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"成長しなくちゃ"を手放したくて、フリーランスを辞めてみた

絶対成長したいマンだった私

「成長意欲が高いんです!」というと、なんだかエネルギーが溢れてて、すごくイキイキして、前向きな人間のように感じませんか?

3年くらい前に受けたストレングスファインダーでも成長促進・学習意欲・最上志向という項目にチェックがついていた気がする。

やったことがないことを試すのはワクワクするし、もっと本も読みたい、勉強したい、昨日より前に進んでいたい。そんな自分の性格が好きだったし、ちょっとした誇りを持っていた。

言うなれば、絶対成長したいマン。それが私。まぁフリーランス向きだと思う。バッチリじゃん。

でも、成長欲求が売りになることはあっても、それが災いして苦しむことになるなんて思いもしなかったんだなぁ。

去年と同じ服を買うという敗北

さて、夏日が続くとて、一応暦の上では11月。インフルエンザで外出できない3連休を使って、せっせと夏物の服を片付けた。入れ替わりにウールのスカートやトレンチコートをクローゼットに並べて完了。

それから、ネットで2000円くらいの薄手のニットを購入した。安物ではあるけれど、このグレージュが絶妙で使いやすいの!

わがまま盛りの1歳息子を育てていることもあり、洗濯にやや手間がかかるニットは白以外がいい。ベージュほど黄みが強くなく、カジュアルすぎなくて私の肌色にとても合うのだ。地味だけど使い勝手が良くて気に入っている。

実は、今年で2度目の購入になる。全く同じ色と形。購入ページを見たらかなり色やサイズが欠けていたので、おそらく去年の売れ残りじゃないだろうか。

きっと昔の私なら「売れ残り=みんなが欲しくないものを欲しがっている」「去年と同じ服を来てるなんて変化がない、成長していない証拠」なんて、プライド高くイキっていただろう。苦笑いするしかない…。

立ち止まるのが怖くて仕方がなかった子育て1年目

2022年2月、コロナ禍真っ只中に第一子を出産して、その後生後2ヶ月で仕事復帰した。

当時はフリーのスタイリストだったので、仕事は週2〜3回、通勤時間を含めても4時間ほど。それでも働きに出ることができて嬉しくて仕方がなかった。

つきっきりの子育てからしばし離れることができるのも嬉しかったけれど、仕事をしているとお金がいただける。それに自分の成長を感じることができたから。

当時の私は、成長意欲が高すぎるが故に「立ち止まっている=成長できていない=自分に価値がない」と思い詰めていたんじゃないか。

あっという間にできることが増えていく我が子を見ているとますます、気持ちが焦ってくる。SNSを開けば、どんどん売り上げを伸ばしてスケールアップしていく知り合いの活躍ばかりが目についてしまう。もう泥沼じゃん。

私も進まなきゃ、成長しなくちゃ、置いていかれないようにしなきゃ。

そんな風に、動かない頭と体を必死に動かして1年ほど頑張っていたけれど、夏頃に睡眠不良と対人トラブルが重なったこともあってポキっと心が折れてしまった。

成長への執着を手放して、今を楽しむ

このままじゃいけない。まずはフリーランス生活から片足を抜くことを決めた。自力で船を漕ぐ、漕がないと沈む、その状況を変えたかった。

たまたま同じタイミングで夫が予期せず転職することになったので、じゃあ一緒に…と便乗させてもらうことにした。きっかけは何だっていいのだよ。

求人サイトに登録し、気になる会社へどんどん履歴書を出した。結果は二勝二敗。Webメディア運営と投資会社の事務という、一切共通点のない二社から内定が出た。

Webメディアの仕事はライターや編集などのキャリアを積めただろう。昔の私なら迷わずそっちを選んだはず。

でも今は、成長することへの執着から距離を置きたかった。心地いい方を選んでみたくなったのよ。

結局、想定していたより労働時間は少なくなったけれど時間にゆとりがあり、フルフレックスでスタイリストと両立できること、女性がほぼおらずストレスなく働けそうな後者に入社を決めた。

終わらない自分との付き合いを、もっと心地よく

さて、そんな感じで事務とスタイリストの二足の草鞋を履き始めて、あっという間に1ヶ月が過ぎた。

正直なところ、私の中の成長意欲は「物足りない〜〜〜!」とくすぶっている。まぁ人間ってそんなにすぐには変わらないよね(笑)。

でも、働き方を変えたのをきっかけに成長への執着も少し薄まった気がする。去年と同じニットを買い、今履いているパンプスもリピート2足目。

変わっていくことも価値だけど、変わらない安心感も価値じゃないか。

変わっても、変わらなくても、私は私だもの。ディズニーランドだって何度行っても楽しいじゃん。イッツァスモールワールドの変わらぬ良さってあるでしょう?

きっとこれから歳を取るにつれて、できなくなっていくことや、できるけど時間がかかることも増えてくるだろう。老いることへの予行練習にはちょっと早すぎるかもしれないけれど(笑)。

去年と同じ服を着て、今は、しばらくは、もうちょっと気長に自分と付き合っていこうと思っているよ。

心地よさを感じながら、ゆっくり今の私を肯定していけたらいいな。

それでは、また🎀



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