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クルーインタビュー1:上田さん ”施設の子ども達と継続する覚悟”

財団クルーのSNS担当、まっきーです。
今回は財団クルーの事をもっと知ってもらいたい!と思い、クルーインタビューを行いました。
第1回目は財団の施設リーダーや相談役といった、財団でクルーが困った事があると、とても頼りになる存在の、上田さんにお話を伺いました。

みらいこども財団へ入ったきっかけは何ですか?

「年齢が40代に入り、人生の折り返し地点となって、今まで上だけを向いて生きてきたけど、ふと自分の人生を振り返ってみた事があったんです。
その時に何回か、今までの人生で、しんどい思いをしていた事を思いました。
まず、小学校1,2年生の時に、父親から、暴力、体罰を受けていました。。当時はしつけと思っていたし、自分では虐待とは一切、思っていませんでした。
夕方5時位に、学校から帰ってきて父親に「勉強を教えてやる」と言われ、ご飯もなしで、朝まで叩かれ、蹴られ、怒鳴られたりしました。
そういう事が日常的にありました。
でもその時に一番が自分がしんどかったのは、母親も共働きだったんですが、母親はそこにぽつんといるだけでした。
自分は、声には出せないが「助けて」と叫んでいるのに、ただ母は黙ってみているだけだったんです。理由は大人になってから、事情がわかりましたけど。
そういった事が、小学校3年生の途中まで続いていました。
無くなったきっかけが、ある時父親が「校長先生から怒られたわ」と言い、そこから暴力的な事は一切無くなりました。
一軒家とは言え、父親の怒鳴り声が駄々洩れており、校長先生がみずから動いてくれていたんです。
いったんそれで落ち着いたんですけど、その後に本当の苦しみがきました。
僕は長男なので父親が、自分の考えを押し付けてくるようになったんです。
「お前は頑張ったらできる」「やったら出来る子やねん、出来ないのは頑張ってないからや」とずっと言い続けられ、暴力こそ無くなりましたが、精神的に追い詰められていきました。
子供なのに、「どうしたら親が喜ぶんだろう」と、その事ばかりを考えるようになっていました。
大きな一つのきっかけが父親が僕に、野球をさせたくて、小学校でソフトボール、中学、高校で野球をしていました。自分で入ると決めたし、野球が好きだと思い込んでいたが、大人になって思い返すと、自分や家族を守る為に、父親の願いで野球をしてきたんだなと思いました。
でも野球に出会えたおかげで、友達や良き大人の出会いもあり、凄く自分を守る為に意固地になっていたんですが、気持ちがすごく楽になったんです。
自分が、そういった経験をしてきたんで、施設のこどもたちにも、何か伝えれるものがあるんじゃないかと思ったのが、きっかけです。
自分自身がしんどい思いをしていた時に、その都度良き大人との出会いで恵まれて、考え方が変わり、凄く楽になった経験をしてきたので、何か子ども達の為に、力になりたいなと思いました。

―財団に入る前、後で変わった事は何ですか?

「財団へ入る前の自分は5年も通い、在学中の18歳~23歳までは人生で一番しんどい時期でした。何故かというと、野球と出会って、家族も平和になり、父親も大事にしてくれ、仲間も出来たんですが、幼少期の事でだいぶ偏った考え方をするようになっていました。小学校まではまだ勉強をしていましたが、中、高校と全く勉強をしなくなりました。野球しかしない生活になっていました。大学も行く気はなかったんですが、周りに行くように言われ大学進学をしました。
ただ、大学では野球をしなくなり、仲間もいなくなり、勉強も一切していなかったし、夢や目標もなかったんです。自分に何も無くなってしまい、その時にもの凄く孤独を感じ、急激に怖くなりました。
そのタイミングで父親が亡くなり、母親とは一緒に生活はしていましたが、一切話をしてませんでした。そんな孤独の中で、社会に出て働かないとあかんと思い、凄くもがいていたと思います。
いつ死んでもいいと思って、カタチを残す事に抵抗がありました。消えたかったのかもしれません。でも初めてボランティア活動をして、ひとつひとつカタチとして残していき、誰かに繋いでいく。
その中で自分の人生を大切と思えるようになっていきました。
幸せを感じて、充実した日々を送っていますが、それは同じ思いをもった仲間と出会い、生きる悲しみを希望や勇気に変えていけると気づけたからです。だからこそ周りの人達に感謝の念をもてるようになりました。」

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―財団に入って嬉しかった事は何ですか?

「いろんな幅広い世代のクルーと語らいあう事で出来て、自分が長年大切にしてきた思いというものを見えるカタチにして、表現できる居場所が見つかった事です。
そして幅広い世代の仲間と語らい、共に活動できる事が嬉しいです。」

━大人として施設の子どもと関わる事で気をつけている事は何ですか?

「自分が活動を通してわかった事があります。子ども達は大人の顔色を窺うのが普通となっている事。そのような行動をしなくていいようにクルーが一緒になって、泣いて、笑って、過ごせる事が大事にしたい事です。
「こういう事したらいいんちゃう?」とかではなく、全力で遊ぶ。一緒に悔しがったり、笑ったり、ありのままの自分で全力で向き合う。
子どもと遊んでいると、「楽しんでる?」と聞かれる事もあります。
それはやはりまだ大人の顔色を窺っているんだと思います。そういった言葉を出させない位、子どもに全力で楽しんでもらいたいし、本気で笑ったり、楽しむ事を一番こころがけています。
僕は職員さんと違って、教育のスキルがある訳ではないので、ボランティアだからこその想いを、大事にしていきたいです。
よく子どもに注意しないといけないとも言われたりしますが、子どもや大人関係無く、注意する事、弱いものいじめはダメだよとか、人の物を盗んだりしたらダメだよ等、大人になってからきちんと出来る準備はしたいと思っています。これは財団としても統一して守っていきたいと思っています。子どもだからではなく、人としてどうしてもと想って伝える事も大事だと思っています。」

━今後、財団の活動でどんな事をしたいですか?

「まだ漠然としていて、具体的には考えていないんですが。
少なくとも一緒に活動する仲間に対して、1人1人が個性を発揮して、周りの人々を笑顔に出来る、そんなお手伝いが出来ればと思っています。
施設の子ども達が、1人で社会に出てからも寄り添っていける居場所作りをしていきたいです。
自分が苦しんでいた時に、周りに救われたからこそ、施設を出た時に一緒に学んで、一緒に考えたりできる居場所作りをしていきたいと思っています。」

━ボランティア参加を考えている人達へのメッセージをお願いします

僕たちの活動は、児童養護施設の子ども達への支援です。僕の考えですが、子ども達は虐待をうけて、大人を信じられなくなっています。
参加を考えている方は、まずここをきちんとわかってほしいです。心身ともに傷つき、大人を信用できない子ども達へ約束出来る事は、継続して関わる事だと思います。途中で、子どもとうまく向き合えなかったり、自分がしたかった支援では無い時もあるかと思います。子どもがこうだからではなく、自分自身が覚悟をもって、継続するという覚悟を持って参加してほしいと思っています。継続するというのは、仲間とのかかわり方をどうやっていい関係にしていくか、そういった事を学び、自分を変えれるかだと思っています。プライベートだと気が合わない人とは連絡を絶てば関係は終わります。仕事であれば割り切れる事もあるかと思います。そういった意味ではボランティアが一番難しいかもしれません。ボランティアだから暇なときだけ参加したい、ボランティアだから気が合わない人とは話したくない、言い訳はいくらでも作る事が出来ます。
1人1人の事情があるのは勿論ですが、僕たちが関わっている児童養護施設の子ども達の事をまず考えてほしいと思っています。子ども達と終わりを考えて、真剣に向き合ってほしいです。常に寄り添い、共に歩けるみらいを、終わりを考えて、続ける覚悟はもってほしいと思っています。
勇気を出して、覚悟を持って参加してくれたら、楽しんでいきましょう!」

―インタビューを終えて
上田さんの優しさは、ボランティアとしての覚悟が出来ているからこそなんだと思いました。様々な事情があるのはわかりますが、すぐにやめてしまうクルーが多いのも事実で、子どもにとってみたら何も残らない、自己満足のボランティアだと思います。子どもが心から笑顔になってもらう事を1番にこれからも考えていきたいです。まっきー

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