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「職場」から「集場」へ。リモートワークで変質する、リアルオフィスの価値とは。


先日の記事でも言及しましたが、ウィズコロナという言葉が少しバズっていますね。

ウィズコロナとはコロナが去るのを待つのではなく、コロナと付き合いながら生活していくこと(with coronavirus)です。コロナの影響は長期化するという予測から生まれた言葉です。

ウィズコロナ時代の到来によって、ビジネス界でも様々な問題が出てきています。

その中でも、「リアルオフィス、今後どうしていくの?」問題は企業にとって結構大きな課題じゃないかと思っています。

すでにオフィスの解約を決めた企業も複数見かけました。実際、リモートワークで多くの活動は代替できると考えている企業も多いようです。

しかし、それでもやっぱり、リアルオフィスじゃないとできないこともある気がしています。そこで今回は、ウィズコロナ時代におけるリアルオフィスの価値について考えてみました。

コロナが終息へ向かいつつある未来の世界を想像しながら、お読みいただければ幸いです。

これまでのオフィスで行われていたこと

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企業活動は、AIの台頭もあるものの、現状その多くが人間同士のコミュニケーションで成立しています。

昨日の記事でもご紹介しましたが、リアルオフィスで行われているコミュニケーションは、大きく分けると6つあると私は思っています。

リアルオフィスで行われている6つのコミュニケーション
①情報発信・共有
②会議
③業務報告・業務相談
④1on1
⑤飲み会
⑥雑談

そして、この6つに対して現状、リモートワークでどの程度代替できるのか?を、以下の3つの基準を元に判定してみることにします。

リモートワークで代替できるかどうかの判定基準
〇:リモートワークで実施しても問題ない
△:実施できなくはないが、やりづらい
×:実施不可

その結果を簡潔にまとめると、以下のようになります。

①情報発信・情報共有  
「判定:〇、使用ツール:Slack, G Suite(Drive)」
②会議  
「判定:〇、使用ツール:Zoom」
③業務報告・業務相談  
「判定:〇、使用ツール:Slack,Zoom」

④1on1
「判定:〇、使用ツール:Zoom」
⑤飲み会
「判定:△、使用ツール:Zoom」
⑥雑談
「判定:△、使用ツール:Zoom、(Slack)」

詳しく知りたい方は先日の記事をご参照ください。

このように、リモートワークでは、オフィスワークにおける多くの業務はすでに代替可能です。これだけ見ると、もはやリアルオフィスは不要と判断する方がいるのも納得できます。

(もちろん代替できないものもあります。運送業や介護はその最たる例です。が、ここではオフィスワークに絞って話しています)

しかし、⑤の飲み会と⑥の雑談についてはどうでしょうか。現状、オンラインで代替しているけど、何か違う・・・と思っている方も多いのではないでしょうか。

言い換えると、リモートワークでは非公式のコミュニケーションが難しいということになります。非公式のコミュニケーションは現状、リモートワークで十分に代替できていないのではないか。

ということは今後、非公式のコミュニケーションを行う場として、リアルオフィスは残っていくんじゃないか?

私はそう考えています。

それでもリアルオフィスが残るとしたら、その価値は何か?

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ウィズコロナ時代が訪れ、企業活動はリモートワークを前提としたものへと移行する。しかしそれでも、組織のメンバーが集まり、直接話を交わすことは、リモートワークでは代替することは難しい。するとどうなるか?

その結果、リアルオフィスは「職場」から「集場」へと役割を変えていくのではないかと、私は予想します。もはやオフィスの役割は業務ではなく、集うことになっていくのではないでしょうか。

そもそも人間は社会的動物であり、コミュニケーションを欲するようになっています。ですから、多くの人々は集まらずにはいられません。(今も集まりたくてウズウズしている方は多いのではないでしょうか)

組織においても、集まって話すことはとても重要です。
なぜなら、集まってコミュニケーションを行うことが、強固なチームを作り出すことに繋がるからです。


なぜ集まることで強固なチームを作れるのか。
まず、リアルなコミュニケーションは情報の塊です。表情、ジェスチャー、声のトーンなど、リモートワークでは伝わりにくい情報が、対面のコミュニケーションではたくさん入ってきます。

その結果、「この人は本当はこんなに表情豊かな人だったんだ」「実は思いやりのある人だったんだな」など相互理解が深まります。人間は、相互理解を通じて仲良くなります。

仲良くなることで、お互いに信頼関係が出来上がります。相互に信頼し合うことは、チームの心理的安全性を高めます。

心理的安全性の高いチームは、強いチームです。お互いが思っていることを率直に言い合うことができるため、認識のすり合わせが早くなります。その結果、チームの生産性にもポジティブな影響が出てきます。

つまり、直接集まってコミュニケーションを行い、チームの心理的安全性を高めることは、企業にとっても重要なことなのです。そしてそれはいまのところ、リモートワークではなかなか代替できません。

未来のリアルオフィスの方向性

それでは、未来のリアルオフィスにはどんな可能性があるのでしょうか。
いくつか考えてみました。

①社員が自由に集まれるコミュニティハブとしてのオフィス

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一つ目は、社員が自由に集まれるコミュニティハブとしてのオフィスです。面積としては比較的小さめで、普段はオフィスワークを選択した人の仕事場として活用されます。

しかし、オフィス内にはバーが常設されており、社員は自由に集まって談笑しながら、飲み食いすることができます。
(今のWeWorkのイメージですね)

また、オフィスの仕切りはすべて可動式のセパレート。社員がいつでも自由に、イベントを企画して開催できるようになっています。


②シェアオフィスを借りる

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自前のオフィスを持たず、シェアオフィスへ移行するという方法もあります。ベンチャーの中には、シェアオフィスを活用している企業も多いですね。

今後、私たちが借りるシェアオフィスには、イベント会場が併設されてい流でしょう。それは主に社外セミナーとして活用されますが、社内イベントの開催場所として利用することもできます。オフィスをシェアしている他社のメンバーとイベントを共催することも可能です。

③自前のオフィスを無くし、イベントごとに会場を借りる

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自前のオフィスを無くしてシェアオフィスも借りず、基本は完全リモートワークへ移行する企業も出てくるでしょう。

しかしそれでも、組織のメンバーが集まること自体は無くならないでしょう。この場合は、メンバーが企画したイベントごとに会場を借りることになります。単発のイベントだけでなく、場合によっては2泊3日の合宿を行なったりするかもしれません。

必要な時だけ会場を押さえて利用する。これはこれで合理的な活用方法です。

コロナで集まれない現状の妥協策

ここまで未来のリアルオフィスについて考察してきましたが、残念ながら現状、リアルで集まることは難しい状況です。

しかしそれでも、企業活動は止まらないので、何とかして擬似的に集まる必要が出てきます。

つまり当分の間は、バーチャルで集まるしか方法はありません。
その方法を、2つご紹介します。

①cluster

まずはclusterです。

clusterは、バーチャル上でイベントを開催できるサービスです。
VRを持っていなくても参加できます。URLを知っている人だけが参加できるので、社内イベントにも使うことができます。
基本的に、自分の姿はアバターとして表示されます。

②Remo

clusterはちょっとワイワイしすぎ・・・という方には、Remoをオススメします。


Remoもイベントを自由に開催できますが、こちらは実際のイベント会場を模したUIなので、心理的に落ち着く方も多いかもしれません。
席を移動して、他の人のビデオ通話に突然混ざることも可能です。

Remoに関しては黒田悠介さんという方が詳しくまとめていますので、そちらをご紹介させていただきます。


今回は少し先の世界の予想となってしまいましたが、次回からは再び現在に視点を戻して、リモートワークについて考えていきたいと思います。お楽しみに!


この度ハイマネージャーでは、リモートワークにおけるコミュニケーション課題の解決を目指し、10分で消える音声雑談サービス「RemoRoom」
公開いたしました。

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リモートワークでは、どうしても業務に関する話題が多くなってしまいます。また、コミュニケーションの中心は文字となるため、そうしたコミュニケーションは時に寂しく、無機質です。

オフィスで休憩中に交わされる、柔らかく暖かなコミュニケーションをリモートワークでも再現したい。そんな思いから、10分で消える音声雑談サービス「RemoRoom」が生まれました。

「RemoRoom」は、リモートワークにおけるチームのマネジメントをサポートし、社員のエンゲージメントや生産性の担保を目指します。新型コロナウイルスの流行を鑑みまして、「RemoRoom」は5月末まで無償で提供させていただきます。リリースは4月末を予定しており、事前登録の受付を現在開始しております。

RemoRoomの詳細は以下のLPをご覧ください。

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