努力しか勝たん。 英語習得奮闘記
留学の話をすると、英語の習得方法について聞かれることも少なくない。
ハーフでも帰国子女でもない、長期の留学経験があるわけでもない私が、なぜ自ら海外の大学に飛び込めるようになったのか。
航空業界で働いていた英語を話す母親きっかけで海外に興味を持つようになったのだから、中学校の時に夏休みの1ヶ月間でイギリスのサマースクールに参加させてもらったのだから、環境にはとことん恵まれていた。
が、だからといって、いつのまにか英語ができるようになったわけでもない。
努力の軌跡やそこから得たものを、いつかの自分のためにも書き残しておく。
着火
英語を真剣に勉強し始めたのは、確か中学3年生の頃。
思い切ってイギリスのサマースクールに参加したはいいものの、授業で先生が何を言っているかわからなくて、クラスメイトに伝えたいことも何も伝えられなくて。
ペアワークで役に立たなさすぎる私にクラスメイトがブチギレた日があった。机をバンっと叩いて、もういい加減にして!という感じ。顔を真っ赤にして、ものすごい形相をしていた彼女の顔は7年たった今でも忘れられない。
それまでも学校では真面目に英語の勉強に取り組んでいたし、いつかは長期留学にも挑戦したいな、なんて憧れてた時だったから、目の前に突きつけられた現実があまりにも無惨で、頭が真っ白になった。
その場ではなんとか耐えたものの、やっぱり自分の部屋に帰ると自然と涙が溢れ出してきた。が、負けず嫌いの私はこの悔しさがとてつもないバネになった。
絶対習得してやる!いつかは私もみんなみたいにいろんな国の子と話せるようになるんだ!と心に強く誓った。
私の猛烈な英語の特訓はそこから始まった。
具体的に何をやったのか。多分覚えていないこともたくさんあるが、今でも家に残っている努力の証をここに書き留めておく。
努力① 基礎の徹底
常に学校のテストでは100点を目指した。誰に聞いても基礎は大事と言われたから。教科書の問題集の反復に加え、ネクストステージ(文法書)5週以上、英単語帳も何種類もの本を必ず3周以上は繰り返した。
これらが繰り返し使った参考書や単語帳たち。当時は無心で取り組んでいたが、ボロボロになった参考書を見るとよく頑張ったな、と自分でも思う。
努力② エッセイ鬼反復
英検でも国際系の大学の受験でも試験内容にエッセイが含まれていたことから、英語を使えるようになるためにはエッセイが鍵になるのだと理解した。
英語圏では、英語を使えるだけでなく、自分の意見を論理的に伝えられる必要がある。だから、与えられたお題に対する自分の主張を根拠とともにまとめられる力は、英語話者として必要不可欠な力であるようだった。
まずやってみた時は絶望、の一言であった。
でもぐずぐずは言ってられない。学校の先生と相談し、まずは時間制限の規定を外し、エッセイを完成させるところから始めた。
日本人の英語の先生とネイティブの英会話の先生にお願いし、丁寧な文法と自然っぽさの両方の観点から徹底的に添削をしてもらった。
これが初めの方に返却されたもの。
これでもかと言わんばかりの大量のバツ笑。先生に何が言いたいかわからない、と言われても、何が伝わっていないかすらわからなかった。
それでも直せるところから修正を始めた。まずはこの文法だけは間違えないようにしよう、使える単語の数を増やしてみよう、と一歩ずつ進んだ。
根気よく添削してくださった先生方のおかげで、なんとか足を止めずに進み続けることができた。
気づけば書き上げたエッセイの数も膨大に。先生方には感謝でしかない。
努力③ ニュースの切り抜き
学校での基礎力に加え、"生きた英語"も身につける必要があった。
"教科書英語"という単語があるように、教科書はあくまでも文法構成の型であり、実際に使えるとは限らない。
誰もが習う"This is a pen"なんて、実生活で使うことはまずありえない。
そんな時に"Catch a Wave"と言うニュースをまとめた英字新聞がピッタリだった。
中学生でもわかるような英語だけで時事ネタを解説してくれており、少し難しいワードやよく使うキーワードには巻末に訳がついていた。
私はこれを一通り読み、興味深かった記事や知らない単語が多く出てきた記事を切り取り、後から赤シートで復習できるようなスクラップブックを作った。
努力しか勝たん
他にも洋楽の歌詞を覚えてみたり、ドラマを英語字幕で見てみたり、勉強が嫌になった時でもとにかく前に進む努力をしてきた。
こんなに必死な自分の傍で、ハーフや帰国子女の子たちがスラスラ〜と英語を話せてしまっている姿を見ては、どれだけ自分が努力しても叶わない気がして投げ出したくなった。
実際、1年間の海外留学を終え、勉強をし続けている今となっても彼らは羨ましいし、叶わないな、と思う。
でも一つだけ胸を張って言えることは、本気で努力した分だけ、"強み"になる。
私と同じ時期に留学をしたハーフの同級生の子で、日本が恋しくなって留学をやめ、途中で帰国してしまった子もいた。
英語力に問題はなくとも、長年すみ続けてきた日本とガラッと異なる環境が変わる中で、勉強しなければならないとなると、精神力が必要なことは言うまでもない。
努力に勝る天才なし、というが、ここでいう「勝る」とは、単なる能力値だけでなく、そういった努力によって築き上げられた自信と強さも含まれるのだ、ということを身をもって体感した。
自分は努力してきたんだ、この手でこの足で、この道を切り開いてきたんだ、と言う自信がちょっとやそっとのことではくじけない、強い自分をつくりあげていた。
時々自分の能力値の低さを不甲斐なく思う時がある。
でも元々能力が低いのはラッキーかもしれない。努力によって天才以上に強くなれるチャンスがあるから。
伸びしろばんざい。
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