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「自分に期待しない」というスキル

自分に期待をしないこと。それが自分の人生を幸せにするコツだと、ある時気が付いた。自分は失敗する生き物だと定義することが大事。こんな些細なことも間違えるの!?とびっくりしてしまうようなミスをするのが自分。派手に転んで泥だらけになるのが自分。そうやって自己認識を一年以上かけて改めた。「自分に期待しない」というスキルを学んできた。

その長いトレーニングの末、昨日ようやく効果を実感するような出来事があった。英語を話せるようになりたくて、昨日の夜、問題集を解いていた。文章の内容が、レストランの設立記念パーティーに関する話だと思っていたが、その認識で回答したところ、不正解。実は、restaurantではなくて、retirement、つまり、退職記念のお別れ会だったのだ。その単語の読み間違えをして、なんと昨日の私は、笑いながら、面白いミスをしたことを、妻に自慢をした。

これまでの自分だったら、くだらないミスをした自分を低脳だと決めつけ、何かしらの欠陥があるんじゃないかと悩んだ。自分には物事を学ぶセンスがないんだと責め、絶望した。しまいには、そんな頭に産んだ親を恨んだりもした。思い返せば、子どもの頃から、勉強が苦痛だった。なぜなら、勉強は「間違えること」だからだ。自分に期待してしまうと、間違える度、期待はずれの自分に出くわしてしまう。そんなの怖くて、勉強なんかできるわけない。当たり前だ。きっと勉強が手につかない人の大半は、自分に期待をしすぎて、間違えることが怖くなっているのかもしれない。

私の場合は、勉強に恐怖心を抱いている精神状態でも、高校は進学校に合格した。なぜなら、常軌を逸するほど、勉強していたからだ。親から褒められた記憶がない自分にとって、塾の先生から褒められることは、命綱だったのだ。だから、間違えたら針を手に刺しながら勉強していた。自分に罰を与えれば覚えると思っていたからだ。今思えば、そっちの方が怖い。ホラーだ。

ところがどっこい、昨日の自分は、ヘラヘラしながら間違えたことを笑っていた。それに、笑ったことで記憶の定着がいいことにも気が付いた。もし本番で同じ単語が出ても絶対に間違えないだろう。もはや、私にとって、間違えることは恐怖でもなんでもない。

だから、もし勉強する手が動かない人には、まずは「自分に期待しないスキル」を磨いてほしいと思う。自分は間違える生き物だと定義する。生きていれば、色んな間違いやミスを犯すもの。中にはミスをしていないように見える人もいるかもしれないが、一部の天才以外は、努力を表で見せていないだけ。例えば、トーマス・エジソンは成功するまでに1万回の失敗をしたし、ダイソン社のジェームズ・ダイソンは、掃除機を開発するまでに5,126回も失敗したらしい。もし、エジソンが失敗を恐れていたら、今でも世界中の人々は夜をロウソクで過ごしていたかもしれない。ダイソンが失敗を恐れていたら、あの便利なサイクロン掃除機は誕生しなかった。だから、自分が失敗しても当たり前。

それに、一番大事なのは、失敗することで自分の価値は変わらないということ。なぜなら、生きてるだけで100点だから。それなら、どんどん失敗すればいい。これからもたくさん失敗する自分を愛しながら、失敗を笑いながら生きて行こうと思う。

よし、勉強がんばるぞ!

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