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blankインタビュー

バレエ公演『ミル』特別企画として振付者の皆様にインタビューを行なっていきます。

記念すべき第一回目は市橋万樹さん石井潤太郎さんのお2人による振付家ユニットblankにお話を伺いました。

今回の作品の見どころや普段聞けない作品制作の裏側が満載です♪

Q1.『ミル』と言う言葉からの最初のインスピレーションは何でしたか?

石井:ミルからのインスピレーションってよりは、今まで抽象的な作品を創 った事がなかったから、抽象的な作品に挑戦しようと思って、それをミルって言うテーマで創ろうってなったかな。

市橋:そこで何か乱雑なミルを創っていこうってなった中で「紙にかかれた落書き」のアイディアが生まれてきたね。

石井:その「落書き」ってアイディアを元に、ミルって言う行為をどんどん振付にいれていくって感じでした。

Q2.曲、ダンサー、振付、テーマ、イメージ、どこから決まっていきましたか?

市橋:今回はダンサーがとにかく最初に決まって、テーマ、曲、イメージ、振付。
でも(石井)潤太郎君ってけっこうダンサーからきめない?

石井:そうかも!テーマのイメージとダンサーのイメージ決めるのはほぼ一緒かも。
そこから内容に入っていって、音とか振付とかになるかも。

Q3.今回の出演ダンサーを選んだ理由や経緯を教えて下さい。

市橋:女1男3ってバレエであんまりないなって思って、まず女性は誰にしようかな?って悩んでたんだけど。
キャラがあって、実力があるって事でゆきが良いって決まったかな。
男性はなおき、ゆきひろは僕達の作品にも以前に出てもらってるし、実力的にも経験的にもすぐに決まって、じゃあ残り1人誰にしようってなったんだよね。
そこはいろいろな名前が出たね。作品が難しいのもあって、僕が出してた名前はビッグネームで実力が分かってる子が多かったんだけど、潤太郎君がりきるの名前出して、そしたら2人とも「若いけど、ありかもね!」って決まったかな。

Q4.クリエイターノートはありますか?

市橋:ひとりでやってたらメモが意味があるのかもしれないけど、2人でやるとその時の心情がお互いに変わってるから、メモが意味がない事の方が多いかも。

安村:じゃあその場で話したり、動きながらつくる?

石井:今回は2人の空いてる時間がけっこうあったから、そう言う時に風呂行きながら意見出し合って、それだけ忘れないようにメモしとくみたいな感じだったかな

安村:風呂で!?笑

石井&市橋:結構風呂でやるかな!長風呂しながら!笑

市橋:意外と感性が研ぎすまされるからね!

安村:じゃあ作品はそこで生まれてるってことですね?

石井&市橋:今回はね!笑

石井:でも普段からカフェだったり、スタジオ以外で話し合う時間を結構多く作ってますね!

Q5. 今回の公演で「1番苦労した」のはどんな所でしたか?

石井:結局、振付が毎回大変だよね!

市橋:作品の量が30ぐらいだとしたら100ぐらい作っておいて、そこから捨ててく作業。
毎回振付はこだわって作るかな、こだわってないように見えて!笑

石井:2人だからね、一応どっちも納得しないとGO出せない。

市橋:だから普通の振付家の倍ぐらいかかってるかも、下手したら倍以上かな。

追加で質問。
2人の意見がバッティングする時はあるんですか?そう言う時はどうするんですか?

石井:え〜っと、空気をよむ?笑
っていうより違った時はなんかわかる。
意見出した瞬間に、はまってないと「あ〜違うね、やめる?」みたいに2人ともなるかな。

市橋:blank組んだ時の方がそこは難しかったけど、今はお互いの好みとか分かってきたかな。
やっぱり僕がメインで動きを創ってるけど、潤太郎君のリアクション見て「あ〜違うか」ってなるんだけど、それって一人で作ってる時はやらないでいい作業だからね。

安村:じゃあ最終的に2人が納得できるものを探すって言う事ですね?

市橋:まあ基本的にはそうかな、だから時間はかかるよ!
たぶん他の振付家ってダンサー見ながら振付作ったり、作りなおしたりって時間あると思うけど、僕達それだと絶対間に合わないんで、2人だけでクリエイションしてる時間が長いかも。
なんならダンサーとリハしてる時間より長いと思う。

Q6.今回の作品での新規性やチャレンジがあれば教えて下さい。

市橋:全部チャレンジだけどね!

石井:抽象的ってところかな?

市橋:そうだね!そもそも抽象的って2人でやるもんじゃない!笑
あとは曲もチャレンジだし、小道具って面でも今回イスを使ったり、映像の兼ね合いとかを考えるのもだし!

石井:でもチャレンジなんだけど辛くはない。
映像を撮る事はあったけど、映像と作品をリンクさせるは初めてだし、あと女性使うのも、ストーリー性ないやつも初めてかな。

安村:ほぼほぼ全部チャレンジですね!

石井:あとは媚びにいってません!

市橋:僕らもどう評価されるか分からない!普段は賛否の割合を7:3ぐらいでつくるけど、今回は5:5か下手したら3:7かな!
批判7あって良い。キャッチーには創ってない!

石井:でも俺はこれがウけたい、と言うかこれがウケるような業界であってほしいなって思うよ。

Q7.自分の作品を踊りでないもので例えるとどんなものですか?

市橋:今回はそのまま落書きだね!でもそれなりにちゃんとした計算された落書きかも。

石井:毎回何かに置き換えて作ってるから、全作品バレエ以外の何かに例えられるかも。

Q8.ずばり作品の見所をどうぞ!

石井:ここ!ってよりは全体のぐちゃっとした感じ、カオスと言うかふざけてると言うか、さりげなくいれてる風刺とかに気付いてくれたら嬉しいなって!

市橋:僕もそうかな。
でもあえて個人の名前を出すなら、りきるかな!

安村:最後に決まったダンサーですね?

市橋:りきるが思ってた以上に面白い。
まだ経験と言う意味では生まれたてな感じだけど、そんな若い子が抽象的な作品に挑戦する。しかも他の3人が名前のあるダンサーで場数も踏んできてるから、他の3人とのギャップがどうなるのかが僕としても楽しみかな。
実力的にも彼をいれて良かったと今は思ってるし。

石井:コレオグラファーっぽ〜い!笑

安村:ちょっと『情熱大陸』聞こえたもん!笑

石井&市橋:エンディングの方ね!笑

市橋:だからりきるを注目してほしいかな。
初めての子がこの作品に挑戦するって言う面白さに注目してほしいし、ここから彼がどう変わっていくのかも分からないし!

安村:ではお客様にも本番に向けどうなっていくのかも含めて楽しみにしてほしいですね♪

石井&市橋:そうですね!楽しみにしていて下さい!!



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