2020年2月14日(金)創作と表現の実験場「アナグラサーカスβ版」をやります
北海道下川町という町ではじめた民泊「andgram(アナグラム)」。
まさか自分が宿業をやるとは、みじんも思っていなかった……という話は、あちこちでしている。
けれど、下川町に来る前から考えていること、決めていたことはあった。
“編集者”として、何ができるかを、3年間ずっと考え続けた。
でも、できることは、ほんの少し。
できたことも、ほんの、わずか。
その3年間のさなかに、物語(フィクション)が、現実(ノンフィクション)よりも、人の心に強く訴えかけるちからがあるんじゃないかと、感じた出来事が、いくつかあった。
もしくは物語(フィクション)が現実(ノンフィクション)を暴く/魅せるトリガー(引き金)になるのではないか、ということ。
ノンフィクションを直接的ではなく、(それが物語でなくても)違う形であぶり出す表現の切実さに対して、思い切り肯定される出来事も、おきた。
言語化できるほど「物語(フィクション)が必要」な理由は、まだ分からないけれど。
でもだから、調べることにした。
どれくらい、この町に必要とされているのか。
どれくらい、一帯の地域の人々にとって、関心があるのか。
「アナグラサーカス」を開催します
「アナグラサーカス」の“β版”とするのは、そのためで、つまり、この「アナグラサーカス」は、アナグラムで開催するたった一晩のイベントです。
サーカスなので、いろんな技──つまりアートを持ち寄って(*1)、披露する場にする予定。
お宿の名前「アナグラム」が偶然にも「穴蔵」という言葉を含んでいるし、「アングラ」(アンダーグラウンド)とも似ていて、いいかんじ。
アングラなことをやりたいわけではないけれど、好きなことをやりこんでいくと、自然、アングラになりそうな予感。
本当は唐十郎の赤テント(*2)みたいに街のど真ん中にテントを立ててゲリラ演劇とかできたらいいなあって思ったけれど、そのハコの規模を使い切れるアウトプットが、今のわたしでは身の丈に合わなさそうだったので、現状一人でも回せている場所を使うことにしました。
イベントの中で演目として展開したいことは
身体表現(音楽、落語、芝居、漫才、ダンスなど体を使ったものであればなんでも可)
です。
決めていることは
・開催日は2月14日(金)の夜(翌日もやるかは未定)
・電気を使わず、照明が必要な場合はろうそくの火を使う
・飲み物、食べ物も出す(少量ですが)
ということ。
キービジュアルは、去年下川町に1ヶ月滞在していたデザイナーのめいめい(@meimay_yoshioka)にお願い。
……ということ以外、まだ何も決まっていなくて、演者も出演交渉中なのですが。
演目のコンセプトは「“ふつう”とは何か」です。
下川町に来たのも、民泊をやりはじめたのも、そもそも編集者になったのも、ぜんぶぜんぶ、この問いから始まっていることだったから。
“ふつう”にまつわるフィクションを持ち寄って、そこからノンフィクションを暴く、アングラエンターテイメント。
β版、ゆえに、需要と供給を調査し終えたら、次にアップデートするかもしれないし、もう二度とやらないかもしれません。
今年一年は、文化芸術に対する検閲や規制が厳しく、例年以上に議論が多かったように思う。
文化芸術の予算も、どんな物事よりも真っ先にカットされてしまう。
でも「生きていく上で、文化芸術が不要だなんて、安易に決めないで」と思う。
これらに救われた人たちを、たくさん見てきた。
わたしだって、その一人だ。
小さい規模でもいい。
ニュースにならなくてもいい。
バズらなくても、流行らなくてもいいから、やってみよう。
と思ったから「アナグラサーカス」としてまずは形にしてみることにした。
例え、現時点で、誰から頼まれたことでなくても。
おもしろがってくれる人が一人でもいるなら。
表現する場を、わずかでも、求めている人がいるなら。
なお、「アナグラサーカス」は、完全投げ銭形式です。
赤字 of 赤字から、この企画はスタートしています。
正直、今の身分で使える補助金もあるけれど、使っても好き勝手、やりたい放題やる泥臭さが、いい意味でも悪い意味でも消える気がするので、使いません。
このnoteへの投げ銭が、そのまま運営・創作資金になります。
もしくはPay Pay、polcaを通した投げ銭↓です(金額は特に決まっていません)。
↓polca↓
↓paypay↓
演者さんたちがしっかり決まったら、お一人ずつnoteでご紹介してゆきます。
ゆえに、noteへの投げ銭が、勇気と情熱を持って、協力してくださる演者さんたちへの、ギャランティにもなります。
遠方にお住まいで、お越しいただけない方のうち、投げ銭してくださった方には、オンライン配信の専用URLをお届けします。ぜひ、お旦さん(*3)に、なってね。
遊びもスリルも、一夜の魔法。
フィクション(物語)からノンフィクション(現実)を覗き見する実験です。
「アナグラサーカス」関連note
●なぜイベントで電気を使いたくないのかについて
●出演アーティスト発表&役者募集
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(*1)アートは、ラテン語の ars 、ギリシア語のテクネー に相当し、本来は「芸術」というより、自然に対置される人間の「技」や「技術」を意味する言葉であった。(山下太郎のラテン語入門より)
(*2)唐十郎:劇作家・作家・演出家・俳優。「天井桟敷」の寺山修司、「早稲田小劇場」の鈴木忠志、「黒テント」の佐藤信と共に「アングラ四天王」と呼ばれた。(Wikipedia参照)
(*3) お旦:落語家のスポンサー
観劇用チケットについて
本イベントは投げ銭形式です。
そのため、チケット一枚○円、という販売の仕方はしません。
本noteをご購入いただいた方が、観劇申込フォームにご記入可能です。
場所のキャパシティ的に人数に限りがございますので、フォームのご記入にご協力お願いいたします。
一つの作品につき、入って30席が最大&立ち見になる可能性もゼロではないので、気になる方はお早目にフォーム入力をお願いします。
なお、下川町在住の方は、個別にわたしからフォームをご連絡します!!
「それでも投げ銭していいよ」という方は、noteをご購入ください(ありがとうございます🙇♀️)。当日、投げ銭箱を設けるので、note購入ではなく、そちらにお気持ちをくださるのもとてもうれしいです。
観劇希望の方用の参加フォームはこちら
※当日ご来場いただく分の客席数は完売しました。オンライン配信を閲覧希望の方のみ、本noteをご購入ください!
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