物語
日は沈み、
仕事の帰り道、
疲れた体をひきずるように通りを歩いていると、
美しく繊細なメロディーがどこからか聞こえてくる。
引き寄せられるようにお店にはいると、
そこには、ひとりのピアニストが、、、。
ある人と美味しい食事を共にして、
ひょんな流れから内面的なことをお互い打ち明け、
しんみりし、
もう時間だからと、帰路につく道すがら、
夜空にきれいな三日月が光ってて、
ほのぼのと会話して帰る。
そこから、物語が始まるか、始まらないか。
何かが始まるときと、始まらないとき。
その違いって、なんだろう。
本当は、
物語が動くとき、
実際には、なんの音楽も鳴っていない。
せいぜい、車の走る音、電車の音。
もしくはお店の中なら、
カチャカチャと食器の音や隣客の話し声。
家の中なら、テレビの音、なにかのモーター音。
都会ならそんな感じかな。
でも、運命を感じるとき、
聴こえないはずの音楽が、
きこえてくる。
雨に濡れて光る車道さえも、
美しく感じたりする。
たしかに、なにかが動いた感覚。
なにかが、始まった感覚がする。
それは外からの刺激で起こるのか、
内からわき起こるのか、
はてまた、内外の干渉によって起こるのか。
この不思議な作用。
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