iPadを使った作文支援~私が京都市長になったら~
夏休み後半は宿題・宿題・宿題Daysを送った,我が家の中学生。国語の宿題の一つは,様々な作文コンクールの課題から好きなテーマを選んで書くというものだった。はじめは平凡に読書感想文にすると言って,「気分はもう,裁判長」なんていう家庭裁判所の裁判傍聴レポを読んでいたんだけれども読み終わらず。「私たちも裁判を傍聴しに行って,感想文に盛り込めたらいいよねー。」なんて言っていた頃は,余裕たっぷりだったなぁ・・・(遠い目)もちろん大量の宿題におわれてそんな暇なんぞなくなり,選んだ本を読了することもできず,「何の資料もいらず,好き放題書けそうなテーマにしとき!」ということに。そうして選ばれたテーマ「私が京都市長になったら」。そんでもって京都市長になったら何するの?って聞いて真っ先に出てきたのは,「教育制度を変える!!」という頼もしいお言葉だった。市長!ぜひよろしくお願いしますと,私も頭を下げた。
さて作文というものも,「学校でなんとなくしか教わっていない」残念なものの一つだと私は思っている。確かに放っておいても書ける子どもは,書ける。私も正直その内の一人だった。一方私はバタフライができないし,見よう見まねでできるようになる自信はからきしない。もしバタフライをしろ!っていうんならバタフライの身体の動きがどうなっているのかというところからちゃんと教えてもらわねば出来る気がしない。生来身体を動かすことが得意な層は,「見て習う」でなんとなくバタフライができちゃうように,言語を操ることが得意な層は,起承転結をさほど意識せずとも書いているうちにちゃんと着地してしまう。だけどそれらがとりたてて得意ではない場合,やっぱりそれがどういう構造になっているのか,どういう順序でどうやって組み立てていけばいいのか,教えられる必要があるのだと私は思っている。ぱっと直観的につかめる人はそれでいいのだが,皆がみんなあらゆる分野でそうであるわけではない。
手芸や創作で直観的能力をいかんなく発揮するムスメ氏だが,言語に関しては直観より順序だてて理解していくことが必要なタイプである。(ちなみに私はその逆。)そんなわけで彼女が作文を書くときには,アイディア整理や構造の組み立て,接続詞や語尾選択のアシストをしている。今回はせっかくなのでiPadをフル活用し,アイディア出しには「simple mind」というマインドマップアプリ,それを整理して構造を作るために「Post-it」という付箋アプリ,文章作成には「縦式」という原稿用紙がセッティングされたノートアプリを使用した。
マインドマップはビジネスなどにも使われているが,作文に書きたい内容をどんどん出していくというツールとしても非常に優秀だと思う。中央に大きいテーマ(タイトルになるようなもの)を置いて,小さなテーマを出していけばよい。今回はsimple mindの無料版を使ったのだが,あとからこれよりも子ども向けに素晴らしいマインドマップアプリを発見した。
「iMindMap Kids」という,appleのアプリである。見ての通り枠やブランチが色々選べて,にぎやかで楽しい。ブランチも自在に伸ばせるし,テキスト入力も手書き入力もできる。作文には必要ないかもしれないが,絵文字や写真を画面上に取り込んだり,自分がアプリ内で描いたイラストも配置することができるので,イベントなどのアイディア出しにはもってこいのような気がする。
しかしここから情報の取捨選択をして,作文の構造を組み立てていくにはちょっと不自由がある。そこで各テーマの内容をもう少し細かく書き,それをカテゴリー分けにしていく作業に「Post-it」アプリを使用。付箋は色分けでき,手書きもテキスト入力も可能。グループ分けされた付箋同士の移動も自在にでき,「これはこっちかな?」「やっぱりこの内容だったらこっちじゃない?」というように実際に動かしながら考えることもできる。一覧性があるので,全体を見ながら細部の調整が可能だというところがミソである。実際の付箋にアイディアを書きだして並べ,それをアプリ内カメラで写真にとると,付箋を認識して画面内で移動させたりもできるそうである。(やってみたことないけど)
ここから「書き出し」と「書き終り」の構造の組み立てに関しては口頭で伝えるだけだったのだが,Post-itでまとめた内容はノートアプリ「Goodnotes」に書きだすと,さらに自由に書き込みができる。写真は私がムスメにしたアドバイスを事後的に書きこんだものだが,PDFファイルの上から自由に書き込みができるのがノートアプリの素晴らしいところ。
ここまでできたらあとは文章を書いていくのみ。今回は「縦式」という原稿用紙がセッティングされたノートアプリをつかってみた。Post-itでまとめた情報を並べてみながら書いていきたかったのでアプリを使用したが,あとからこれは失敗だったと反省。書いて提出用にプリントアウトするまではよいのだが,ここに入力した内容をテキスト保存できないのである。仕方がないので,「Office Lens」というOCR(文字認識)アプリを使って,画面キャプチャ(画面の撮影)をして文字へ変換,Wordへファイルをうつすという手間のかかる作業が必要になってしまった。iPad内で全てを完結するのなら「縦式」で十分だと思うが,今回なぜテキスト変換をわざわざするのかというと・・・
ムスメ氏が「これ!noteにのせて!!」と言ったからである。noteに投稿するためには,テキスト変換してパソコンにファイルを移さねばならぬのである。(←自力で一からタイピングするのは面倒くさがり族として無理なんで。)ではムスメ氏の並々ならぬ教育改革への熱意を,みなさん受け取ってください。
「私が京都市長になったら」
私が京都市長になったら、 京都市の小中学校を楽しく、自由でのんびりとした学校にしたいです。 これから,私がどんな学校にしたいかということを具体的に説明していきたいと思います。
まず、 私が考える楽しい学校にするためには三つの工夫が必要だと考えました。 一つ目は,クラスを日によって変えることてす。 なぜなら、 そうすることによって様々な人と関わるわることができ、 さらに固定された友達関系を無くすことができるからです。 二つ目のエ夫は、 クリエイティブ休み時間を設けることです。 クリエイティブ休み時間とは、 子供たち自ら考え、 遊んだり創作したりする休み時間のことです。 三つ目は、 今より頻繁に校外学習に行って,体験的に様々な場所で学習を行えるようにしたいです。
次に、自由な学校にするために必要なことを説明していきます。 今の中学校は、 校則で髪の色や、 服装などが決められていることにより、自分らしさを表現することが難しくなっています。そのため、自分らしさが表現できない校則を無くし、自分らしさを自由に表現できるようにしたいと思います。そして、子どもが学校の主体になって自分たちでルールを作り、みんなで学校を作っていけるようにしたいです。
最後に、のんびりした学校についてですが、今は取り組まないといけないことが多すきて自由な時間が少ないと感じています。 例えば夏休みの宿題の量が非常に多すぎて終わらず、母の実家に帰ることができなくなってしまいました。そのため、もう少し宿題が少なけれは良いと思いました。さらに、学校を週四日にすることで、自分が自由にできる時間を増やし、私ならアクセサリーを作ったり色々な場所に出かけて社会経験を積みたいと思います。
このような学校が実現したら、みんなが楽しく毎日学校に行くことができるのではないかと思います。今、全国に不登校の小中学生が十四万人以上いることが間題とされています。 しかし、楽しく自由で、のんびりとした学校があったら不登校の子どもも学校に行きやすくなる可能性があります。私が京都市長になったら,こうして子どもの不満をなくし,誰もが楽しく学校生活を送れるようにしたいです。
以上。
クリエイティブ休み時間,いいね!何するんだろ?オシャレがしたいよ!って気持ちも,よく伝わってきたよ。なんでオシャレしちゃだめなんだろうね?もっとのんびりしたいよ,って,毎日疲れ果てた顔で帰ってくる君の魂の叫びに聞こえたよ・・・子どもの不満よ,いろんな長に届け~!
さて接続詞と語尾はその都度アドバイスをしたが,自分で「設ける」「自ら」なんていう言葉を思いつけたりすると「すごくない?」「ちょっと(作文を)デコりすぎかな?」とニヤニヤ自画自賛しておりましたです。不思議と枠組み・型をきっちり作ったら,言葉がスルリと出てくるものなんだなと改めて気づく。逆に「自由にどうぞ」ってなると,とっかかりがなさすぎて言葉の出口にフタがされちゃうみたい。うん,でも彼女はすごいよ,ほんとに。よく頑張りました。
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