Horisawa Kazuki

株式会社ミラサス代表。 SDGs・サステナビリティ特化メディア『MIRASUS(htt…

Horisawa Kazuki

株式会社ミラサス代表。 SDGs・サステナビリティ特化メディア『MIRASUS(http://mirasus.jp)』編集長。 さまざまなトピックを発信していきます!

最近の記事

米国モンタナ州の気候変動における裁判で若者が勝訴

2023年6月からモンタナ州ヘレナで行われた米国初の憲法に基づく気候変動裁判で、5歳から22歳の16人の若者が勝訴しました。 彼らは、モンタナ州政府が化石燃料採掘を優先し、地球温暖化を悪化させていると主張。この採掘活動が州憲法で保障された「清潔で健康的な環境」の権利を侵害していると訴えたのです。 この歴史的な裁判は、憲法に基づいて気候変動を争点とした初のものとして、米国内外で大きな注目を集めました。 原告たちの主張と背景彼らの主張はシンプルでありますが、その根底には深い思い

    • ドイツスーパーマーケットが環境・健康コストを試験的に価格に反映

      ドイツの大手ディスカウントスーパーマーケット「Penny」は、食品がもたらす気候変動への影響を考慮した価格設定に関する実験を行いました。 このプロジェクトの背景には、食品産業の持続可能性と消費者の健康への配慮が求められている現代の課題が影響しています。 気候変動、過度な農薬使用、畜産によるメタンガス排出など、食品生産の各段階での環境への影響は莫大であり、そのコストが食品価格に十分に反映されていないという批判も多く存在します。 今回の「Penny」の実験は、この問題に真正面

      • 移民によるアメリカの繁栄と衰退の二面性に迫る

        アメリカは、多様性を誇りとする国として知られています。その多様性の中心には、移民が大きな役割を果たしてきました。特に近年、インド系や中国系の優秀な移民がテクノロジー企業、例えばグーグル、アマゾン、フェイスブック(現在はメタ)、アップル、マイクロソフトなどで活躍しています。 これらの企業は、世界中から富を巻き上げ、アメリカ経済の発展に大きく貢献しています。この点から見ると、アメリカの移民政策は成功していると言えるでしょう。 しかし、この繁栄の背後には、別の顔があります。製造

        • 脱プラスチックの波、紙パックが新たな選択肢として浮上

          近年、環境問題が深刻化する中、企業のSDGs(持続可能な開発目標)達成への取り組みが急速に進行しています。その中でも、特に注目されているのが「脱プラスチック」の動き。 この記事では、その中心となる「紙パック」の現状と、その普及を推進する日本テトラパック株式会社(以下、日本テトラパック)の取り組みについて詳しく解説します。 プラスチック問題の背景プラスチックは、軽量で耐久性があり、多くの製品に使用されてきました。しかし、その製造・廃棄過程での環境への影響が大きいことが問題視

        米国モンタナ州の気候変動における裁判で若者が勝訴

          アメリカの白熱電球禁止政策、背景とその影響

          2023年8月1日、アメリカでは白熱電球の生産と販売が正式に禁止されました。この決定は、エネルギー効率の向上と環境保護を目的としており、長い議論の末の結果となりました。 政策の背景アメリカのエネルギー政策の変遷を見ると、白熱電球の使用削減は、ジョージ・W・ブッシュ元大統領の時代から始まっていました。2007年に制定された新法では、家庭用電球の効率を約25%向上させることが目標とされましたが、白熱電球の完全な禁止には至りませんでした。 バラク・オバマ元大統領の下では、白熱電

          アメリカの白熱電球禁止政策、背景とその影響

          中国の高速鉄道、わずか14年の間に日本の14倍の路線網を完成

          鉄道は、国の経済発展や都市の成長に大きく寄与する交通手段として、長い歴史を持っています。特に、高速鉄道は、近代的な交通インフラとして、多くの国々で注目されています。日本と中国は、高速鉄道の発展において、それぞれ異なる歴史と実績を持っていますが、その背後には、国の経済戦略や技術革新の取り組みが見え隠れしています。 1964年、日本は東京オリンピックの開催に合わせて、新幹線を開業しました。これは、当時の日本の技術力と経済力を象徴するものであり、世界中から注目を浴びました。新幹線

          中国の高速鉄道、わずか14年の間に日本の14倍の路線網を完成

          日本のストライキの歴史と「そごう・西武」の労働組合の決断

          本日、2023年8月28日、大手百貨店「そごう・西武」の労働組合が記者会見を行い、31日のストライキ開始を予告通知したと発表しました。このストライキが実施されれば、1962年以降、61年ぶりの大規模なストライキとなります。しかし、なぜこのような事態が起こったのか、そして日本のストライキの歴史はどのようなものなのかを探ります。 日本のストライキの歴史日本における労働運動の歴史は、明治時代から始まります。工場法の制定や労働組合法の施行により、労働者の権利が徐々に認められるように

          日本のストライキの歴史と「そごう・西武」の労働組合の決断

          実は日本の総人口は予測よりも増加している、その背景にあるものとは?

          日本の人口動態は、近年、多くの議論の的となっています。国立社会保障・人口問題研究所の2017年の予測では、2020年の日本の総人口は1億2533万人になるとされていました。 しかし、実際の2020年の国勢調査の結果、総人口は1億2622万人と、予測よりも90万人も多くなっています。この予測との大きな乖離の原因は何だったのでしょうか。答えは、外国人の増加にあります。 2020年までの5年間で、外国人人口は84万人増加し、2020年の国勢調査では約275万人に達しています。こ

          実は日本の総人口は予測よりも増加している、その背景にあるものとは?

          海藻がプラスチック代替素材に?海藻から生まれる新素材の可能性

          世界的にプラスチック汚染への対策が求められる中、欧州のイノベーター企業ノットプラ(Notpla)とビーゼオス(B’ZEOS)が海藻を原料としたプラスチック代替素材の開発に取り組んでおり、注目されています。 現在、世界で生産されるプラスチックは年間3億8000万トン以上で、そのうち42%が包装に使用されています。プラスチック全体のリサイクル率はわずか9%で、環境への影響が深刻化しているのです。 海藻を原料としたプラスチック代替素材プラスチックの便利さは誰もが認めるところです

          海藻がプラスチック代替素材に?海藻から生まれる新素材の可能性

          登録者110万人突破!ユニリーバ社のリサイクルプログラムを紹介

          ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングは、SDGsプラットフォーム「UMILEプログラム」を通じて、使用済みプラスチック製品のリサイクルに取り組んでいます。このプログラムは、消費者がユニリーバの詰め替え製品を購入し、レシートや製品の写真を公式LINEに送信すると、リサイクルポイント「UMILE」を獲得できます。また、使用済みのユニリーバ製品のプラスチック容器を指定の回収ボックスに投函することでも同様にポイントがもらえます。 UMILEプログラムの仕組みUMILEプロ

          登録者110万人突破!ユニリーバ社のリサイクルプログラムを紹介

          文字からの癒し!読書セラピーで見つける心の健康

          本の力本は単なる文字の集合ではありません。それは人々に勇気を与え、悩みを解決し、心を癒す力を持っています。読書は、ストレスの軽減、健康寿命の延伸、共感力の育成など、多岐にわたる効果があることが研究で明らかになっています。 読書セラピーとは? 読書セラピーは、本を通じて心身の健康を促進する方法です。英語で「ビブリオセラピー」とも呼ばれ、医学の分野から始まり、カウンセリングの領域にも広がっています。日本では「読書療法」とも言われます。以下、詳しく解説します。 1. 読書セラピ

          文字からの癒し!読書セラピーで見つける心の健康

          サハラ砂漠で藻を育てる?革新的な気候変動対策の展望とは?

          ロンドンのベンチャー企業、ブリリアントプラネット社が、気候変動対策として画期的なプロジェクトを進めています。そのプロジェクトとは、モロッコのサハラ砂漠で藻の養殖を行い、二酸化炭素(CO2)の吸収と隔離を目指すものです。この取り組みは、気候変動の進行を食い止めるための新しい道を切り開く可能性を秘めています。 藻によるCO2吸収の仕組み 水から取り出した藻は、ポンプを使って10階建てのビルほどの高さのタワーに送り込まれ、その後、砂漠の空気中に散らばります。藻が地表に落ちる約3

          サハラ砂漠で藻を育てる?革新的な気候変動対策の展望とは?

          ニューヨークの新たな挑戦、混雑税プログラムで渋滞と環境問題に立ち向かう

          ニューヨーク市は、2024年春に画期的な「混雑税プログラム」を導入する予定で、これにより世界ワーストレベルの渋滞が改善される可能性があります。 このプログラムは、マンハッタンのミッドタウンに入るドライバーに通行料を課し、オフピークは17ドルに対して、ラッシュアワーには23ドルを徴収する計画です。この取り組みの背後には、渋滞緩和、環境改善、公共交通機関の強化という3つの主要な目的があります。 渋滞緩和 ニューヨーク市は、交通渋滞の悪化に長らく悩まされてきました。特にマンハ

          ニューヨークの新たな挑戦、混雑税プログラムで渋滞と環境問題に立ち向かう

          ネスレが挑むリジェネラティブ農業とは?

          米ネスレがピザブランド「DIGIORNO」の小麦農場でリジェネラティブ農業(環境再生型農業)を導入するための投資を進める動きは、食品業界における新たな潮流を象徴しています。 この取り組みは、土壌の改善、水やエネルギー、化学肥料の使用削減、気候変動への影響低減を目的としており、10万エイカー以上の農地に導入される予定ですが、その背後にはより深い意味があるとも言えるでしょう。 まず、「リジェネラティブ農業」とは何かを解説します。リジェネラティブ農業は、単に持続可能な農業よりも

          ネスレが挑むリジェネラティブ農業とは?

          ヤギ8頭でゴルフ場から牧場へ変貌⁉︎トランプ氏の節税手法とは?

          アメリカの税制には、多くの抜け道や特例が存在します。しかし、その中でも特に問題視されるべき例が、米国前大統領で実業家のドナルド・トランプ氏によるゴルフ場の節税策です。 彼の手法は、一見すると信じがたいものでしたが、実際に彼が行った節税策の一部として、ゴルフ場を「牧場」として申請するという方法がありました。 トランプ氏が所有するゴルフ場は、通常、年間約8万ドルの税金がかかると言われています。しかし、彼はこの高額な税金を逃れるために、ゴルフ場内にヤギを8頭飼い始め、ゴルフ場を

          ヤギ8頭でゴルフ場から牧場へ変貌⁉︎トランプ氏の節税手法とは?

          日本の物価高騰はなぜ起きる?その背後にある複雑な要因を解明

          日本の物価高騰の背後には、多岐にわたる要因が絡み合っています。その中でも特に注目されるのが、世界的なインフレの影響、アメリカの金利政策、そしてそれに伴う円安の動きです。 以下、これらの要素を詳しく解説し、日本の物価高騰がどのように進行しているのかを明らかにします。 世界的なインフレの影響: 世界経済の回復が進む中、エネルギー価格や食料価格の高騰が進んでいます。特に、原油価格の上昇は、ガソリンや電気料金など、日常生活に直結する部分に影響を及ぼしています。食料品についても、気

          日本の物価高騰はなぜ起きる?その背後にある複雑な要因を解明