保護者のための新時代キャリアガイド「変わる社会、変わる働き方」【第1回】
1. ミライゴトからのメッセージ
私たちの想い
一般社団法人ミライゴトは、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」をミッションに掲げ、若者たちのキャリア支援に取り組んでいます。
私たちミライゴ設立メンバーは全員経営者であり、長年にわたって学生のアントレプレナーシップ教育や地域活性化に携わってきた市民でもあります。また、家庭ではパパやママとして子育てに奮闘する者、現役サッカー選手として活躍する者など、それぞれが多様な顔を持っています。
そんな私たちだからこそ見えてくるものがあります。 今の画一的な就職活動では、若者たちの無限の可能性が十分に活かされていないのではないか。 もっと一人ひとりの個性や強みを活かせる選択肢があるのではないか。
この想いから、「一人ひとりの可能性を広げ、未来を共に創造する」というミッションを掲げ、従来の画一的な就職支援から一歩踏み出し、個性を活かしたキャリア創造支援に取り組んでいます。
経営者として、地域の教育者として、そして何より一人の大人として、 若者やアスリートの皆さんの可能性を広げるお手伝いをさせていただきたい。
それが私たちの願いです。
なぜ、いま保護者の皆様へメッセージを送るのか
日々の学生との地域活動や就活支援やキャリア相談を通じて、多くの若者たちの声を聞いてきました。その中で見えてきた大きな課題があります。
それは、「保護者の方々の不安が、若者たちの可能性を狭めてしまっている」という現実です。
「大手企業でないと反対される」
「公務員以外は認めてもらえない」
「やりたいことよりも安定を求められる」
このような声を、私たちは数多く耳にしています。
もちろん、これは保護者の皆様の深い愛情から来るものだと理解しています。お子様の将来を案じる気持ちは、私たち自身も親として痛いほど分かります。
しかし、かつての「安定」の定義は、急速に変化する現代社会では必ずしも通用しないかもしれません。
そこで私たちは、これから5回にわたって、
変化する社会と働き方の実態
新しい時代の「安定」とは何か
親としてできること、すべきこと をお伝えしていきたいと思います。
このシリーズが、保護者の皆様とお子様との対話の一助となり、より良い未来への道しるべとなれば幸いです。
では、第1回のテーマ「変わる社会、変わる働き方」についてお伝えしていきます。
就活に直面している若者たちの声 ~本音の相談から~
私たちが日々、若者たちから聞く声をいくつかご紹介します。
▼就職活動中の大学生の声
「実は、小さな会社だけど、すごく魅力的な企業を見つけたんです。社長との面談も済んで、自分のやりたいことができそう。でも、親に話すと必ず『そんな会社、知らない』『大手企業を受けなさい』と言われて...。結局、自分の気持ちを話せないまま、親の期待する企業ばかり受けています」
(大学4年生 Aさん)
「公務員試験の勉強をしていますが、本当は起業したい夢があって。でも『安定した道を選びなさい』と言われ続けて。親を心配させたくないから、言い出せないんです」
(大学3年生 Bさん)
▼若手社会人の声
「最初は親の意見通り大手企業に入りました。でも、自分のやりたいことと違うと感じて2年で退職。今は小さなベンチャー企業で働いていますが、むしろ今の方が成長できているし、やりがいも感じています。あの時、もっと自分の気持ちを伝えられていれば...」
(25歳 Cさん)
▼アスリートの声
「競技と両立しながら、地域活性化の活動にも関わってみたいんです。でも『競技に専念しなさい』と言われて。将来のことを考えると、今からできることをしておきたいんですが...」
(大学2年生 Dさん)
保護者からの嬉しい声も
一方で、このような声も聞かれます。
「最初は不安でした。でも、子どもの『やりたい』という気持ちを信じてみることにしました。今では、新しい分野に挑戦する子どもの姿を誇りに思います」
(Eさん・母親)
「『安定』にこだわっていた私の方が、時代遅れだったのかもしれません。子どもと話し合い、その意見を聞くようになってから、親子関係も良くなりました」
(Fさん・父親)
私たちが感じること
これらの声から見えてくるのは:
若者たちの新しい可能性
親への感謝と遠慮の気持ち
言い出せない本音
世代間のギャップ
親として当然の不安や心配はありますが、 その想いが時として、子どもたちの可能性を 狭めてしまっているかもしれません。
これから5回にわたって、このような課題に対する ヒントをお伝えしていきたいと思います。
保護者のための新時代キャリアガイド(全5回)
第1回:変わる社会、変わる働き方(今回はこちら)
第2回:注目される中小企業・ベンチャー企業
第3回:キャリア形成の新しいかたち
第4回:起業という選択肢
第5回:子どもの可能性を広げる親の関わり方
2.はじめに
皆様は「安定」という言葉から、どんなイメージを持たれますか?
大手企業への就職
公務員としての生活
終身雇用での勤務
これらは、私たち親世代が描いてきた「安定」のカタチかもしれません。 しかし、今、その「安定」の定義が大きく変わろうとしています。
3.データで見る、変化する社会
3-1. 企業の寿命と変革から見える未来
▼データが示す現実
1980年代:企業の平均寿命30年
現在:企業の平均寿命20年以下 ※東京商工リサーチ調べ
▼大手企業の現状
2000年の上場企業トップ100社のうち、約4割が入れ替わり
終身雇用制度の見直し
新規事業への転換が生存の鍵
このデータが意味すること
▼企業を取り巻く環境の変化 「老舗だから」「大手だから」という理由だけでは、 企業の将来性を判断できない時代になっています。
例えば:
かつての大企業が経営破綻
新興企業が急成長
業界の垣根を越えた競争
ベンチャー企業による市場の革新
このような変化は、お子様の就職活動や キャリア形成にも大きく影響します。
お子様の将来に関わること
▼企業選びの新しい視点
企業の規模や歴史だけでなく
将来性
成長意欲
変革への取り組み を見る目が必要です。
むしろ、変化の激しい今の時代
若手の意見を積極的に取り入れる
新規事業に挑戦する機会がある
社員の成長に投資する このような企業で、お子様が活躍できる可能性が高まっています。
保護者として考えたいこと
▼新しい「安定」の考え方 「大手企業=安定」という方程式は、 必ずしも成り立たなくなっています。
むしろ重要なのは:
企業の将来ビジョン
人材育成への投資
若手の成長機会
変化への対応力
これらの要素が、お子様の長期的なキャリア形成には 大きな影響を与えます。
具体的なアドバイス
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