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スーツケースの半分を占めるのはアレ #交換留学日記1

9月から半年はオランダにいるため、もともとのラトビア日記を「交換留学日記」として更新いたします。わたしと面識のある方は生存確認として、無い方は海外に暮らすテンパり日本人のほぼ無益なつぶやきとして、お楽しみいただけたら幸いです。

2024年8月19日 戦いの幕開け

 新学期開始まで、あと二週間を切った。

 ラトビアとオランダから、次のセメスターに関する連絡が立て続けに届いた。

 新学期が始まる10日前なんて連絡するのが遅くないかと思ったが、思ったところで状況は変わらないので目を皿にしてメールを読む。

 すると、交換留学に必要な書類が新たにいくつか見つかる。

 この手続き関連が、本当に毎回肝を冷やす。国をまたぐ場合は、授業登録と共にビザの手続きと連動していることも多いため、日本の大学での手続きや仕事のやり取りとは違う胃が浮くような緊張感がある。

 実は8月上旬に一度「あなたのビザの書類が確認できないので、今年は我々の大学では受け入れられません。また来年!」というメールが届いた。

 わたしとしては言われた手続きはすべて網羅していたと思っていたから拍子抜けすると共に、またあの脳に濃いモヤがかかるような緊張が拡散した。

 意気揚々と渡航の準備をしていたところへ、なんのリマインドもなしにいきなり「あなたの入学をキャンセルします」なんてタイトルのメールが届いたものだから、行く先のない不安&不満を少しでも逃すために、コーヒーを一気飲みして、大きなため息をついた。

 自分が行った手続きを証明するスクショを学務課に送ると、一枚書類が未提出だったことが発覚。すぐさま作成して返信し、結果的にはことなきを得た。

 去年の今頃は、入学許可すらもらえていなかった。

 それを思えば、今年の旅立ちはいくぶんか、心置きなくできそうだ。

 でも、久々に味わった国境を越えるときのわずらわしさと重圧。ビザなしであちこち回れる日本のパスポートにも、毎度感謝せずにはいられない。

2024年8月20日 海外に暮らす人あるある?

 祖母の体調が悪いという知らせを受け、病院へ付きそった。

 もう90代の祖母は、身体こそ言うことを聞かないが、頭ははっきりしている。

 高校を卒業とともに実家を出て以降、東京や北海道、鹿児島、ラトビアと、住まいは地元の静岡からどんどん離れていく。 

 今回は、6月末に日本に帰国して、実家を拠点にあちこちへ旅に出た。

 だから、どこへも行かないときは実家にいて、主にかわゆいゴールデンレトリバーと過ごしている。

 いつもは家族に何か起きても、わたしはすぐに駆けつけられない。

 だから自己満足でもいいから、祖母が病院へ行くのも、できるだけ手伝いたかった。

 国外へ出た人の中で、地元で暮らす家族との付き合い方について、考えたことがある人は少なくないと思う。

 月末にふたたび出国し、このまま海外で暮らし続ければ、家族が災害や事故に遭ったとき、わたしは死に際に立ち会えないかもしれない。

 「それぞれの人生だから、見送れなくても仕方ない」と割り切っている人もいる。

 ポジティブに、そう線引きできるならいい。

 けれどネガティヴに遠ざけるのは避けたい。考えるのは放棄したくない。

 明確な意見も覚悟も、まだ持っていない。持てていない。

2024年8月21日 健康が一番コスパがいい

 帰国してすぐ受診した人間ドックで、要経過観察の項目が見つかった。今まで何も異常が出たことがない、婦人科系の器官で。

 人間ドックの結果は一ヶ月以上前に受け取っていたが、近所の婦人科の病院の予約が8月の、この下旬にならないと取れず、結果的に今日、病院へ行くことになった。

 先生曰く、人間ドックで指摘された症状は、よくある現象とのことで、悪性のものは見つからなかった。いやはや、一安心。

 帰国して会った友人たちとは、すべからく健康の話をした。

 大人たちは足が痛い腰が痛い、どこの病院は良くてどこはダメ、という話で盛り上がるのか全く理解できなかったのは、学生の頃。

 いろんなシーンで、あらゆる無自覚なポジショントークが繰り広げられていることを思い知らずにはいられない。

2024年8月22日 長野県へ

 約10年ほどのお付き合いになる(!)クリエイターのともみさんにお誘いいただき、長野県へ。

 nagare villaというお宿に泊まる。

部屋から見えた夕焼け
ウェルカムフルーツのシャインマスカット。宝石かと思った。
ともみさん、息子氏、ありがとうございましたlove

 南アルプス、登りたかったがタイムオーバー。

 長野には、しばらくご無沙汰だけれど会いたい人もいて、再訪を誓う。

2024年8月23日 ルーティンを粛々と

 短い旅を終え、帰宅。

 雨が降る前に、実家で暮らすゴールデンレトリバーの散歩へ。

 わたしはリードをにぎって、お決まりのコースを一緒に歩くだけ。しかも運動がそんなに好きじゃない子だから、歩いても長くて20分くらいなのだけれど。

 帰国後はなるべく散歩について行く。

 いままでできなかったことが悪いとは思わないが、できることはなるべく手伝いたい。

 わたしがいない間にも着々と時は進んでいて、新たなルーティンや規則ができていたりする。

 一方、わたしはわたしの生活習慣が構築されていることを、ちょっとしたお皿の置き方や掃除の仕方で実感する。

 それは、良い悪いと判断すべきことでもない。方針が違って憤るほどの致命的な違和感でもない。

 他者と暮らすさまざまなサンプルが、今後どんなふうに花開くのかな。

2024年8月24日 パッキング開始

 直前になって焦りたくないから、パッキングを始めた。

 去年一年の経験をもとに、文房具とスキンケア用品、そして心身のサポーター・日本食を最優先に、あれこれ買い揃えてみた。

 洋服も、アウトドア用と友人・知人が関わっているものに留めて圧縮袋へ。おしゃれ着は最低限。

 洋服は現地でも買える。けれど梅のふりかけは現地で買えない。

 と、いう基準でパッキングしていたら、スーツケースの半分は日本食で埋まってしまった。

 35キロまでしか預けられないのに。

 この一週間で取捨選択しないと。

 ラトビアでは、古着が安く手に入ったけれど、オランダではどうかな。

2024年8月25日 かみなりこわい

 台風接近中につき、変な天気だった。

 いま(22:30)、雷のゴロゴロ音が怖いゴールデンレトリバーをなだめながらnoteを書いている。

 ゴロゴロ音が怖くて、部屋の隅っこでカーペットや壁をガリガリ削ってしまうのだ。

 ふだんはおとなしくて人間大好きないぬだが、雷は我が家に来た時からずっと怖がっているのだという。

 恐怖のあまり、押し入れに隠れたり、脱走したりしたこともあると聞いた。

 わたしには、そこまで怖いものはないなあ。

 雷が遠のいたのか、ゴールデンレトリバーの動きが落ち着いてきた。このまま安眠できると良いね。

おまけ: 出発前にやり残したこと

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