行くぜ、宮崎④
【これまでのあらすじ】
9/5(木)夜行バスで東京≫大阪
9/6(金)青春18きっぷで大阪≫熊本
9/7(土)青春18きっぷで熊本(今ここ)≫宮崎
↓前回(熊本ぷち観光)
熊本、短い時間ながらもそれなりに満足できた!
しかしお楽しみはまだまだこれから。
なんたって、1日で熊本から鹿児島を経由して宮崎まで行かなくてはならない!
と言うわけでこの日乗ったのがこちら!
昨日電車で仲良くなったおっちゃん曰く、この列車には海が死ぬほどよく見えるスポットが沢山あるらしい!
↓昨日電車で仲良くなったおっちゃんの話
事前に教えてもらったスポットをマップに落とし込み、ウキウキで電車を待つ。
すると、、
待合室に、村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んでいる兄ちゃんがいる。
あれ...?昨日山陽本線で3時間くらい同じボックスシートにいなかったっけこの人...!
↓ボックスシートにいた村上春樹を読む兄ちゃんの話
恐る恐る声をかけると、『ですよね、俺も思いました!』と好反応!
しかも、私と同じ鹿児島中央駅に向かうとのことなので、なんと一緒に行くこと。
めちゃめちゃ話が盛り上がりつつ、やってきた電車のボックスシートに乗っていく。
彼から話を聞くに、車両は違えど京都から乗っていた新快速まで同じであることが判明した。やばすぎ。
新快速・山陽本線が被るのは乗り合わせ的にまだわかるにしても、よりによって翌日に熊本県八代市で再会して、目的地(鹿児島)まで一緒というのは相当な奇跡である。
1日で関西から熊本に行こうとすると、朝の6:00から夜の23:00まで、食や休憩を犠牲にずーっと数少ない列車を乗り換えていかないといけず、1本でも乗り損ねたら即詰む。
そんな理論上可能なだけの過酷な長距離移動を実際にやるやつなんかそうそうおらん。私はやるけど。
あまりの偶然にすっかり意気投合し、お互いの身の上話なんかでめちゃくちゃ盛り上がった。京都で大学4回生してるんだって。あぁなんて羨ましい。
私も京都に下宿して、鴨川でバーベキューしたり花火したり古本市行ったり映画見たりトンチキなサークルに入ったり退廃的な日々を過ごしたりしたかった...
敬愛する我が姉がまさにそれだった上に、森見登美彦に影響を受けすぎているので、憧れは人一倍強い。
東京への引っ越しがなければその世界線あり得たのにな...
京都の大学生という生き物が大好きな私は、彼に色々質問しまくり、気がついたらかなり仲良くなった。
こんな突然現れたやつのせいで、兄ちゃんが貴重な1人の時間を失っていないか心配だったが、
彼も1人旅でちょっと孤独を感じていたためめちゃくちゃ嬉しいとのこと。なんなら結構話しかけてくれるし。良い子すぎる、ありがとう。。
そうこうしていたら、昨日のおっちゃんから聞いた絶景パートがやってきた!
親切に自動放送で解説がつく。『皆さま、右手をご覧ください』の言葉につられ、右を見て感嘆の声が出てしまった。
1両編成が埋まらないくらいの限られた客数だが、みんながみんなキラキラ目を輝かせながら海を眺め、写真を撮っている。私も兄ちゃんもまた、その1人である。
車窓で色んな海を見てきたけど、これを超える経験は正直ないかも。遠景が霞む東日本の海や、工場風景や独特の地形が楽しい瀬戸内海の海ともまた違う。
建物や植物など全体的に色彩がパキッとしていて、視線を遮るものが何もなく、ひたすらに海だ。他のエリアとは全く違った魅力がある。
それにしても本当に気持ちの良い快晴。私ってばなんてツイてるんだ。
肥薩おれんじ鉄道、3時間近くあって結構長いはずなんだけど、もうホント全く退屈しなかった。
海が見えない区間については、兄ちゃんとの会話がずっとはずんでいた。
就活、趣味、研究内容、これまでの旅行、学生生活や社会人生活のあれこれなど。
彼曰く、まだまだ夏休みが続きヒマだから、18きっぷでウルトラ無計画旅(その日の宿すら未定)をしているとのこと。
動機がほぼ私と一緒だし、そんな動機で熊本泊まって鹿児島たどり着いてるのも改めてえぐい奇跡である。
それに、鹿児島に着いてから何をするかも決めてないらしい。うわ、私もそうだよ。わかる。
せっかくだから鹿児島まで一緒に行き、飯くらい一緒に食べるか、という話になった。
元々、私は鹿児島中央駅で次の電車まで1時間ヒマになる見込みだったし丁度良い。12:00〜13:00頃と時間もバッチリ。
しかし考えてみれば、16:00に宮崎に着く現状の旅程を変えて鹿児島滞在の時間を伸ばそうが、電車は1時間に1本あるのでなんら問題ないことに気づいた。
宮崎での夕飯タイムを考慮しても、16:30までは鹿児島にいられる!
そうと決まれば鹿児島中央駅までの30分の間に、店と観光地を一生懸命調べる。全く調べてこなかったのに、ここに来て必死に調べだす無計画ぶりが実にそっくりである。
いきあたりばったり旅の醍醐味ってこのライブ感なんよな。
この喜びを共有できる友人ってほぼ皆無だったのでとても嬉しかった。16タイプ診断でも、彼はISFP、私はENFP。超納得である※。
※FPの人間は感情的(理屈じゃない)かつ無計画人間の証。まさに我々。
そんなこんなで、ついに鹿児島中央駅到着!
とりあえず若者はラーメンが好きなので、鹿児島ラーメンを食べるのは確定。 早速、一番近くて美味しそうなラーメン屋へ!
ラーメン激戦区・京都で舌を肥やした大学生の彼も唸る旨さだった。
2人で旅程を練りつつ美味しくいただいた。
余談だが、ラーメン食べながら盛り上がったのが、駅そば&うどんの話。
そういや関東では駅そばの方が主流(うどんはついで)で、そもそもみんなそばを割と喜んで食べるんですよ、と伝えると驚いていた。
私も関西から上京した時驚いたものだ。正直そばの喜びって、ラーメンやうどんを超えてこんくないですか?という兄ちゃんの発言には深く同意したし、仲間がいて嬉しかった。
確かに関東のそばは関西のよりは美味しいけど、絶対うどんの方が美味しいし駅うどんって結構あるよね。
関西の駅にうどん屋が結構あるよ、と言ってもあんまり関東では信じてもらえなかったけど、やはり私は間違っていなかった。
私の魂に刻まれた関西人的感覚、関東で受け入れられずときに孤独を感じるので、やっぱり同朋と話し理解が得られたときは嬉しいものだ。おにぎりは味付け海苔に限る、とかもそう。
まあそんなこんなで、お次は観光!
以上4ヶ所、もっと見る場所があるか思っていたが、意外とアッサリしており、割と時間に余力ができた。まだ13:30だ!
だからといって維新ふるさと館とか水族館とかの施設に入るのはちょいもったいないのでやめた。
せっかくですし桜島見ません?と提案を受けた。いやそれな。
どちらかというと、鹿児島がもつ圧倒的特異性である桜島をメインに据えて動きたい。活火山を麓で見るなんて他じゃそうそうできない。
本当は、桜島のよく見えそうな城山展望台が気になるけど、坂道が過酷な上に時間を食うので却下。
シンプルに桜島をもっと近くで見たくない?という話になり、鹿児島駅方面をめざすことにした。
鹿児島駅にいれば、宮崎行きの列車もあるので移動にも支障がない。
鹿児島中央から鹿児島へは、JRで行けば4分で着くが本数が少なく、乗車タイミングに予定が左右される。10〜15分のロスが惜しい。
他方、市電(チンチン電車)は鹿児島まで20分かかる代わりに本数も多いので、気楽に途中下車してフラフラできる!
しかも街中の景色を楽しみつつ桜島付近まで行ける。
というわけでチンチン電車で鹿児島へ!
この辺の予定組みの慣れ具合には兄ちゃんから随分感謝された。自覚無かったけど、私も18きっぱー長らくやってるうちに熟練してきたらしい。
チンチン電車を楽しみつつ、鹿児島駅から桜島へのフェリーについて一応調べてみた。まあ今回は無理かな、、
と思ったら!
なんと片道20分230円のフェリーで桜島に行けることが発覚!しかも30分に1本も出ていやがる。
あっさり到着。大変快適な船旅なのに、230円はやっぱりすごすぎる。桁一個違うかと思った。
だいたい桜島にここまでガッツリ集落があるなんて知らなかった。桜島のふもとに普通の運動場とかあってびっくりした。
戦時中バチコリ重要な基地があったことくらいしか知らなかったよ...
しかし、着いたはいいけどどうしようね?と兄ちゃんと悩む。
実は、ふもとにいると逆に木々に隠れて桜島が見えないという悲しきジレンマに陥っていた。まさに灯台下暗し。
すると!なんと桜島の観光拠点をまわってくれる『サクラジマアイランドバス』を発見!
兄ちゃんの調べによると、1周60分、しかもたったの500円ときた。
いやほんと、フェリーもそうだけど桁1個間違ってるんじゃないの??感謝しかない。
基本的には時間のこともあるので、バスは降りずに大人しく車窓から景色を楽しんでいた。しかし、、
1つ目の展望所は気づかずスルーしちゃったが、2つ目の展望所は我慢できず2人で途中下車。
次のバスまで30分あるので、
30分しっかり景色を目に焼き付けることに!
ほんと、30分あっという間だった。こんなに景色綺麗なことってあるんだ。。
しかし、4.5hという限られた時間の中でここまでエンジョイできるとは。
なーんにも決めてないところから、2人でめちゃくちゃリアルタイムで旅程を組んでいくのがとても楽しかった。
普段は友人に無茶させられないので1人でこういうことしてるけど、似た者同士の2人で協力すれば、無計画旅もここまで質が上がるのかと感動した。こういうことできる友人が欲しかったのよ。。
彼はこれから指宿に行くことにしたらしく、その場で宿を取っていた。いいねぇ。その調子でぜひとも学生生活を謳歌してほしいものだ。
朝からずっと仲良くしてくれたことや、旅が大充実したことについてお互いに御礼を言いつつ、兄ちゃんに別れを告げた。
ホント、忘れられない旅になったな。
1人になっても、まだまだ旅は続く。
この日のラストスパート、いよいよ宮崎へ向かうことに!
↓続き
↓今回の旅まとめ
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