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梅雨間近!カビ病対策を(トマト栽培)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今年は春先から雨が多いですが、6月に入り梅雨の時期が近づいてきました。天気予報によると梅雨入りは平年よりも遅く、本州では6月中旬に梅雨入りするようです。

今年の梅雨の時期からから盛夏の時期にかけてエルニーニョ現象からラニーニャ現象に移行すること時期とのことで大雨になる可能性が高く平年より降水量が多くなるということです。

日本気象協会より

トマト栽培をしているとこの時期にはいろいろ頭を悩ますことが多いです。まず雨が多いと日射量が減少するので、徒長してヒョロヒョロのひ弱い状態になりがちです。

トマトの原産地は南アメリカのアンデス山脈の5,000mの高地で雨が少ないところなのでもともと水分に弱いです。梅雨の時期は湿度高いため、カビ病が広がりやすくなります。

雨が降ると露地栽培では葉・茎が濡れるためカビが広がりやすくなりますが、ハウス等施設栽培では直接的に雨には濡れませんが、梅雨の時期は空気中の湿度が高くジメジメしているうえに、ハウス内では蒸散により空気中に水分が多くなっているので よりカビ病が出やすくなります。

〇葉カビ病
トマト栽培をしている人の天敵ともいうべき葉カビ病。特にハウス栽培ではハウス内は蒸散により常に湿度が高い状態ですので、年中、葉カビ病の発生リスクがあります。
葉かび病とは、名前の通り糸状菌(かび)の一種が病原で、主に葉に発生しますが、ひどい状態だと茎や花に発生することもあります。初期段階では下葉の表面に、わずかに黄化した輪郭の斑点が発生します。

葉カビ病の状態

症状が進むと下葉から上位葉に広がり、葉はやがて乾燥して枯れます。中位の葉に、小さな病斑が多数現れるほどに蔓延するレベルになるともはや防除は困難な状態です。多くの葉が枯死して、収量に多大な影響が出てしまいます。
葉かび病の原因となる糸状菌は風に運ばれたり、種子の表面や苗に付着したりして、施設やほ場内に侵入します。葉の上に付くと、条件が揃えば2週間ほどで発病します。栽培管理者は条件が揃わないように栽培環境を管理する必要があります。

葉カビ病の糸状菌の繁殖しやすい環境は、温度は20~25℃で、多湿状態です。そのため、露地よりも温かく、多湿になりやすいトンネル栽培や施設栽培で被害が多く見られます。

気候的に条件が合う梅雨の時期や、晩秋ごろにかけて発生しやすくなりますが、施設では通年発生します。また、外が低温のため十分に換気ができない冬場も発生が増えます。

〇すすカビ病
葉かび病と症状がよく似たものとして「すすかび病」があります。症状がとにかくよく似ていて専門家でもすぐにはわかりません。見分けるポイントとしては、すすかび病では葉の表面にかびが多く生じます。葉の裏面では、かびが盛り上がっているのが葉かび病で、平面的であるのがすすかび病です。
といってもほんとにわかりません。。。。

(大阪府 環境農林水産部 農政室推進課 資料より)

症状が似ているだけでなく、発生条件も似ているので、葉かび病とすすかび病が同時に発生しているケースもあるといわれています。どちらも多湿条件を好みますが、すすかび病の生育適温は26~28℃で、葉かび病よりも高温期に発生が増えます。

(胞子レベルでみるとやっぱり違いますね(大阪府 環境農林水産部 農政室推進課 資料より))

発生条件が似ているということは、同時に防除対策がしやすいともいえます。どちらも多湿条件を好みますので、多湿条件を作らないように換気や風通しをよくすることが対策の1丁目1番地ということができると思います。

カビ(糸状菌)は湿度が高いと発生します。特に高温多湿条件が揃えばカビは勢いよく繁殖します。夏の風呂場に黒カビ・赤カビならば重曹やクエン酸の出番ですが、トマトにはそうはいきませんので、栽培環境をしっかりと高温多湿にならないように整えましょう!

またカビの胞子が風で運ばれたり、作業者の衣類に付いて広がったりで、広がるスピードが速いので、発生はできるだけ早く発見するように努め、発生が認められた時は、農薬による早期防除をしたほうが良いです。葉の裏・表への散布をしっかりとするようにしましょう。

梅雨の時期の恐怖のカビ病にしっかりと対策していきましょう!


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