そもそも磯焼けって、なぜ
近年、よく耳にする”磯焼け”。そもそもどうして最近になってそのような磯焼け現象が日本各地でみられるようになたのだろうか?
海の砂漠化の原因とは?
昔の海の話はいずこに
漁師さんに昔のことを聞いてみた、以前の海はどのようでしたかと。
ほとんどの漁師さんが口にするのが、昔は浜に活気があった、一年の半分は遊んでいても暮らしていけたという。
それは「海の幸」がそれほど豊富で、海が豊かだったということだろう。
魚が大量に獲れた、ウニやアワビで大儲けした・・・などなど、口々にそんな話を聞く。
それからすると、口をそろえて今はさっぱり。先ずは、魚が獲れないということ。
三陸の海から”サンマ”が消えた。
”秋はサンマ”が定説のように言われた。旬の秋のサンマは脂がのってて、実に秋の味覚の代名詞と言っても過言ではあるまい。
しかし、今となってはそう易々と口にはできないほどの高級魚になってしまった。
たまに獲れたサンマの魚体というと瘦せこけていて、脂ののりもいまいちである。
まして、ウニの漁の解禁日”開口の日”一斉にウニ獲り漁の船が沖に出ても、その獲れたウニのほとんどが、中身の空っぽの”空ウニ”ばかりだという。
アワビにとっても、同じことが行ける。稚貝の放流量を増やしたところで、何年たっても大きくならない”やせアワビ”ばかりである。
三陸の海の幸は、どこに行ってしまったのだろうか?
そもそもその原因とは
では、なぜそんなにまでも三陸の海は変わってしまったのだろうか?
かつて、かつてとい話は聞こえても、今となっては、まるで大昔の話にしか聞こえなくなる豊漁という言葉と活気づいた浜という記憶。
そもそも、なぜこんなになってしまったのだろうか?
専門家、研究者に聞いてみても、明確な答えはない。一説には、海藻を食べる植食生物が増えすぎたからだという。
代表的に悪者扱いされているのが、ウニの存在である。
ウニが海藻を食い尽くしたから、磯焼けになったという意見がある。確かに磯焼けした海の底には、ウニしか存在しない。
そして彼らは、根こそぎ猛烈な勢いで海藻を食べるのは事実である。しかし、彼らだって生命を維持する、子孫を残すためには必死の行動に過ぎない。それを駆除すれば海は豊かになるというのは、些か短絡的すぎるのではないだろうか。
そのほかにも他の海では、これまで問題視されていなかったアイゴ、ノトイスズミ、ブダイ等の植食性魚類が海藻を食べつくしているという研究結果もある。
果たして、植食生物たちが磯焼けのを引き起こした張本人なんだろか?彼らをその原因者にしたら、磯焼けは解消するのだろうか?
消えた海藻
どこに消えてしまったのだろう
海洋環境は、様々な要因が絡み合って成り立っていることは間違いないだろう。海の面積は地球の総面積の70%を占めるといわれており、地球上の生物の80%が海洋に生息しているといわれている。
その海洋環境が、この100年足らずん間に急激に変化してきている。
今の年老いた漁師さんが口にする、「おらの子どものころには」の子どものころは、決して100年前ではない、もっと短期間のうちに海に異変が起こっているといっても過言ではあるまい。
確かに海の環境変化の大きな要因に”海水温の上昇”は明らかである。
上のグラフからも明らかなように、確かに各年で変動はあるものの明らかに平均的な海水温は上がり続けている。日本近海で、100年で2℃近い上昇がみられる。
それは、三陸沿岸に限った話ではなく、日本近海すべての海域でその傾向がみられる。
だから、海水温の上昇も海の変化にとっては、大きな要因であることは否めない。
しかし、それだけがすべての原因であると限定するのも短絡的な気がする。
上記の図にもあるように、日本近海すべての海域でみられる海水温上昇は、各地で異変をもたらしている。
しかし南の海域の海洋植物の棲息域が移動しているだけならば、南洋の植物が北上していくことで説明はつくが、磯焼けは海藻全体が消えていっているのである。
なんのせいで、海が砂漠のようになったのか
では、海の砂漠化の原因を海水温の上昇以外に何かを見つけるには、様々な見地で物事を考え直していかねばならない。
次回、この点について、さらなる検証をしてみたいと思います。
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