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京都暮らし、桜を探し求める旅 Vol.1

京都が大好きでたまらなくて、京都暮らしをはじめた。そんな私にとって、春夏秋冬の移り変わりを京都にいながら感じられるのは、何よりも幸せなこと。とくに春には、お寺や神社、鴨川、至るところで春の浮き立つような桜の美しさを味わえる、とっておきのシーズンだ。

そんなこんなで、私は京都で過ごす初めての春を、今か今かと心待ちにしていた。京都市内の桜の開花情報と天気予報をチェックしては、桜を見に行くスケジュールを組む、そんな毎日が始まった。

明日から天気がよくなさそうなので、今日が満開のしだれ桜が見られる、最後のチャンスかもしれない。そう思い、午前中に仕事を終わらせ、昼からは徒歩圏内で行ける近所の桜を見て巡る、3時間ほどの旅に出た。

青い空と、ピンクの景色を探し求めて。そんな京都暮らしによる、桜巡りを綴ります◎

(開花情報は「そうだ京都、行こう。」のサイトからチェックしています)


水火天満宮

まず最初は、日本ではじめての天満宮といわれる「水火天満宮」へ。堀川通沿いにあるものの、こぢんまりとしていて、通り過ぎてしまうほどのたたずまいだった。いつも散歩中によくとおる道なのに、全然気づかなかった。

揺らめく影も美しい

足を踏み入れると、色の濃いしだれ桜が。境内を包み込むように咲いていて、桜の木々で揺らめく影がとてもきれいできれいで。

アーチのように咲くしだれ桜は、内側から見るとピンクの世界が広がって、太陽の光の具合で色合いが変わって、見ていて飽きない。うっとりとピンクの世界に迷い込んでしまう。

本山 本満寺

とにかく大きい!

本満寺には、大きな大きなしだれ桜があった。いつも散歩中に横切るのに、こんなにも大きな桜の木があるなんて、本当に気づかなかった。改めて、京都にはさりげなくお寺や神社が点在していて、そのどれもが魅力を持っているからすごい。

境内に足を踏み入れてその姿が目に飛び込んできたとき、ついついその大きさに圧倒された。もしかすると、こんなに大きな桜の木を見たことはなかったかもしれない、と思うほど。青い空に堂々と咲き誇るしだれ桜は、パワーをもらえるような、そんな力強さが感じられた。

桜のシャワー

繊細で美しいイメージの桜だけれど、こんなにも生命力があって力強い桜もあるんだなあ、と妙に感心をしていた。たまに風がそよいで、花びらがひらひらと舞う。

圧倒的な大きさの桜の木の内側に入ってみると、桜のシャワーの中にいるみたいだったな。

賀茂大橋近く

平和な景色そのもの

私のお気に入りの場所、鴨川デルタ。鴨川の分岐が見られる賀茂大橋の近くの河川敷に、立派な桜が咲いていた。これは早咲きの「いぼ桜」とよばれるそう。のびやかで自由な鴨川の雰囲気に溶け込むピンク。

木の下ではおじいさんおばあさんが話しながらおやつを食べていたり、仕事途中のようなサラリーマンが休憩がてら腰かけていたり。自然と集う、そんな雰囲気がなんとも平和で、鴨川らしいな。

京都御苑

桜を取り囲む

最後に、京都御苑まで足を伸ばして。広大な敷地には、とにかくいつ訪れてもきれいな花が咲いていて、2週間前までは梅がきれいだったのに、もうしだれ桜が満開で。季節の移り変わりをじっくりと見て取れるのは幸せなことだなあとしみじみ。

大きなしだれ桜のまわりには、次から次へと人が集まる。外国の方も多くて、知らない人たちと桜の美しさを共有しているようで、1人で見ていても1人じゃないような気がしてしまう。ついつい隣の人に「本当にきれいですねぇ」と声をかけたくなってしまうほどに。

お花見(?)

桜が見えるところにシートを敷いて、1時間ほど本を読むというプチお花見を楽しんだ。京都御苑は敷地が広くて、ピクニックを1人でしていても誰にも見られていない感じがとても居心地がよい。


たっぷりと桜を横目に読書を楽しんで、3時間ほどの桜を求める旅を終えた。桜ってきれいなことはもちろんだけど、その美しさを目を細めながら知らない人と共有する、という独特の嬉しさがあると思う。ついつい上を見上げてその美しさにうっとりしたり、天気予報や開花情報を何度もチェックしたり。そんな晴れやかで浮き立つような、この季節が、私は大好きだ。


来週からはもっともっと京都の街が華やかなピンクに包まれるんだろう。そう思うとワクワクが止まらない。気になる桜スポットは、全部行きたい。せっかく京都にいるんだからと、欲張りな私を許してあげよう。

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