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米国モンタナ州の気候変動における裁判で若者が勝訴

2023年6月からモンタナ州ヘレナで行われた米国初の憲法に基づく気候変動裁判で、5歳から22歳の16人の若者が勝訴しました。
彼らは、モンタナ州政府が化石燃料採掘を優先し、地球温暖化を悪化させていると主張。この採掘活動が州憲法で保障された「清潔で健康的な環境」の権利を侵害していると訴えたのです。
この歴史的な裁判は、憲法に基づいて気候変動を争点とした初のものとして、米国内外で大きな注目を集めました。

原告たちの主張と背景

彼らの主張はシンプルでありますが、その根底には深い思いと憂慮が込められています。訴訟は3年前に始まり、原告たちはモンタナ州全体の行政機関に対して、化石燃料の採掘を優先することで、自分たちの「清潔で健康的な環境」への権利が侵害されていると告発しました。

気候変動の影響は、地球全体の問題ですが、モンタナ州には特有の課題があります。モンタナは美しい自然環境で知られ、その独自の生態系は気候変動の影響を強く受けています。
例えば、長い冬と短い夏を持つこの州で、過去数年で異常な気温上昇が報告され、伝統的な農業や観光業に大きな打撃を与えています。

裁判では、原告となった青少年たちは、気候変動の身体的・心理的な影響について証言しました。彼らは、伝統的な生活様式や文化が失われるリスク、生活の質の低下などの深刻な問題に直面していることを明らかにしました。
特に、先住民の若者たちは、古くからの伝統や信仰が気候変動によって脅かされていることについて、感情を込めて語りました。

州政府の反論と裁判の結末

一方、州側は、モンタナ州の化石燃料排出量が全世界の排出量と比較して微々たるものであるという立場を取りました。確かに、モンタナ州の排出量は世界の中では一部に過ぎませんが、裁判所はそれを問題とはみなしませんでした。

裁判所は、州政府が温室効果ガス排出を無視して新しいエネルギープロジェクトを承認することは「違憲」との判断を下しました。その結果、モンタナ州の化石燃料利用推進の法律施行が停止されることとなりました。

モンタナ州でのこの裁判は、他の州や他の国々にも大きな影響を与える可能性があります。気候変動の問題は、私たち一人一人が関わるべき大きな課題です。この裁判をきっかけに、世界中で同様の動きが見られるかもしれません。

参照元)

https://www.fastcompany.com/90917701/montana-student-climate-trial


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