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金は通貨か否か、そしてドルは本源的通貨か否か。

ドルは世界の基軸通貨として流通しています。

これは、間違いのない事実です。

1944年に始まったブレトンウッズ体制は、1971年のニクソンショックまで続きました。この期間は金1オンスは35ドルで交換できました。1971年から1973年まではスミソニアン体制で1オンスは38ドルとなりました。しかし、そのスミソニアン体制も崩壊し、1973年2月から日本が、3月から欧州が変動相場制へと移行していきました。

1973年までは基軸通貨ドルの裏付けは金でした。しかし、1973年以降のドルは、金が裏付けにはなっていません。ドルは信用通貨となり、その価値の担保は米国の軍事力、あるいは経済力となりました。しかし、なぜ、ニクソンショックが起きたのかというと、それはベトナム戦争での米軍の事実上の敗戦の影響が大きい。

それは米国の軍事力、経済力への不信が背景にありました。そこで、ニクソン大統領とキッシンジャーが実行したのがペトロダラー体制です。サウジの王家は米国と密約を交わしました。米国がサウジアラビアを守る代わりに、原油の決済はドルで行うという密約です。

これによって、原油を手に入れるためには、ドルを入手して、ドルで決済しなければならなくなりました。そして、世界中がドルを必要とするため、ドルは基軸通貨の地位を保っていきました。

ただ、私がここで気になるのは、ドルは基軸通貨であり、基軸通貨の地位が揺らいでいるものの、未だ基軸通貨であると世界中の人が思っているわけですが、それは果たして本当か?ということです。

それは、落合莞爾先生のブログを読ませていただいていて、感じた事でした。

この中に、外貨準備における金の割合を考えておられました。そこを私も考えてみたのが以下のブログです。

金兌換制、金本位制が復活したら、金の保有量が外貨準備に対して低い日本は、富を失うのではないかと考えました。

しかし、もう一つ思ったのが、金兌換性は確かに終わっているが、金本位制は終わっていなかったのではないかということです。

つまり、ドルと金の兌換は1973年に終了していますが、本源的な通貨、(落合先生は本位通貨と呼ばれている)は金のままだったのではないか?ということです。

もしも、金が本源的な通貨の地位も失っていたとしたら、なぜ、欧州のかつての覇権国は金を外貨準備で持ち続けているのか、です。

ポルトガルにしても、オーストリアにしても、オランダンにしても、経済規模は日本よりもはるかに低い。もしも、金は富の一種ではあるが、通貨でないのであれば、なぜ、これほど外貨準備の割合が高いのでしょうか。不思議です。

それに対して、日本は外貨準備における金の保有量は4.4%です。

もしドルが、本源的な通貨であれば、日本のように外貨準備はドルを大半の通貨にしておくことが効率的ではないでしょうか。金を持っていても、資産ではあるかもしれませんが、流動性はドルよりも低く、外貨準備で積み上げておく理由はあまりないように感じます。

それにも関わらず、外貨準備における金の割合が50%を超えているのです。

これは、欧米では、金本位制の考えは続いていて、金こそが本源的通貨であり続けているということではないでしょうか。

ペトロダラーでドルが基軸通貨として、世界の覇権通貨である。もちろん、それは機能しています。そして、今、それが崩壊し始めていることに世界の課題があります。

しかし、それは表向きのことであり、真実は、金こそが、本源的通貨であり続けているのではないでしょうか。

ここで、1971年から2022年までの金価格と世界のGDPを見ておきたいと思います。

さらに、1971年を1として、2022年まで何倍になったかを見てみます。金価格と世界のGDPを重ね合わせてみます。

1971年から2022年まで金と世界のGDPはどちらが上昇したかというと、倍率で言うと、金です。

世界の総計のGDPよりも、金価格の上昇率の方が高い。

落合莞爾先生は、以下のように述べられています。

金の市場価格の総額が世界GDPの増大と完全に歩調を合わせて増大したことを意味しています。要するに、ペトロダラー謀略が無かった場合にも、金価格が自然に上昇することで「金の時価総額が世界GDPと二人三脚で歩調を合わせた」のではないかと落合は感じます。

これは、その通りであると私も思いました。

つまり、ペトロダラーというのは確かに存在したのですが、それは表向きの話であり、金は、本源的な通貨として認識されており、金こそが本源的な通貨であり続けていたということです。

これは、わが国の外貨準備率における金の保有割合の低さ、そして、米国債を大量に抱えている現状を考えると、まさに「嵌められた」と言わざるを得ない気がします。最も、それもわかった上で、抵抗できない現実もあるのでしょうが。

間もなく基軸通貨ドルが終わりを迎え、金兌換制が復活するということとなれば、日本の外貨準備率における金保有割合の低さが問題になるのではないでしょうか。

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