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サハラ砂漠で藻を育てる?革新的な気候変動対策の展望とは?

ロンドンのベンチャー企業、ブリリアントプラネット社が、気候変動対策として画期的なプロジェクトを進めています。そのプロジェクトとは、モロッコのサハラ砂漠で藻の養殖を行い、二酸化炭素(CO2)の吸収と隔離を目指すものです。この取り組みは、気候変動の進行を食い止めるための新しい道を切り開く可能性を秘めています。

藻によるCO2吸収の仕組み

水から取り出した藻は、ポンプを使って10階建てのビルほどの高さのタワーに送り込まれ、その後、砂漠の空気中に散らばります。藻が地表に落ちる約30秒の間に、大気の熱で乾燥されて塩分が非常に濃い薄片の形になります。ブリリアントプラネット社は、これらの薄片状の藻を集めて浅い場所に埋めることで、何千年にもわたって二酸化炭素を地中に閉じ込めることができると主張します。

つまり、このプロジェクトでは、藻を大量に育て、乾燥後に砂漠に埋めることで、何千年もの間CO2を隔離するとされています。この方法により、年間1ヘクタール当たりで見た場合、一般的な欧州の森林の30倍のCO2を除去できるそうです。

実証試験場での取り組み

計画は現在3ヘクタールの実証試験場で進行中で、将来的には1000ヘクタールの養殖場を建設する予定です。この規模のプロジェクトが成功すれば、世界中の砂漠地帯での展開も夢ではありません。

カーボンクレジットの販売

資金調達の一環として「カーボンクレジット」の販売も行っています。これにより、企業や個人がCO2排出量のオフセットを行うことができるため、気候変動対策への参加が広がる可能性があります。

生態系への影響

この斬新な方法は、気候変動対策としての将来性があると評価されていますが、生態系への影響などの懸念も指摘されています。微小藻類の大量生産によって現地の生態系が破壊される可能性や、水資源の減少などの問題が考えられるため、持続可能な管理が求められます。

世界的な気候変動対策への貢献

地球温暖化の進行を食い止めるためには、新しい技術と戦略が求められています。ブリリアントプラネット社のプロジェクトは、その一環として非常に重要な位置を占めるでしょう。砂漠地帯を利用したこの取り組みは、世界中で展開される可能性があり、大規模なCO2削減が期待されます。

まとめ

気候変動は今、私たちが直面している最も深刻な課題の一つです。ブリリアントプラネット社の藻によるCO2吸収プロジェクトは、その解決策の一つとして注目されています。このプロジェクトが成功すれば、新しい気候変動対策の道が開かれるかもしれません。しかし、生態系への影響などの懸念もあるため、慎重な進展が求められるでしょう。最先端の科学と自然の力が結びついたこのプロジェクトから、今後も目が離せません。

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