ウクライナ軍、迫るレッドライン ロシア核使用の懸念も~日本の報道大丈夫?~【日経新聞をより深く】
1.ウクライナ軍、迫るレッドライン ロシア核使用の懸念も
どうも日本の報道では、ロシアが追い込まれているということを何としても言いたいように感じてなりません。
しかし、現実にはウクライナはロシアからのロケット攻撃で、電力が届かない、水がないという地域が増えています。
また、南部のへルソンを奪回したとありますが、実際には戦闘はほとんど行われておらず、ロシア軍が戦略的に撤退した可能性が大です。RT(ロシアトゥデイ)によると、ロシア軍は3週間にわたり、ドニエプル川右岸から立ち去ろうとする住民を避難させ、川を渡った後に、橋を爆破したとあります。ウクライナ軍が戦闘に勝利して奪還したわけではありません。ロシア軍はドンバスなど併合した地域を除けば、土地や都市を支配することを目的とはしておらず、防御にコストと損失が伴う場合は、躊躇なく撤退するというのがこれまでの明らかな傾向です。
したがって、ウクライナ軍が有利になっているわけではなく、ロシア軍の戦略撤退の可能性が大です。また、ロシアはウクライナ奥地の標的を攻撃する大規模な空爆を開始したともRT(ロシアトゥデイ)は報じています。追い込まれているのは本当にロシア軍なのでしょうか?
2.EUとG7のロシア原油価格上限制度について
EUとG7による海上輸送されるロシア産原油の価格に上限を設ける制度が始まります。ロシアは当然反発しています。そして、ロシアは影の船団と呼ばれる、匿名のタンカーを増やし、これに対抗しようとしています。インドや中国、トルコはロシア産原油の輸入を増やしています。
この価格上限の制度では、ロンドンのロイズなどの保険会社は、ロシアの原油を運ぶ船は、それがどのような目的地であっても、価格上限の下で販売されない限り、保険でカバーすることを禁じられます。また、EUはEU船籍を持たないタンカーが規制に違反した場合は、90日間の西側海域の航行禁止を科すと発表しています。
当然、ロシアは反発しています。
ロシアは、この制度に参加する国には石油を売らないと繰り返し表明しており、この上限がエネルギー市場に大混乱をもたらし、商品価格を上昇させると警告しています。
EUはこの制度の先導しているわけですが、安く安定的だったロシア産原油が入らなくなると、エネルギー価格の上昇で苦しむことになるかもしれません。代替先の確保を進めてはいるものの、果たして十分に確保できるのかは疑問です。
このようなロシアを追い込む制裁で苦しむのは、ヨーロッパの市民となる可能性が大です。
3.日本は本当に大丈夫か?
日本もG7の一員です。どうも、世界の果ての出来事のような報道が多く、この価格上限の制裁に、G7の一員として参加することには一切の議論がなされていない気がします。
現在、日本はロシア産原油の輸入を停止しているです。(従来は全量の平均3.6%がロシア産)そのため、直接的な影響はないかもしれません。
しかし、日本は海を隔ててロシアと国境を接している国です。米国よりも近いのはもちろんですが、西欧の国々よりも近いのです。それにもかかわらず、何の疑問も、意見もなく、制裁に参加している状況は大丈夫なのでしょうか。
ウクライナの次は、米国主導の制裁に積極的に参加している、最も近い国の日本への侵攻が全くないとは言いきれません。事実、日本への侵攻を検討したという報道がニューズウィークで流れました。
そろそろ本当に日本も国の行く末を自らの意見で決めていくべき時に来ているのではないでしょうか。
ロシアがウクライナを制圧すれば、NATOの敗戦とも言えます。米国の敗戦とも言えます。NATO、米国の意見に乗っかっていた日本は、何の意見もなくロシアから非友好国とみなされるわけです。
各報道を見ても、とにかくロシアが追い込まれているという報道ばかり。本当にそれで日本は大丈夫か?
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】
自分が関心があることを多くの人にもシェアすることで、より広く世の中を動きを知っていただきたいと思い、執筆しております。もし、よろしければ、サポートお願いします!サポートしていただいたものは、より記事の質を上げるために使わせていただきますm(__)m