「思い込み」は”魔法”と”呪文”
アスリートとビジネスを両立し始め、様々な方のお話をきいてきました。
働くことに意味を持ち
プレーすることに意味を持つ。
目的としていたこと、いざ取り組むと困難や挫折だらけで日々成長を実感できています。
新しい知識や考え方を学んで、一個一個の決断に意味を考えるようになってきました。
“スポーツにおけるビジョン”ではなく“人生におけるビジョン”について初めて考えています。
今後の人生を考える上で、まずは自分を知ろう。
自分自身がどんな思いでどんな経緯をたどってここまで生きてきたのか。
改めてこれまでを振り返り、自分自身を掘り下げる作業をしてみています。
■思い込みの力
少し前を振り返ると
「私はサッカーを職業にしてワールドカップにでる」
これを信じて取り組んできていました。まさに「思い込み」です。
その「思い込み」は“ネガティブな思考”すら”夢への力”に変えてきました。
思い込むことで意志を力に変えられた。思い込みは”魔法”でした。
人より練習しないとプロになれない。
人よりやらないと日本代表になれない。
私はサッカーを職業に出来る人
サッカーだけで生きていける。
中学・高校・大学とサッカー漬けの毎日。
家族よりもボールや仲間と共に過ごし、私自身の夢は叶えられるものだと”思い込んでいた”からきっとここまでこれたのだと思います。
しかし、実際に夢が叶いプレーしていると、現実はサッカーだけでは食べていける環境なんてありませんでした。
環境は無くても、上手くなればどうにか食べていけるのかと”サッカー”の練習により取り組みました。
それでも変わらない。
それはまさに「思い込み」が”魔法”から”呪文”に変わった瞬間でした。
■思い込みの力が魔法から呪文へ
アスリートは「思い込み」の力が他者より強い傾向にあります。
まだ走れる。もっと跳べる。まだ戦える。
試合に出場できる。この試合に勝てる。優勝できる。
競技において強く願い思い込むことで普段以上の力を発揮できることもあります。
ある一定までは魔法のようにプラスに働く「思い込みの力」。
それがある一定を過ぎるとマイナス面に働いてしまう恐れもあります。
それだけに囚われてしまう。他が見えなくなる。
「わたしはサッカーでしか生きていけない。」
まさに“呪文“です。
自分でその思い込みを「思い込み」なのだと認識できず、思い込みから離れた思考に目を向けられなくなります。私もその一人でした。
今アスリートとして生活している選手の中にもこの”呪文”の様な「思い込み」を持ち続けている選手はたくさんいるのではないでしょうか。
元アスリートだし、引退しても周囲からちやほやされる。
スポーツをやっておけば引退してもなんとかなる。
スポーツさえやっておけば大丈夫。
危機感のない思い込みは安心を与え自分の気持ちを楽にする。それがまさに”呪文”です。
しかもそれに自分では気付くことはできません。
他人は「思い込み」ではなく「この人”勘違い”している。」という感覚を受けるのです。
私は引退してから自分を客観的に見ること、自分で自分を評価することの大切さに初めて気付きました。
様々な人の話を聞くこと。
様々なコミュニティの人と話すこと。
様々な分野の学びを増やすこと。
たくさんの価値観とたくさんの選択肢を持つことで
いつまでもその思い込みは”魔法”になる。
アスリートの価値向上にはこういった思考も大切なのかもしれません。
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