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辛い経験をしたって、別に誰かの役に立たなくてもいい

生きていれば、辛いことや苦しいことがある。特に理由もなく、偶然に災難が降りかかることもある。ストレスの多い世の中なので、精神疾患になってしまっても不思議ではない。

私自身、色々あって双極性障害と診断され、2年ほど休職した経験があり、現在も月一回通院している。精神科はいつも混んでいるので、いかに悩んでいる人が多いかがわかる。

自分自身、そういった経験を経て、お金も時間も会社での立ち位置など、多くのものを失った。一方で、ストレスを抱えにくい考え方など、得たものもある。

一時期、私はその経験を、価値のあるものにしたいと思って、同じ悩みを抱えている人に「回復するための方法論」なんかを発信しようとしていた。しかし、ある時、ある違和感に気が付いて、それをやめた。

その違和感とは、「自分は誰かの役に立つために辛い経験をしたわけじゃない」ということ。誰かの役に立たなくてもいいから、その辛い経験を経て、まだ生きているということだけに喜びたい。そう思った。

もしかすると、当時の自分は、精神疾患にかかった自分を、マイナスな存在だと考えていたのかもしれない。確かに、精神疾患にかかったことで、時間や収入、社会的な地位、友人などを失った。だから、その穴埋めをしたくて、必死だった。それは精神疾患にかかった自分を、本当の意味で肯定できていなかったということなのかもしれない。

今は、精神疾患にかかった自分を、特段、卑下をしていない。むしろ、精神疾患にかかって、辛い経験をしたにも関わらず、呼吸をしていること、心臓を動かしていることを、偉いと褒めている。だから、それ以外のことで、自分を補う必要性はなくなった。

だから、「辛い経験をしたって、別に誰かの役に立たなくてもいいんだよ」と当時の自分に言いたい。そんなことをしなくても、自分自身を認めてあげてほしいし、ただ生きているだけで偉いんだから。素晴らしいんだから。

もちろん、自分の体験談が誰かの役にたったら嬉しいので、今後も発信はするかもしれない。ただし、それを自分の価値を補うためには、絶対にしない。そう思う。


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