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似合う服を選ぶコツ?

私にはいくつかの肩書がある。
そのうちの一つがパーソナルスタイリストだ。

パーソナルスタイリスト。
最近はTVで取り上げられることも増え、徐々に知名度が上がっているものの、まだまだ利用者はそう多くない。
理由は依頼料が高いイメージのせいもあるけど、一部の層には何となく敷居が高いと思われているらしいと、最近気づいた。
この敷居を取り払いたくて、あるお客さんのケースを紹介したい。

++服を買いに行く服がない

オシャレなヘアサロン。
オシャレな服屋さん。
そこにいるのは、オシャレなスタイリストや販売員。
そしてお客さんもオシャレできらびやか……。
ファッションが苦手な人にとって、どうやらこんなイメージがあるらしい。
だからなのか、「服を買いに行くときに着る服がない」とお客様からよく聞く。

そんな時、私はよくこう話す。
「オシャレな人はすごい、素敵!と言われるけど、オシャレが大好きって言い換えるとただのファッションオタクですから。」

そう、「オシャレな人=洋服オタク」なのだ。
あらゆるオタクが対象物の新作を競うように買ったり、集めてコレクションしたり、それをSNSに上げて自慢したりするのとまったく同じ。
ただ、ファッションの場合なぜか「オシャレ」という付加価値がついてしまうのが厄介だ。

じゃあオシャレって、いったい何だろう?

++オシャレはコミュニケーションツール

オシャレは洒落が語源で、辞書的にはこんな意味だ。

気のきいた服装や化粧で身なりをととのえていること。おしゃれ。
デジタル大辞林

ところが、コトバンクの日本大百科全書の解説に、こんな興味深い一節を見つけた。

一般的には、気のきいたようすや服装、身なりをいうが、文学上では、広義に、「笑いの文学」に一貫する頓知(とんち)、滑稽(こっけい)、風刺などの文学精神、とくに江戸中期以降の江戸で栄えた粋(すい)や通(つう)という生活美学と密着したそれをいう。
(中略)
 洒落の特徴は人工的なものである点にあり、知性や洗練さを要求されるとともに、そのよき理解者たる相手を必要とする。ひとりよがりの洒落では、洒落にならないのである。

ひとりよがりでは、オシャレじゃない。
オシャレはつまり、コミュニケーションツールということだ。
ここまでくると、オシャレの付加価値が見えてくる。

オシャレがどうして素敵なのか?
オシャレな人は、オシャレという表現方法を使ってコミュニケーションを図ろうとする人のことだ。
つまり、自信があって、コミュ力が高い。
だからこそ、なぜかキラキラして見えたりするのだろう。

でも、オシャレな人がみんな初めからオシャレだったわけじゃない。
お客さんの女性の多くは、若い頃は服を買うのが楽しかったと言う。
じゃあ、いつからオシャレじゃない自分に自信がなくなってしまったんだろう?

++年を取ることで失われるもの

先日、あるお客様からこんなレビューが届いた。

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ハッとしたのはこの部分。
「服に興味がなくなったといいながら、これまで着ていた服は若き良き時代にちょっとしがみ付いていたなと気づき、
ちゃんと自分の変化を受け入て、今の自分にあったものを着ると
年を重ねたことの良さが出てくるんだなと体感できました。」

こういうレビューが届くと泣きそうになる。
どれだけの人が、年を取ることで何かを失っていると思い込んでいるんだろう。
特に女性はこの傾向が強く、似たような声が届くたびにいたたまれない気持ちになる。

年を取ると、体型もややぽっちゃりしてくるし、肌のハリも失われてくる。
年齢と共に服選びは難易度が上がるのに、ファッショントレンドを追うのに必要な「自分の時間」を取れなくなってくる。
せめて昔好きだった服を着ようと思っても、今の自分には似合わない。

こういう負のループにハマると、ファッションがどんどん嫌いになる。
ますますオシャレな人がまぶしく見えて、自分が見劣りするような気がしてしまう。

でも、それは勘違いだ。
私はそう断言する。

++今の自分を受け入れる

私は、お客様の「今」しか知らない。
だから、目の前のお客様の良さが引き出されるような服を選ぶ。

大抵の人は、服を選ぶ時のクセがある。
自分でも無意識なクセは視野を狭め、今の自分と向き合う障害になりやすい。

例えば、若い頃に好きだったガーリーなテイストが似合わなくなって、服を選ぶこと自体が嫌になったり。
ぽっちゃりを隠したくて、無難に見えるダークカラーばかり選んでしまったり。

若い頃と雰囲気が変わるのは当たり前だし、体型だってもちろん変わる。
変わった自分をそのまま受け入れれば、「今の私」に似合うものは見えてくる。
それをわかりにくくさせているのは、「年を取る=劣化」だと思うからだ。

年を取るということは、失うよりも得たものの方が多いはず。
だからこそ、若い頃には似合わなかった色や形・テイストがちゃんとある。

服を着こなすのはお客様本人。
私は、それを読み取って提案するだけだ。

++プロだから出来ること

とはいえ、今の自分をきちんと受け入れていても、似合う服を見つけづらいという人も多いだろう。
でも、それは当然のこと。
誰でも「今の年齢の自分」に出会うのは初めてだ。
「今の自分」の服を選ぶのに、過去の服選びの経験は役に立たない。

私たちプロは、それが出来る。
トレンドに年齢とライフスタイルを掛け合わせて、何をどう選べばいいのか瞬時に判断が出来るのだ。

ヒールはもう履かない、おなか周りが太った、仕事柄明るい雰囲気に見られたい、予算はあまりかけられない、家で洗えないとダメ……。
あらゆる条件に合う服をサッと選べるのは、仕事として普段から情報を集めているからで、「オシャレだから」だけではない。

だから、どうか迷ったときは安心して任せて欲しい。
今の自分も素敵だと思えるキッカケになれる、そんなスタイリストを私は目指している。

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