家にいるのが憂鬱だった私が家にいるとうきうきするようになった話|私の生活改善運動
知らず知らずに不調の沼にはまりこんでしまうことがある。
今回も自覚がないままに静かに沼にはまっていたようだった。ただ、人生の春休み(次の就職先での勤務が始まるまでの無職期間)を謳歌しているつもりだったので、全くもって自分では違和感に気づいていなかった。
今思えば、ときめきを感じていた部屋の小物やお気に入り空間だった暖かな陽が入り込むリビングなど、去年の私が、とっても良い家に引っ越すことができたのだと熱く周囲に語っていたにものにすら、興味がなくなってしまっていたので違和感に気づいていたはずだったが…
転機は突然に
そんなある日、可もなく不可もなくの最近の私を一変させる本に出会った。先日人生初の1人旅行で訪れた真鶴の「本と美容室」という本屋さん兼美容室で何気なく手に取ったエッセイである。最近知ったZINEというものも初めて現物を手にした。
それが、安藤茉莉子著「私の生活改善運動」Vol2–本棚を作る–であり、何気なく読み進めた。すっと自分の中に言葉が沁みてゆく感じがあり、全4作全てを購入。続きが気になって仕方がなかった私は、帰りの新幹線の中で、ロング缶のビールをおともに一気に読み切った。
私の生活改善運動–みさお家編–
帰ってからの私は、すぐさま能動的に動いた。「やる気のなさ」が溜まりに溜まった部屋を何とか心地よい空間に変えたい。
いつもの「掃除をしなくてはいけない」つまり、「やらねばならぬ」という非積極的な動機ではなく、能動的に「やりたい」という気持ちが原動力となった。
まずは、ダイニングの上の花瓶を手に取った。前職の送別会でいただいた花が、少しくたびれ出しているものの、まだ現役で部屋を彩ってくれている。だが、手入れを怠っていたため水の臭いや、しおれ始めた花や茎も気になる。「やる気のなさ」が溜まりに溜まった我が家は生花が似合う部屋ではなく、何だかミスマッチな気さえしていた。せっかくいただいた花なのに、これで良いのかという罪悪感も重なる。
茎がしおれてしまった花は短くし、別の容器へ飾り変えてみたりと、一つの花瓶にどっさりと入れただけだった元花束を、小分けにし、整えた。水も新しくかえ、計4つの瓶に花が飾られた。
すると、不思議なことに達成感と一緒に新たな気持ちが込み上げてきた。さらには、花を生けた瓶を飾るに相応しいスペースも欲しくなった。部屋を見渡し、ターゲットを決める。
次に取り掛かるのは、寝室の本棚上のスペースだ。結婚式のウェルカムスペースでこしらえた小物たちが、行き場をなくしてただ並べられているだけのこのスペースも、見て見ぬふりをし続けてしまっていた場所であった。写真を整え、小物を整理し、今使わないものは思い切って片付けてみた。そうすることで、すっかり瓶に入った花にとっても相応しい空間となった。
そんなこんなで部屋の至る所に手を加えていると2日もすれば、自然と部屋のあらゆる場所が心地よい空間になった。全ての角度が心地良いとはまだいいきれないが、心地よい角度が一気に増えた。
嬉しい波及効果
それは、一緒に暮らす主人にも伝染したようだった。
・朝、顔を洗おうとすると、鏡がみがかれている
・切れかけのシャンプーが補充されている
・乾かしておいた食器が片付けられている
どれも、我が家では、誰がやるか極限ラインのギリギリまで我慢比べになり大体私が負けて、もやもやとしながら対応することが重なっていた。もしかしたら、もともと普段からやってくれている些細な行動に私が気づかなかっただけなのかもしれないが・・・。
主人も能動的に気持ちの良い空間を維持することに協力してくれているようだった。つい最近、不協和音が静かに鳴り響き、原因はわからなかったが、可もなく不可もなくな状況だった夫婦関係も変わってきた気がした。
いつものカフェでこのnoteを書いていたが、作業を始めるやいなや、いつものカフェなのにどうしようもなく居心地が悪く、早く家に帰りたくなった。家の方が、日あたりも良いし、風も感じられる。窮屈な思いもしなくて良く作業が捗りそう、、、そんな気持ちになった。(せっかく珈琲も頼んだので、珈琲を飲み切ったらすぐに家に帰って続きを書いた。)つい2〜3日の出来事だが、こんなにも気持ちが入れ変わるだなんて「生活改善運動」の力、侮れない。
何だかわからないけど、何となくうまくいっていない気がするそんな時には、読み直したい。
今住んでいる家のどんなところが、私をうきうきさせているのかについてもちゃんとまた書いてみよう。。
■読んだ本
■この本と出会った場所
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?