見出し画像

🎬映画『BIG EYES』🎥

実話を基にした物語。

1960年代に一大ブームを巻き起こしたアートのすべては実は作者の妻が描いたものだった!というお話。

実話を基にした映画になぜか強く惹かれるし、世間を巻き込んで秘密を隠し続けるというところにも好奇心がぞくぞく湧いた。

実話系映画の、「Based on true story」の文字が黒い背景の上に映し出される瞬間にとてもテンションが上がる。

妻の絵の才能を見抜き、そのコミュニケーションと行動力で、セールスが得意な夫と、絵に対して誠実に純粋に情熱を持って描くことができる妻。

二人はお互いの持っていないものをちょうど補完しあっているように見えるけど、お互いの長所にもなりえる部分が、短所となって掛け合わさることで歯車が少しずつ嚙み合わなくなっていく。

一見すると、夫が利益だけを求めて妻をだました詐欺師のように見える。夫の笑顔を見るだけで不快感がわいてくるくらいだった。

しかし、夫がいなければ、妻の絵は世の中に出ることも、売れることさえなかっただろうということがわかる。

絵に対して個人的な世界感を映し出せるが、それを人に伝えることや、売るためのコミュニケーションをとることに長けてはいない妻を見ると夫のおかげだと思うシーンがいくつもあった。

子どものためにお金が必要だった妻は、自分の世界を盗まれている感覚になりながらも、真実を隠して絵を描き続けていた。

最後は夫と離婚し、娘とハワイで暮らすことになるが、「絵の権利を渡し、夫のためにあと100枚を絵を描く」という離婚の条件をのんでいた妻の姿を見たときは、有名になりたいわけでもお金が欲しかったわけでもなく、ただただ自分の大切にしていた個人的な世界を、他人に踏みにじられているような感覚がどうしても耐えられなかったのだろうなあと感じた。

あとは、ブームや流行はそのものがどうかではなく、どれだけ多く人々の注目が集まるところに露出できるかが重要だということがわかりやすく表現されていた。

おすすめ度

★★★★★


この記事が参加している募集

#映画感想文

67,197件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?