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私がここにいる理由 3

ダラダラと前2回書いている話の続きです。

さて、思わぬところで足をすくわれ、NYでの仕事探しどころか、立ち上がれなくなってしまった私。


帰ろう、いや帰らない

日本に帰ろう、と思ったんです。
こんな心の状態で、家族も友人もいない外国で、
本気で鬱になって動けなくなったらと思うと恐怖でした。
日本の家族に電話して、日本に帰ると話しました。みんな心配して、いつでも帰っておいでと言ってくれました。

なのになぜか、なぜだか踏みとどまったんです。
それは、授業がまだ全て取り終えていなかったっていうのはあるけれど、
実はそうじゃなくて、
どうせなら、お金使い切ってから帰ろうかと。(爆)
学校の課題で忙しく、観光さえできず過ごしていたから、帰るまでに楽しむだけ楽しんでから帰ろうと。
忙殺されて、楽しむことって置き忘れていたんです。なので、このまま帰ったらもったいないだろう、と。

そんな状況においてもなんだか今思うと楽観的な自分がいますね。(笑)

とりあえず、何にもしないをしよう、したいことだけするをしよう。と決めました。
『やらなきゃいけない』とかは一切置いといて、
したいと思った時だけ動く。
職探しとか、お金稼がなきゃとか思うことは辞めて、
まず、たくさん寝て、それから散歩して、美術館に行きました。
NYにはたくさん美術館があって、行けていなかったところもたくさんあったし、メトロポリタン美術館なんかは何度行っても見きれないですね。

絵を描くというリハビリ

絵を自分で描き始めたのもこの頃です。
元々子供の頃からお絵描きは好きだったし、学生時代漫画みたいな絵は仲間と見せ合いっこして描いていましたが、大人になってからは絵からは離れていました。
きっかけをくれた出来事が二つ。
ちょうどその頃受けていた学校の授業で「Drawing Interior」という授業がありまして、要はインテリアデザインのプレゼンなんかで必要なパースを描く勉強をするクラスです。
その課題で、自分の部屋を一点透視法と二点透視法で描きなさい、というものがありました。
私の小さな部屋の絵を描いて持っていったら、クラスメイトから非常に人気だったんです。

My tiny room in NY - 1のコピー

My tiny room in NY - 2のコピー

うぅ...部屋の質素感伝わりますね。笑

とりあえず、必修授業の課題という避けられない自体に直面し、久々に描いた絵が高評価だったので、あ、私の絵を見て喜ぶ人がいるんだな。と気づいたきっかけとなりました。(すぐ調子に乗る人 笑)
(今度別の記事で、New Schoolでの授業について書きたいと思います。)

それから、美術館巡りをして行き着いた、ブルックリンにある「Brooklyn Art Library」という小さな美術館。

ここで行なっているスケッチブックプロジェクトは、誰でも参加することができ、指定のスケッチブックを購入し好きなようにそれを埋め、そのライブラリーに納めてもらうというものです。訪れた人は自由にその作品たちを手に取ってみることができます。
(iPadで検索して、Librarianたちが選んだ本をあなたに手渡す形で、直接本棚からは取れません。)

イラストレーターでも絵描きでも何者でもないけど、授業でちょっと自信をつけつつあった私は、そのプロジェクトに参加することにしました。

sketchbook - brooklyn bridgeのコピー

この絵はトロントにいた頃に友人とNYに旅行に来た時の思い出の写真を元に描きました。絵の中に私と友人まいこがいます。まいこは私の絵が大好きだと言ってくれます。私の絵のファン一号です。

そんなこんなで、絵を描き、美術館に趣き、ゆっくり過ごしているうちに春になり、灰色だった世界が色づいて来ました。私の心もだいぶ癒えてきました。絵を描くことは、私にとってリハビリのようによく働いてくれたような気がします。
そしてようやく立ち上がり、またバイトなどを始めました。

しかしその矢先に、またとない大きなチャンスが飛び込んできました。
照明デザイン事務所の面接を受けてみないかという話でした。

夢の仕事!?

NYでできた日本人の友人の一人で、非常に顔が広い方がいまして、その方が、建築会社に務めるお知り合い→その方の知り合いの照明デザイナーさん、と繋いでくださり、その照明デザイナーさんから、とある照明デザイン事務所を紹介していただきました。
聞くとかなり大きな物件を抱えているインターナショナルな会社。
傷心でぼんやりしていた私は特に何も職探しをしていなかったくせに、人に助けられてご縁を繋いでいただきました。幸せ者です。

さて、その会社は世界中にプロジェクトをいくつも持っていて、その中に日本のプロジェクトもあり、日本人の照明デザイナーを探しているとのこと。日本での照明デザイナーの経験に助けられ、面接を受けてからポンポンポーン!とあっという間に採用の運びとなりました。

ちょうど採用が決まった頃、独立記念日がありましたので、独立記念日の休暇明けから仕事が始まることとなりました。
新しいフェーズの幕開けです。緊張とワクワクの入り混じった気持ちで、人混みの中、独立記念日の花火を見上げていました。


そうして幕を明けた、スパルタ修行の日々...

次回へ続く!!

読んでくださり、ありがとうございます!!


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