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オランダ・ユトレヒトの家探し奮闘記 - 詐欺に遭った話 -

 ラトビア大学の大学院生ですが、2024年9月から約半年間、Erasmusプログラムという交換留学制度を活用し、オランダのユトレヒト大学に行くことになりました。

 わたしが日本にいたときは、Erasmuというプログラムの名前すら聞いたことがありませんでした。

 ヨーロッパでは歴史のある制度で、長年活用されているようです。

 初めて見かける学生が授業に突然現れたことがあり、彼・彼女たちは「Erasmusの学生だ」と言っていました。

 Erasmusのプログラムについては、後日細かいプロセスをご紹介できればと思いますが、今回はビザ取得と同じくらいストレスフルだったオランダでの家探しの経験を書き残したいと思います。

 恥ずかしいくらい「明らかに未然に防げるだろ!」というトラブルでしたが、状況がそろえば同じような被害に遭う方もいるかもしれないため、どなたかのお役に立てれば嬉しいです。詐欺、ダメ、絶対!!!!

 交換留学が決まってから、まず大学から届いた案内は、後にも先にも「早く家を見つけるべし」という注意喚起。

 「家が見つからなかったら入学を諦めてくれ」と、どのメールにも必ず書かれていました。

 オランダでは、大学の多さはもちろん移民受入も手伝って、慢性的な家不足と家賃の高騰が問題になっています。

 例えばアムステルダムは、市街地に住もうとすると月々20万円くらいの家ばかり。

 オランダで仕事をしていたとしても、わたしの感覚では、決して安くはありません。東京より高いです。勘弁してくれ。

 ユトレヒトも、中心地は15万前後が平均値。

 学生で、生活費を切り詰めたいわたしにとっては、多少市街地から離れてもいいから、固定費がかからない方が重要。

 「大学へは自転車通学すればいい!」と、すぐ市街地から離れたエリアで家を探し始めました。

 しかし、家が足りないことと大学からの頻繁な連絡により、焦ってしまったわたしは、結果的にスパムに遭い、10万円以上騙し取られました。とほほ。

 事の経緯としては、家を探すプラットフォームは有料のところが多く、無料で家を探すにはFacebookのグループがいいと知ったところが始まりです。

 日本でFacebookというと、ユーザーの高齢化が進んで若者はあまり使わない印象があるかもしれませんが、Facebookグループは、情報交換の場としてラトビアしかり、オランダでも活用されているようです。

 いくつかのグループに、希望のロケーションと家賃を投稿し、情報収集を開始。

 すると投稿してすぐ、数十人からDMが。

 詐欺アカウントが多いことは承知していたため、届いたDMから一つひとつ、プロフィールや過去の投稿文などを確認し、明らかにAIやスパムなアカウントは即ブロックしました。

 けれど、その中の一つに、まんまと引っかかってしまったのです。

 プロフィール写真は女性で、タイムラインの投稿も1年に何度かされており、さらに家族写真や、その写真へのコメントや「いいね」などの反応の数も確認し「この人はスパムではないかも」と思ってしまいました。

 後から友人に見てもらったところ「これはかなり巧妙に作られたスパムアカウントだ」と言われました。

 完全に、相手の作戦にハマってしまったのでした。

 会話を重ね「この人なら大丈夫かも」と思ったその女性が提示してきた家賃は550ユーロ。ユトレヒトの他の物件と比べたら破格です。しかも大学から自転車でも15分くらいで、好立地。

 いま思えば、絶対にあり得ない価格(倍の1,000ユーロでもおかしくない)なのですが、家探しを早く終わらせたい気持ちと、親しみのあるメッセージのやり取りに気を許してしまい、結果的に「事前にデポジットと初月分の家賃を振り込んでほしい」という依頼を間に受け、入金してしまったのでした。

 振り込む前に、家族のことをいろいろ質問したり、入金前に電話で話したいとお願いしたり、IDを送って欲しいと、身元を確認できそうなことは可能な範囲で行いました。

 けれどそれらにも、一応すべて対応されたため「信じてみよう」と思ってしまったのですね。

 スパムだと気づいたのは、デポジットを振り込んだ翌日「銀行から、入金できなかったと連絡きたから振込しなおしてくれ」とメッセージが来てから。

 さすがに同じ金額をもう一度振り込むことはできないし、明らかにおかしいと思い、このメッセージをきっかけに、友人に相談し、スパムだと気づきました。

 やり取りの最中「いま考えると絶対怪しい」というポイントだらけだったのですが、人間、いつどうやって盲目になるのか分からないのだなと、詐欺だと分かった瞬間、悔しさのやり場がなく家まで走って帰りました(公園にいたため)。

 入金できなかったという発言は嘘だろうし、払った1,200ユーロは、2024年8月現在、もちろん戻ってきていません。おい。

 海外で家探しをする際は、絶対に、絶対に、見知らぬ人にお金を事前に払ってはいけません。あと、入金前に事前に誰かと相談するべきだと思いました。「この人、詐欺だと思う?」と第三者の目から確認してもらうことで、かなり冷静さを取り戻せます。

 家探しは言わずもがな、管理者に直接会って、物件を事前に確認するのがベストです。

 けれど、わたしのように遠隔で家探しをする場合は、たとえイニシャルコストとして利用料がかかっても、信頼のおけるプラットフォームを通じた家探しを強く勧めます。

 ただし、プラットフォーム自体も詐欺サイトである可能性があるため、要注意です……!

 Facebookグループは玉石混合すぎて、最後の手段として認識しておいた方がいいと思いました。

 以下は、地元の方や、すでに留学していた方がオススメしていたサイトです。

 ちなみにユトレヒト大学が直営する学生寮などはなく、大学公認のプラットフォームがあります。

 ユトレヒト大学だけでなく、オランダ国内の他の大学に留学・入学する学生も利用することができます。

 事前にアカウントを登録し、決められた日時にアクセスしてようやく家探しが始められます。

 が、当日はもちろんアクセス過多でサーバーが落ち、やっとサイトを表示できた時には、すでにすべての部屋が予約済みになっていました。 

 もし予約できても選考があるため、必ずしもその物件に入れるとは限りません。

 このプラットフォームでは、ヨーロッパの学生を優先するという話も聞いたので、一つの窓口だけではなく、いくつかのサイトや方法で同時進行するのが定石のようです。

 わたしは、上記のプラットフォームを通じて家を見つけ、大家さんとやりとりし、9月から入居予定ですが、一度詐欺に遭ったので完全には信用していません。

 もし現地に到着しても、家がないかもしれないとすら、思っています。

 万が一、そうなっても、まあなんとかなるでしょう!

 「どんまい」と思った方は、ぜひこのnoteで投げ銭してください(笑)。

おまけ: 送られてきた偽装(と思われる)ID

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