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中弥智博 インタビュー

インタビュー企画第二弾は中弥智博さんにお話を伺いました。
振付作品「楽しくさせられて」の裏にはどんな狙いや思いがあるのでしょうか?

中弥さんの人柄の見えるお話が沢山聞けました♪

Q1.『ミル』と言う言葉からの最初のインスピレーションは何でしたか?

今まで「みると言う事自体を考える」事がなかったので、「みると言う事をみる」と言うことから始めようと思って。

今回は漠然としたお題の中からどこを見るのか?が課題になってるんだけど、(安村)圭太から「この人はどこをどうゆう風に見るんだろう?」って所を注意深く探られてるような挑戦状のように感じたんだよね。

で僕は「ダンスとかバレエの面白い所ってどこだ?」ってとこを切り取ってみて、結果的に踊るって部分よりも、「何かを表現する」って所からイメージを湧かせていこうと思って。

で、やっぱりどうしてもバレエって言葉を使わなかったり、美しかったり、そういうイメージがあるので、そういう古典的な所ではないエリアで舞台を創る、
そしてそれをあえてバレエダンサーが創り、バレエダンサーが踊るって言う事に、今回のバレエ公演『ミル』の新しい側面って言う所があるのかなと、、、

「見ているお客さんの概念を覆していきましょう」って言うような所から、今回の作品が出来上がっていきましたね。

Q2.曲、ダンサー、振付、テーマ、イメージ、どこから決まっていきましたか?

今回は完全にイメージからですね。
今言ったみたいな事が最初にあって、

次に音楽が「トルコ行進曲」ヴォロドス版に決まりましたね。
古典的な音楽でクラシックのピアノの曲なんだけど、アレンジやテンポ感で新しさだったり、聞いてる人を楽しくさせる感じのバージョンになってたりってところがこの作品にマッチすると思って。

でそれからダンサーのキャラクターが決まりましたね!

Q3.今回の出演ダンサーを選んだ理由や経緯を教えて下さい。

まずは大前提として僕がコミュニケーションを取れて、一緒にクリエイトしてくれる人で、自分の個性を出す事に対してアグレッシブである人。
それはどんなダンサーであれ、何をする時にも必要な事ではあるんだけど、、、

あとは、今回は普段やらないような事をやっているので、そこを恥ずかしがらずに出してくれる人達、そしてそこを出していってくれると面白くなりそうな人達です。
もうこれは僕の感性なんですけど、一緒に話していたり、仕事をしていたりしていて、どんな刺激であれ、僕が楽しくさせられる人であるって所ですかね!

安村「なるほど、実際楽しいメンバーですもんね!笑」

そう、楽しいメンバー!本当に!笑

Q4.クリエイターノート的なものはありますか?

こんな感じですかね。

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安村 「頭の中そのまま落とし込む感じなんですね♪」

そうだね。
浮かんだアイディアをどんどん言っていって書きとめておくみたいな。

Q5.今回の公演で「1番苦労した」のはどんな所でしたか?

まあやっぱりつなぎですよね、全体の。

僕の今回の作品は木で例えるならば花の部分だと思ってるんだよね。
別の枝には別の作品っていう花が咲いていて、その枝だったり幹の部分をつくっているのが圭太でって言う公演なのかなって。

普通のトリプルビルなんかの場合作品が終わるといったんフラットに戻った状態で次の作品を見る事になるので、ここまで全体をつないでひとつの大きな作品として見てもらうって事はなかなかない事なのかなと、、、

ひとつの木にどういう花を咲かせていくのか?って言うのを圭太と一緒に話し合いながら、周りの作品も見ながら創るってところが難しいところでもあり、新しい経験でもあり、すごく楽しみな部分でもある。
そしてそこを見てほしい!

安村「そう思ってくれて嬉しいです♪
そして、僕自身も苦労する所でもあり、楽しい所でもありますね!」

まあ苦労って楽しいじゃないですか♪
苦労するポイントって自分が苦手だったり、自分が難しいと自分で勝手に考えているポイントだったりすると思うんで、苦労って人それぞれ形が違うと思う。

でそこをどう楽しくさせられるか?って所が楽しいポイントでもあるかな!

Q6.今回の作品での新規性やチャレンジがあれば教えて下さい。

僕は今までも舞台上で声を出すとか、音を出すとか「普段バレエではNGとされているような事柄を舞台に持ってくる」って言う事を段階的にやってきているんだけど、今まで踏み込んでなかったスゴく新しいところ「ここの扉は開けちゃダメだよね」って所を今開けちゃってる!笑

まあこれはこの『ミル』で圭太が「そこを開けても良いよ」って言ってくれているからこそ出来ている部分だとは思ってる。


あとは作品を創る上でのダンサー達とのコミュニケーションの取り方もいつもと違うかな?
例えばダメだしの内容とか!

安村「本当にコントみたいですもんね!笑」

ダメ出しの一番最初が笑いが取れてるかどうかとか、間の取り方とかなんで!笑笑
そういうところですね!

安村「舞台来てもらわないと伝わらない!笑」

いや本当にこれは是非見て頂きたい!笑笑

Q7.自分の作品を踊りでないもので例えるとどんなものですか?

難しい質問だね!
え〜なんだろ、、、、、、?
サグラダファミリアかな?

安村「あ〜〜〜なるほど!!今パッとそれ出てくるのすごいですね!」

なんかパッと出てきた!笑
ずっと未完成ではあるんだけど、その未完成な部分が面白かったり、人を惹き付けるみたいな?

作品が完成すると言う事はゴールを迎えると言う事で、ゴールを迎えると言うことはその時点でもう終わってしまう事だと僕は思ってるんですね。
でもそれが未完成過ぎると、見てる人にも面白さなり、素晴らしさっていうのは伝わらないと思うから、サグラダファミリアが建造物として成り立っている状態まではもっていく。
100年前にも建造物としてあるけれど今とは全然違う形であって、これが100年経つとまた別の形になっていて、でもまだ未完成で、
完成しきらない事の美であるのかな?と

そしてあれってサグラダファミリアの周りの街もガウディの作品で、造ってる職人さん達もその街に住みながらサグラダファミリアを創って、みたいなのがこの作品っぽいなって。

僕がガウディだとしたら、ダンサー達がサグラダファミリアを創るんだけど、その周りの街がお客様であったり、さっきの木の例えで言うと他の作品だったり、木の枝とか幹とか『ミル』って公演があって、
いろんな人がいろんなエッセンスをもってあれを完成させるっていうのが面白い所かなと思ってます。

安村「え、すごい、本当よくでてきましたね!」

なんかそう言う発想広げる、みたいなの好きかも!笑

Q8.ずばり作品の見所をどうぞ!

もうこれはお客さんに楽しくなってもらうって所ですよね!笑笑

あとは今回出演するダンサーがどれだけ自分の個性を爆発させられるかっていう所が一番の見所になるかな?
もちろんみんなクラシックバレエダンサーとしては素晴らしいダンサーを集めてるので、その中でバレエダンサーがどんな一面を持っているのか?
大きくひいて見ると表現者としてどんな表現をするのか?っていう。
そこを見てもらえるのが一番嬉しいなと思います。

安村「あまりバレエと言う固定概念にとらわれずに楽しんでほしいですね」

そうですね、もうラフに笑って下さい!笑笑
もう感じたまま楽しんで下さい!
本当に楽しむってそう言う事だと思ってるんで!



少しでもワクワクしたり、なるほどな♪ と言う思いを抱いて頂けたら、その思いを僕達にコメントやサポートと言う形でも届けて頂けたら嬉しいです。