全マーケターが知っておくべき「ブランド資産」という考え方
「広告が売上を左右する」
これは大きな間違いです(出だしからいきなりすみません)
以前に「MAGELLAN」という広告効果を可視化するツールで分析した際、この考え方をくつがえす驚きの事実が。
何が売上貢献しているのか?
それは目に見えない「ブランド資産」です。
(ブランド・エクイティとも言う)
僕らの分析ではブランド資産の売上貢献度が全体の6割に達しており、対して年に10億円以上投下した広告の影響度はわずか4割程度。
最初はこの事実を素直に受け入れられなかったことを思い出します。
広告によるプロモーション活動は、6割のブランドエクイティも含めたベースラインが土台となり、そのうえで波打ちながら動いているものであり、仮に広告をゼロにしても短期的には4割しか売上が落ちないということ。
たしかに有名ブランドや大手メーカーの商品の安心感は、広告がなくとも購入の大きな後押しになりますよね。
(人間は失敗をしたくない生き物です)
もちろん広告をやめると中長期的にはブランド資産の低下にもつながりますので、単純に広告なんか意味がないと言っているわけではありません。
気をつけていただきたいのが、どの企業やブランドでも同じ比率になるわけではないということ。
立ち上げたばかりの無名のブランドは当然ベースラインがゼロとなります。
逆に、誰もが知る超大手企業であれば、8割以上に達することも。
どんなツール?
僕は決してブランディングの専門家でもないし、むしろ数字のほうが大好きな人間です。でも「ブランド資産」という目に見えないものを可視化してくれたのがこのツールです。
マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)という理論に基づいて、カスタマージャーニーに沿った広告(タッチポイント)の導線設計を行い、それらの相関性から最適解を導いたり広告の貢献度を評価するというもの。
(こう書くと難しいですよね^^;)
もっとわかりやすく言えば、Web広告やTVCMや店頭販売を、どの順番で接触すると売上が一番増えるのかを予測してくれる魔法のツールなのです!
しかも画面上で、順番や予算を変えることで売上貢献度もそれに応じて変化する優れもの。
このツールの一番の魅力はマーケターの「勘」や「経験」ではなく「仮説力」に基づいた運用ができることじゃないかと考えています。自分の仮説をもとに管理画面上でセッティングするとその場でシュミレーションができていまいます。
これまでは実際にやってみないと検証できなかったものが、ツール上である程度の検証ができてしまうためPDCAの速度が大幅に高まりました。(もちろんシミュレーション数値を外すことも多々あります)
このように非常に有用なツールですが、そのぶん使いこなすのに時間がかかりますし、何よりお値段もかなりお高いです笑
どっちのマーケターになりたいか?
この体験は僕のマーケターとしての意識を大きく変えました。
これまでは出てきた数字のすべてを広告でコントロールしていたものだと思っていました。でも実際にはユーザーの頭の中にある「知名度」「イメージ」「愛着」というものが大きく左右している。
つまり広告に向き合うのではなくお客様に向き合うべきなんだ。
そう気づいた瞬間でした。
短期的な成果をもとめて戦術実行のタスクを管理するマーケターになるか、それとも戦略視点でビジョンを描きながら事業を成長させられるマーケターになるのか?
目に見えないブランド資産を育てるということはかなりハードルが高いことです。なにせ短期的には成果が見えないのでブレないビジョン、やりぬく覚悟、企業のカルチャーが重要に。
何のスキルも強みも持たない僕は、この全体像を把握しつつ、クライアント様を巻き込んで、それぞれのマーケティングの専門家をしっかりと導いていくことが僕の役割なんだと理解しています(まだまだ道半ばですが)
※ちなみに僕がこのツールを使っていたのは7年ぐらい前なので、今とは異なる部分があるかも知れません。あしからずご了承ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?