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ウクライナ東部でロシア兵63人死亡 軍指導部に批判~停戦か第三次世界大戦か~【日経新聞をより深く】
1.ウクライナ東部でロシア兵63人死亡 軍指導部に批判
ロシア国防省は2日、ウクライナ東部ドネツク州にあるロシア軍の臨時拠点が攻撃を受け、ロシア兵ら63人が死亡したと発表した。攻撃への対応の不手際を問う批判が同国内で高まっている。一方、ロシア軍は同州バフムトへの攻撃を強めている。
ウクライナ軍の攻撃はロシアが一方的に併合を宣言したドネツク州の都市マケエフカで2022年12月31日に起きた。ロシア側は、米国が供与した高機動ロケット砲「ハイマース」で攻撃したと主張している。ウクライナによる攻撃で、ロシアが認めた被害のなかで最大規模とみられる。
ロイター通信によると、攻撃への十分な備えがなされていない建物に多くの兵が集まっていたことについて、ロシアの議員らから軍指導部の責任を問う批判が強まっている。ウクライナ側は約400人が死亡したと明かしており、実際の死者数はロシア側の発表より多い可能性がある。
一方、ロシア軍はドネツク州バフムトへの攻撃頻度を高めている。米CNNによると、2日までの過去24時間で224回にわたって発砲した。ただウクライナ当局者の話として、弾薬の使用量は以前に比べて減っているとの見方も伝えた。英国防省は3日、バフムトでロシア軍が「今後数週間のうちに、重要な進展を遂げる可能性は低い」との分析をツイッターに投稿した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と電話協議した。ウクライナ大統領府の発表文によると、ゼレンスキー氏は対ロシアでの勝利に向けて、EUに財政や軍事面での着実な支援を要請した。両首脳は2月3日のEUとウクライナの首脳会議をキーウ(キエフ)で開くことを確認した。
米国から供給されている武器によって、ロシア側に大きな死傷者が出ました。今回は武器庫の近くに兵舎があり、そこが狙われたため、その位置関係に批判が出ています。
2.ドネツク、ルハンスクの歴史
グリークレポートというギリシャのメディアに2022年9月30日に報道されています。どちらかというと、西側から見た視点ではありますが、詳しく書かれているので紹介します。
現在の紛争に至るまでの歴史を知らなければ、未だに日本人は大した理由もなく、プーチンはウクライナに領土を奪うために侵攻したとみている人、ウクライナは意地で抵抗していると思っている人が多いのではないでしょうか。
こうした紛争、戦争に至るには、そこまでの経緯が必ずあり、単独の指導者の思惑だけで起きるものではないと思わされます。ドンバス地方の人々は、これまでも数々の試練に直面してきています。
3.停戦か第三次世界大戦か
ウクライナが単独で抵抗する力はもはやありません。今回の攻撃も米製の武器であり、守るシステムは西側からの提供です。さらに、指揮官もNATOから派遣され、戦うのは各国の傭兵です。
既に、ウクライナとロシアの戦争ではなくなっています。このまま、ウクライナが西側の武器でロシアを攻撃していけば、ロシアは戦略核を使用する事態となってしまいます。
ロシアはもしも、この戦いに敗れれば、隣国であるウクライナに米国が軍の基地を持ち、ミサイルを配備することになります。さらに、経済的に封鎖され、さらに追い込まれることになります。そして、その状態になれば、米国はクーデターによって現政権を倒してくるでしょう。
1990年代、ソ連が崩壊した後、ロシアは米国によって富を収奪されました。それが再現されてしまいます。
ロシア国民はそれを知っています。プーチン氏への支持率の高さは、その富を収奪され、貧しくなったロシアを資源輸出国として経常黒字国とした手腕、そして、1990年代のロシアに戻りたくないという意思ではないでしょうか。
ロシアとしても敗戦が許されず、ウクライナ既に単独の意志ではない。停戦か、第三次世界大戦かのカギは米国および西側諸国が握っているのではないでしょうか。
領土回復まで徹底抗戦を唱えるウクライナのゼレンスキー大統領はロシア側の停戦条件を呑むとは考えられません。
ロシア側も米国が背景にあるウクライナの条件を呑めるわけもありません。
そうなると、どちらかが戦闘を継続することが出来ないところまで戦う可能性しか選択肢はなくなります。それはNATOとロシアの全面対決です。それは、第三次世界大戦へとつながっていくことになります。
そうあっては欲しくないシナリオですが、ウクライナ意思は米国の意志であるとも考えられ、ロシアが併合を宣言した地域をすべて取り戻すまで戦闘を継続するなら、それは第三次世界大戦以外にシナリオがないことになります。
それが回避されるとすると、ロシアがキエフまで占拠し、ウクライナを壊滅させることになります。
いずれにしても、ロシアの全面侵攻が行われるであろう時期はまもなくです。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】
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