は私にない秀でたものをたくさん持っている人なんだけれども,濃密な閉鎖空間での関係作りやコミュニケーションでは痛い目にあっているし,それへの対処方法はまだ学習途上である。お友だちとの距離のとりかた,自分と他者の境界線のひきかた,自分の意見を言う,自分の意に反することがあったときの対処方法などに関しては,相対的にゆっくり成長しているように思う。リアルでその状態だということを考えると,(オンライン空間という)目の届きにくいところへそれが移行していってしまうのは不安でしかない。何かあった時に大人が手を差し伸べることが遅れたり,最悪出来ない可能性だってあるのだ。過保護のように思われるかもしれないが,密室での人間関係のこじれは,時として命の問題に直結すると私は考えている。

 四六時中つながることができて,自分でコントロールしないと他者と距離をとれなくなるようなコミュニケーションツール(LINE)は,今のところムスメ氏には害しかないだろうと考えて,我が家ではスマホをムスメ氏に手渡していない。いずれ利用する時がくるだろうけれども,それは「今」じゃない。ムスメ氏の成長を見守りながら,その時が来るのを待とうと思う。

 でも彼女が熱心に取り組んでいるアクセサリー作りはローカルな活動に限定しておくのがもったいない気がして,彼女のタブレットにinstagramを入れてあげた。そこで彼女は自分の作ったアクセサリーをせっせとアップして,同じようにアクセサリー作りをしている人たちから「いいね」をもらって喜んでいる。ローカルで同じ趣味の人を見つけるのはなかなか難しかったりするが,世界中にはたくさん,たくさんいる。好きなものが同じ仲間とゆるくつながって,自分たちが作ったものを「いいね」と褒めたたえあえるって,なんて素敵なことだろうと思う。それは本当にインターネットという技術が生んだ,あたたかいつながりの文化だ。テクノロジーから何を受け取るかは,私たち次第でもある。

 てなわけで,ムスメちゃんのアクセサリーショップpoemのinstagramをよろしくお願いしまーす。公開アカウントなので,instagramアカウントをお持ちでない方も閲覧できます。記事の作成・投稿以外は保護者がアカウント管理しているののでDM頂いてもお返事できませんが,ぜひのぞきに来てください。 

#poemaccessories  で検索を。

instagram: https://www.instagram.com/poem.accessories/

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